黒田 誠

J-GLOBALへ         更新日: 17/03/19 10:11
 
アバター
研究者氏名
黒田 誠
 
クロダ マコト
eメール
kurodawayo.ac.jp
URL
http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/
所属
和洋女子大学
部署
人文学群 国際学類
職名
准教授

プロフィール

 和洋女子大学でファンタシー文学、アニメ・ゲームなどのサブカルチャーを教えています。
 形而上学や宇宙論等との関連から、ファンタシー文学の思想的特質についての考察を行ってきました。神話・伝説・おとぎ話などにあらわれた主題となる出来事や存在(妖精、神、妖怪、あるいは怪獣など超自然的現象及び存在物)について、人間の内面心理並びに物理的客観世界の本質的な姿との関連という両側面を意識して、多面的な解釈のあり方を模索しています。考察対象としてはゲームやアニメやマンガなど幅広く論考の範囲を広げながら、主題に対する理解の手法を探っているところです。システム理論的側面から意味と実質についての考察を深めた結果、フィギュア等の表象芸術作品を論じる機会も多くなってきました。現在担当中の講義は以下のようなものです。

 アニメ芸術論
 ゲーム芸術論
 総合芸術
 こんにちの文化
 英語圏文化

研究分野

 
 

学歴

 
 
 - 
1980年
早稲田大学 文学研究科 英文学
 

論文

 
アニメ『Madlax』におけるジャンル規定概念の撹乱: パースペクティブを解体した不定形の仮構と原型あるいは仮構内リアリティ(2)
黒田 誠
和洋女子大学紀要   57 1-14   2017年3月   [査読有り]
アニメ『Madlax』におけるジャンル規定概念の撹乱: パースペクティブを解体した不定形の仮構と原型あるいは仮構内リアリティ(1)
黒田 誠
和洋女子大学紀要   (56) 1-14   2016年3月   [査読有り]
二次創作作品の個別性と原作との同一性: 映画Peter Panと原作Peter and Wendyを具現する仮構的原型(2)
黒田 誠
和洋女子大学紀要 (55) 1-13 2014年3月      2015年3月   [査読有り]
二次創作作品の個別性と原作との同一性: 映画Peter Panと原作Peter and Wendyを具現する仮構的原型(1)
黒田 誠
和洋女子大学紀要   (54) 49-61   2014年3月   [査読有り]
Movie Peter Pan discussed as alternative fiction, in view of the meta-identity of characters pervading many worlds
科学とSFと哲学的省察 『エルゴ・プラクシー』における神と人と“自分”(3)
黒田 誠
和洋女子大学紀要   (53) 1-12   2013年3月   [査読有り]
Immortal god produces his alter ego in order to kill himself in vengeance for his agony inflicted by his creator, humans.
The regent, who was entrusted the care of the dome city created by a god, carries away a god off another dome city, after hi...
科学とSFと哲学的省察:『エルゴ・プラクシー』における神と人と”自分”(2)
KURODA Makoto
和洋女子大学紀要   (52) 49-60   2012年3月   [査読有り]
An idle god neglects his mission and imitates the action of a human girl making up her face, together with an innocent minded robot girl.
科学とSFと哲学的省察:『エルゴ・プラクシー』における神と人と”自分”(1)
KURODA Makoto
和洋女子大学紀要   (51) 79-89   2011年3月   [査読有り]
Man-made gods called “proxies” create various worlds according to their power and propensity, which take the form of dome, tower, bookstore, quiz show, amusement park and delusion world, etc.

Misc

 
アニメ研究 『Madlax』におけるジャンル規定概念の撹乱: 仮構的パースペクティブと ハイパーナチュラルな演出手法の検証 1
黒田 誠
和洋女子大学英文学会誌   51 45-84   2017年3月
「人格同一性と作品同一性—二次創作としての映画Peter Pan」(2)
黒田 誠
和洋女子大学英文学会誌 (49) 1-29      2015年3月
「人格同一性と作品同一性—二次創作としての映画Peter Pan」
黒田 誠
和洋女子大学英文学会誌   (48) 1-22   2014年3月
「召喚魔法と個人存在 ─『Fate/stay night』における存在・現象・人格概念」
黒田 誠
和洋女子大学英文学会誌   (47) 42-100   2013年3月
This paper investigated the possibility of irradiating archetypal correlatives of individuality, through the examination of the description and expression about the spells used in summoning magic. Several interesting Japanese video games and anim...
Figurines, Fiction and Identity
KURODA Makoto
Wayo Women's University Language and Literature   (46) 69-113   2012年3月
Modern man tends to understand himself as an individual, which occupy peculiar coordinate point and should be recognized as definitely distinguishable entity from other similar existences. But the constituent of consciousness can not be corrobora...
「仮構世界とフィギュアと自己同一性:初音ミク、惣流/式波・アスカ・ラングレー、戦場ヶ原ひたぎ、ブラック★ロックシューターの人格特性」
和洋女子大学英文学会誌   (46) 69-113   2012年
Meanings and Ambiguity in Visual Art: Pleroma Motive in Valerie and Her Week of Wonders
KURODA Makoto
Wayo Women's University Language and Literature   (45) 21-75   2011年3月
Valerie and Her Week of Wonders presents more dreamlike fictional world than any other dream novel or dream movie, since the viewers’ experience of watching this visual itself can not be separated from the primordial human psyche where everything ...
「視覚芸術における多義性と曖昧性―『闇のバイブル』の原形質反映記述」
和洋女子大学英文学会誌   (45) 21-75   2011年
Translation and Commentary on Sue Matheson's Study on The Last Unicorn: "Psychic Transformation and Regeneration of Language in Peter S. Beagle's The Last Unicorn"
KURODA Makoto
The Bulletin of Wayo Women's University   (50) 201-216   2010年3月
Translation and commentary on Sue Matheson's study of The Last Unicorn. Comparisons with my own research are made and additional view points are suggested.
Shadow Motive in The Last Unicorn: Metaphysical Visual Expression Adopted in an Animation Film
KURODA Makoto
Wayo Women's University Language and Literature   (44) 1-34   2010年3月
discussed the visual reorganization of metaphysical theme adopted in an animated film out of the original meta-fantasy novel
「アニメーション映画『最後のユニコーン』と影の主題―映像表現における形而上的題材の演出技法」
和洋女子大学英文学会誌   (44) 1-34   2010年
スー・マシソン「ピーター・S・ビーグルの『最後のユニコーン』における霊的変成と言語の再生」― 翻訳および評釈
和洋女子大学紀要   (50) 201-216   2010年
Supernatural System Theory and Antifantasy
KURODA Makoto
Wayo Women's University Language and Literature   (43) 1-75   2009年3月
This paper discussed the principle of magic, supposedly the most important theme in the mysterious fantasy novel, The Last Unicorn. Comparison with Japanese poet Kenji Miyazawa's poetry principle "mental sketch" is made, in order to understand t...
「アンチファンタシーというファンタシーII 超自然のシステム理論とアンチ・ファンタシー」
和洋女子大学英文学会誌   (43) 1-75   2009年
「アンチ・ファンタシーというファンタシーII 量子理論とパラドクスと不可能世界―アクチュアリズムとアンチファンタシー」
和洋女子大学紀要   (49) 15-32   2009年
「ユニバーサル、ユニコーン—『最後のユニコーン』におけるユニコーンの存在論的指標」
和洋女子大学英文学会誌   (42) 15-50   2008年
「アンチファンタシーの中の英雄―『最後のユニコーン』のアンチ・ロマンス的諧謔性とファンタシー的憧憬II」
和洋女子大学紀要   (48) 1-16   2008年3月
「レッド・ブルー無知と盲目の影」
和洋女子大学英文学会誌   (41) 29-62   2007年3月
Red Bull: The Shadow of Ignorance and Blindness
KURODA Makoto
Wayo Women's University Language and Literature   (41) 29-62   2007年
This paper discussed the ontological phase of the supernatural being Red Bull, depicted in The Last Unicorn in view of archetypal shadow motive. According to the description of Deuteronomy, prophesied magical creature "reem" had the power to chas...
「アンチファンタシーの中の英雄ー『最後のユニコーン』のアンチ・ロマンス的諧謔性とファンタシー的憧憬」
和洋女子大学紀要   (47) 39-54   2007年
意味消失による意味性賦与の試みー『最後のユニコーン』における夢と魔法と矛盾撞着と曖昧性
黒田 誠
和洋女子大学英文学会誌   (40) 12-46   2006年3月
ファンタシーにおける非在性の修辞法(レトリック)—『最後のユニコーン』のあり得ない比喩と想像不能の情景
黒田 誠
和洋女子大学紀要   (46) 41-69   2006年
荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的言説ー『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求
黒田 誠
和洋女子大学英文学会誌   (39) 26-59   2005年3月
キスと謎々
黒田 誠
和洋女子大学紀要   (45) 1-17   2005年3月
Discussed the existential traits assumed in Peter Pan through the description about kiss and riddle in Peter and Wendy
不毛の王国の貪欲なストイストー『最後のユニコーン』のフック的アンチ・ヒーローと神格化された無知
黒田 誠
和洋女子大学英文学会誌   (38) 29-45   2004年3月
This paper discussed the significant role of an antihero played by King Haggard in The Last Unicorn as reflecting modern intelligent mind's hopeless isolation out of the integral coordination of universe.
「アンチ・ファンタシーというファンタシー7 ピーターの無知と不思議な智慧」
黒田 誠
和洋女子大学紀要   (44) 17-36   2004年
「アンチ・ファンタシーのポストモダニズム的戦略 —ビーグルの『最後のユニコーン』と“漫画性”」
黒田 誠
和洋女子大学英文学会誌   (37) 13-26   2003年
This paper discussed the peculiar trait of absurdism in The Last Unicorn as showing other-worldly aspiration in contrast with the drastic change of world-view experienced after the discovery of quantum physics
アンチファンタシーというファンタシー5、6
黒田 誠
和洋女子大学紀要   (43) 1-21   2003年3月
「おしゃべりな語り手と擬装 —アンチ・ファンタシーにおけるディコンストラクション」
和洋女子大学英文学会誌   (36) 29-48   2002年
アンチファンタシーというファンタシー3、4
黒田 誠
和洋女子大学紀要   (42) 15-30   2002年3月
グッドフォームと内省ーキャプテン・フックの憂鬱
黒田 誠
和洋女子大学紀要   (35) 21-40   2001年3月
This paper explores the nature of inevitably pursuing dilemma experienced by self-reflective consciousness. Awareness of "self" can never be free from the sense of "bad form" , as long as it adheres to the notion of "good form", only achieved a...
アンチファンタシーというファンタシー1、2
黒田 誠
和洋女子大学紀要   (41) 33-48   2001年3月

書籍等出版物

 
黒田 誠
牧歌舎   2012年2月   ISBN:443416399X
James Matthew Barrie, 黒田 誠 (担当:共著)
近代文芸社   2006年4月   ISBN:4773373695
黒田 誠
近代文芸社   2005年3月   ISBN:4773372435
Peter S. Beagle, 黒田 誠 (担当:共著)
近代文芸社   2004年9月   ISBN:4773371633

講演・口頭発表等

 
映画『ピーター・パン』と原作『ピーターとウェンディ』: 原作と二次創作—仮構作品の“個別性”と“同一性”を考える
黒田 誠
佐倉セミナーハウス文化・教養講座   2013年10月5日   
アニメ『精霊の守人』に描かれた場面の“試行”と“事象” ゲームCrysis の物理演算デモ・ムービーのCGシミュレーション [招待有り]
黒田 誠
和洋女子大学における教育とメディア   2013年9月28日   和洋女子大学における教育とメディアを考える会
暫く以前から表象芸術作品を扱う講義を用意する必要性が指摘され、英語科目のテキストとして映画やアニメを効果的に導入するだけでなく、映像作品の考察自体を論考の主眼に据えた講座が新設され、様々のアニメ・ゲーム作品を講義の中心主題として考察してきました。これらは各々単独で一編の仮構作品として独立した論考を展開するに足る深い内実を秘めた優れた作品でしたが、関連主題を参照するために利用した他のアニメ・ゲーム作品にも、科学の本質や宗教の実質を再考察する上で興味深い実例を提供してくれるものがありました。こ...
ヴィジュアルメディアとネットワーク環境 [招待有り]
黒田 誠
メディアと教育ー大学における視覚教育   2013年2月22日   
○映像/画像資料は、授業で見せっぱなしでは意味が無い。
 受講生が後に各自で自由に参照を行うことができるような形で、紹介したデータをアーカイブとしてまとめて保管しておく必要がある。これらは受講生各自がレポート等に引用することが可能な形式にフォーマット変換しておくことが望ましい。
 データの補完とさらなる主題展開が可能な柔軟性のある様態で資料提示をする工夫が必要。固定した資料の保存としてではなく、新規の問題点の指摘と論考の糸口が随時なし得るような流動性を持つ公開形式を用意する。受講生以外の外...
「これはフィギュアではない」:フィギュア製品における人格概念とゲームにおける存在・現象解釈
黒田 誠
和洋女子大学学園祭公開授業   2012年11月3日   
はなはだ不可解なものである“私性”あるいは“人格性”を再検証するにあたり、初音ミクという擬似人格の保持する種々の表象とイメージについて、フィギュア作品として具現化したキャラクター像を対象にしてその存在論的実質を検証することにより、意識存在としての我々の人格を形成するかもしれぬ未知の諸要素に対する推察の糸口を探ってみることができそうにも思われるのである。
宮澤賢治の詩と宗教と科学―仮構と現実の一体化を図る思想
黒田 誠
佐倉セミナーハウス文化教養講座   2012年10月6日   
相対性理論の提示した素粒子の存在論的解釈とその哲学的影響を巡って1920年代に切実な関心を持って論議されつつあった、量子理論の開拓した波動論あるいは確率論的解釈法についても、賢治が“心象スケッチ”において敏感に同時代的反映を示したことが分かっている
メインストリームカルチャーとサブカルチャー
黒田 誠
和洋女子大学公開講座   2012年5月12日   
“複合芸術”と“エントロピー増大則”
 エントロピーと“ネゲントロピー”、種々の具体例を考える
 冷房と温暖化、人種混交と種の分化、摂食と肥満
 システム理論:熱力学とエネルギー保存則と生物体と仮構
 デカルト:宗教と哲学から科学を分けた
 コールリッジ:科学と哲学の統合を目指した
初音ミクとフィギュアと人格同一性
黒田 誠
学園祭公開授業   2011年10月29日   
 “初音ミク”は仮構世界と現実世界にまたがって存在する一人の少女である。彼女はマンガのキャラクターと同様に髪型や衣服などに固有の特徴的な姿形を有している。そしてまたアニメの登場人物のように独特の声音を備えてもいる。しかしこの少女は、小説の登場人物や映画のヒロインの場合のようなストーリーや場面等の人格特性を決定する具体的情報を提供する物語世界的枠組みは持っていない。初音ミクは、音楽作成ゲーム・ソフトの中で導入されている、プレイヤーが作曲した楽曲を歌い上げる機能を果たすために考案された擬似人格...
英語の詩的表現と表象芸術
黒田 誠
佐倉セミナーハウス文化・教養講座   2011年10月8日   
『最後のユニコーン』に用いられた修辞

 彼女はユニコーンがしばしば絵に描かれていたように、角のついた馬のような姿をしてはいませんでした。体は馬よりも小さく、蹄は二つに割れていて、馬には決して持ちえない、鹿にはただ薄っぺらなおずおずとした物真似でしか持ちえない、そして山羊にはおどけて踊るような歪んだ形でしか備わっていない、独特な(オールドでワイルドな)優美さを持っていました。
レトリックとライム―英語の詩的表現
黒田 誠
和洋女子大学公開講座   2011年5月20日   
 様々の詩的語法が駆使されているピーター・S・ビーグルの『最後のユニコーン』をお手本にして、英語の文章表現を学びます。英語で好んで用いられる“韻”は原理的には翻訳が不可能なものですが、工夫を施すことによって巧みな翻訳を達成した例もあります。独特の文章表現をパターン化して命名することにより、日本語でも応用可能な修辞法を掬い取っていきます。
アニメ・ゲーム研究:可能世界論とコンピュータ・ゲーム
黒田 誠
和洋女子大学学園祭公開授業   2010年11月1日   
『Fate/stay night』の場合は、“伝記活劇ビジュアルノベル”というサブジャンル名称が平行して与えられている。文学作品において歴史小説や恋愛小説や推理小説等の種々のカテゴリー区分があり、また映画作品においてサスペンスやアクションやロマンス等の様々なジャンル名称が認められるのと同様に、“ゲーム”という形で現出した仮構メディアの中においても、いくつかの選別的特質が作品固有の傾向を醸成することとなっているのである。
アニメ・ゲームと現代文化の諸相―哲学・科学・形而上学とサブカルチャー
黒田 誠
佐倉セミナーハウス文化・教養講座   2010年10月3日   
アニメ・ゲーム作品に見る科学と超科学
—量子理論と、ニュートン力学を逸脱するシステム理論

『精霊の守人』:乱流効果と突発的変動
『エウレカセブン』:観測効果と事象の生成—意識による現実の実体化
『とある科学の超電磁砲』:ハイゼンベルグとパーソナル・リアリティ
『ノエイン』:もう一人の私—コヒーレンス、デコヒーレンス
『エル・カザド』:マクスウェルの悪魔と超能力
『Fate stay night』:魔術的宇宙論と“原存在”
『マブラブ・オルタネイティブ』:量子存在と多世界解釈
映画の中に描かれた夢幻世界―願望の迷宮世界『ラビリンス』
黒田 誠
和洋女子大学学園祭公開授業   2009年11月1日   
 映画「ラビリンス」と、Alice Booksが実は同じものだと言ったら、君達は驚くでしょうか。文学作品と映画は全く異なる表現手段を用いて構築した別の存在物ですから、文学作品を原作とした映画は、もとの文学作品とは同じものではない、と考えなくてはならないのは、当然のことです。
 でも、場合によっては、上と同様の意味で、その内容の本質をとらえて、文学作品と映画が根本的に同じものだ、ということも場合によってはできるのです。あるいは、良い意味でのパロディである、と言い換えてもさしつかえないかもし...
アニメ研究:『化物語』、『涼宮ハルヒの憂鬱』、『けいおん』
黒田 誠
大学祭公開授業   2009年10月31日   
考え抜かれた視覚表現が印象的なアニメの『化物語』ですが、原作の『化物語』と『傷物語』も読んでみました。形而上学的な主題的構想に基づいたなかなか骨のある書き物で、「人間の少女」という紛れもない「化物」の話であることがよく分かりました。一見怪異の存在であると思われていたものが、科学的な合理的解釈によって超自然的存在であることを否定されるという、洞察に乏しい薄っぺらで安直な結構のお話や映画は数多いのですが、『化物語』の場合は怪異の存在がむしろ合理的に肯定される、「超自然的」化物解釈の可能性が提示...
映画の中に描かれた夢幻世界—多義性の世界『闇のバイブル』
黒田 誠
学園祭公開授業   2009年10月31日   
この映像作品を対象にして効果的に指摘することができるのが、20世紀初頭のアインシュタインによる相対性理論の発表を受けてその影響下にハイゼンベルグやボーア達の哲学と物理学の双方に理解の深い思想家達の手の許に発展した量子論理的世界観が仮構世界記述に及ぼした特徴的な変革である。アクチュアリズムやシュール・レアリズム等の文芸思潮との関連から仮構世界論の根幹を考察し、ファンタシー文学の深層にある思想的核心とシステム理論的意義性を再検証するにあたり、ことさら有用な手がかりを与えると思われるのが、この映...
ピーター・S・ビーグルの短編ファンタシーを読む
黒田 誠
佐倉セミナーハウス文化・教養講座   2009年9月5日   
短編 “Two Hearts”
名高いファンタシーの傑作The Last Unicornの後日談。2006年度のヒューゴー賞とネビュラ賞(星雲賞)を受賞した。年老いた英雄と神話の世界の存在であるユニコーンとの再会。既存の英雄像とロマンスの価値観を根底から転覆したアンチ・ヒーローの、哀切な最期が語られる。
日本アニメの英語訳—字幕と音声の対比
黒田 誠
いちかわ市民アカデミー講座   2009年5月10日   
「本当に、大丈夫なんですかねえ。いきなりこうそくとか。
I wonder if it’ll be alright… shifting into high speed so suddenly;
考えたくはないですけど。
although, I really don’t want to think about it.
今度の会見にしたところで、事前協議とか一切なしにいきなり呼びつけですよ。
As for this meeting, I was called upon very abruptl...
アニメの研究と鑑賞「アイドルマスターゼノグラシア」と「シムーン」
黒田 誠
学園祭公開授業   2008年11月1日   
月の破片(コンペイトウ)が土星の輪のように地球を取り巻き、これが“オービタル・リング”と呼ばれてその影響が日常の生活感覚に浸透している。時々隕石(ドロップ)となって地球に落下するものは、大きさによって“レモン”、“メロン”などと呼び分けられていて、それぞれ毎の対策が“見過ごし可”、あるいは“要破壊”などと取り決められている。月のたどった未来の運命であるこれらの物体は、恐ろしい災害も引き起こすが、時々は新種の夕焼けのような美しい現象も招来することとなっている。その一つ一つをもの語る造語がとて...
幻のアニメーション映画『最後のユニコーン』
黒田 誠
英文学科公開講座   2008年9月   
『最後のユニコーン』シナリオ


(森の中。二人の狩人が馬に乗って登場。年上の狩人は黒い髭をはやしている。若い狩人は羽のついた帽子を被っている。)

年上の狩人:このあたりの森は気に入らないな。ユニコーンの住む森の動物達
は、自分でも魔法を使うようになるんだ。主に姿を隠す魔法をな。

若い狩人:ユニコーンだって?ユニコーンなんてお伽噺の中のものだろう。他のと変わらない、普通の森じゃないか。

年上の狩人:じゃあ、どうしてこの森には木の葉が散ることがないんだ。雪も降らない。どうしていつもこ...
Peter S. Beagle の世界—短編と近況
黒田 誠
佐倉セミナーハウス公開講座   2008年9月   
“Lila the Werewolf”—現代ニューヨークを舞台にした狼人間譚
 全ての驚異をあるがままに受け入れる傍観者である主人公
 意識の中に展開する時空と超自然を描く記述
 存在と位置と属性の位相変換—量子力学的宇宙観の反映
「萌え」研究:サブカルチャーと哲学思想
黒田 誠
公開講座   2008年5月   
オタクは“2次元”に執着し、現実を“3次元”と呼ぶ。
 3D(ディメンション)とはどのような技術か?
 3Dは3次元か?
 現実世界は3次元か?
 現実世界は物理的(physical)か?形而上的(metaphysical)か
 量子色力学とバリオン三重項
 オタクの“2次元”とはどのような概念か?
最後のユニコーンの世界
黒田 誠
学園祭公開授業   2007年11月   
1 ユニコーンとは―伝説に語り伝えられたユニコーン
  ローマの博物学者プリニウスの「博物誌」の記述
 プリニウスによれば、ユニコーンはとても獰猛で、身体そのものは馬と同様だが、頭は鹿のようで、足は象のようで、尾は熊のようで、唸る声はとても重々しく、2キュービットの長さの黒い角を持っているということだ。
 ユニコーンとは様々の動物の組み合わせ、“キメラ”(chimera)にも似た存在であった。
概要は以下のホームページにも公開
http://www.linkclub.or.jp/~mac...
「ピーターとウェンディ」を読む
黒田 誠
和洋女子大学公開講座   2007年9月   
 子供というものは、一人を除いて、みんな大きくなってしまうものです。誰もがまもなく、自分が大きくなってしまうことに気が付きます。ウエンディの場合は、こんな風にしてでした。ある日ウェンディが2歳の頃、彼女はお庭で遊んでいたのです。もう一本花を折って、お母さんのところへ駆け寄りました。その姿はとても嬉しそうに見えたのでしょう、お母さんは手を胸の上に当てると、叫んだのです。「どうしてあなたは、いつまでもこのままでいることができないんでしょうね。」
ピーター・パンを読む
黒田 誠
英文学科公開講座   2006年9月   
これまではフックは、自分が戦っている相手が何か化け物のようなものだと思っていた。しかし今、さらに恐ろしい疑惑が彼を襲ったのである。
 「パン、一体お前は何物なのだ?」かすれた声でフックは尋ねた。
 「僕は若さだ、僕は歓喜だ!」ピーターは、当てずっぽうに答えた。「僕は、卵から孵ったばかりの雛鳥だ。」
 勿論これは、意味をなさない答えであった。しかしこの返答が、ピーターが自分が一体何物なのか、一切全く知らないという事実を示していることは、哀れなフックには明白であった。
映画Peter Panと原作Peter and Wendy
黒田 誠
公開授業   2006年7月   
映画『ピーター・パン』(2004年、アメリカ、監督P・J・ホーガン)では、原作のストーリーや設定等を大胆に改変して、新規の物語世界を創り出している。このお話の中心となっているのは、ピーターではなくて、むしろウェンディの方なのである。しかしながらこの映画は、原作にあった興味深い台詞や会話を活かして巧みにシーンを再構成してもいる。原作の『ピーターとウェンディ』にあった台詞と映画『ピーター・パン』の台詞との対照を通して、この映画のフィクションとしての興味深い位相を形作る微妙な部分を見直してみるこ...
「ピーターとウェンディ」を読む
黒田 誠
公開講座   2006年5月   
 フックの顔は死人のようにやつれて浅黒く、その髪は長い巻き毛になっていて、少し離れてみると黒いろうそくのように見えて、彼の整った顔つきに特別の恐ろしげな雰囲気を漂わせていました。フックの目は忘れな草のような淡い青色で、深い憂鬱を湛えていました。そして君の体にあの鉤爪を突きたてる時だけは赤い二つの光がその両目にあらわれ、ぞっとするような表情をみせるのでした。フックの仕種にはどこか血筋正しいお殿様を思わせるようなおごそかさがあって、人の体を切り裂く時でさえ、優雅な身のこなしに思えるのでした。そ...
ジャンヌ・ダルクの影とナウシカの影—神や悪魔として現れるものたち [招待有り]
黒田 誠
市川市民アカデミー   2005年12月10日   
『風の谷のナウシカ』のナウシカも、ジャンヌと同じように不思議な信念に導かれて、運命の渦中に飛び込む。そしてナウシカの前にも不可解な影が姿を現す。ジャンヌの影とナウシカの出会った影は、等質のものなのだろうか。違いはどこにあるのだろうか。
概要は以下のホームページにも公開
http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/joan/joan.htm
『ロード・オブ・ザ・リング』と言語の世界
黒田 誠
英文学科公開講座   2005年9月   
 映画『ロード・オブ・ザ・リング』の原作である『指輪の王』は、オクスフォード大学で言語学を研究していたJ. R. R. トルキンが、神話や伝説の伝承知識に加えて、専門の古代言語に関する膨大な情報を活用して創りあげた世界となっている。実はエピソードの各々がいくつもの架空の言語の文法や語法の生成などと密接に関連して語り進められているのである。
概要は以下のホームページにも公開
http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/open/tolkien.htm
ピーター・パンの謎とキャプテン・フック [招待有り]
黒田 誠
市川市中央教養講座   2005年7月7日   
ピーターとは、未婚の女性達や若いお母さん達の顔の上に窺われる特有の表情に類した何かなのだという。比喩表現の一種と目されていた言説がそのまま実体性を獲得し、意志性と肉体性を備えた固有の存在物として具現化してしまったかのような奇妙な記述が行われてしまっていたという訳なのだ。机上の空論に属する観念遊戯の所産とも、あるいは観念空間のみにかろうじて存在意義を主張することができる、危うい概念連合の結晶体とも看做し得るのが、この物語の主人公である少年の備えた本質的属性であったのだった。
アニメーション版『最後のユニコーン』の世界―シナリオと映像表現を比較検証する
黒田 誠
公開授業   2005年6月13日   
アニメーション映画『最後のユニコーン』は、1968年に出版されたピーター・S・ビーグルによる原作に導入されていた“影と本体の捻転的合一”という潜伏的主題に、映像表現として巧妙な再構成の手を加えたものとなっている。アニメーション映画特有の映像表現を活用した“影”というモチーフの展開応用例を敢えて即物的に確認していくことにより、類い稀な緻密性を備えたこのアニメーション作品の映像表現技法に対する検証作業を試みていくこととしよう。
詳細は以下のホームページに公開
http://www.linkcl...
The Last Unicorn 『最後のユニコーン』の世界
黒田 誠
学園祭公開授業   2004年11月   
タペストリーに描かれたユニコーン
 クリュニー美術館所蔵のタペストリー―“貴婦人とユニコーン”
 メトロポリタン美術館所蔵のタペストリー“クロイスターズ・ユニコーン”
 タペストリーの中に描かれたユニコーンとは、中世的“アレゴリー”の寓諭的意味を背負っているものであった。
ファンタシー文学の研究と授業の実例
黒田 誠
公開授業   2004年2月   
キーワード別に主題を解説した注釈テキスト:
 様々の文学作品や流行歌からの引用を解説
 テーマを解析するためのキーワード、“old”、“time”、“magic”など

インターネットで公開中の様々な関連データ
 ホームページ “Fantasy as Antifantasy”
 http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/

 ブログ “Fantasy as Antifantasy Daily Lecture”
 ―The Last Unicorn 『最後の...
『最後のユニコーン』(The Last Unicorn)の世界
黒田 誠
公開講座   2004年   
 『最後のユニコーン』のユニコーンは、従来の言い伝えとは全く異なる存在属性を与えられている。
 彼女はユニコーンがしばしば絵に描かれていたように、角のついた馬のような姿はしていなかった。体は馬よりも小さく、蹄は二つに割れていて、馬が決して所有したことのない、そして鹿はただ薄っぺらなおずおずとした物真似でしか所有したことがなく、そして山羊はおどけて踊るような形でしか持っていない“オールド”で“ワイルド”な優美さを備えていた。
“ハリー・ポッター”の裏設定の世界
黒田 誠
公開授業   2003年11月   
“ハリー・ポッター”の裏設定の世界

 映画“ハリー・ポッター1”と“ハリー・ポッター2”を観比べて、字幕にあらわれていないセリフを読み取り、ホグワーツ学院の秘密や魔法の原理など、気になる裏設定を探っていきます。さりげない言葉の背後に様々な歴史的・文化的背景が潜んでいるのが分かります。
映画A. I. を見て英語を学ぶ
黒田 誠
公開授業   2003年11月   
 お母さんに捨てられてしまったロボットのディビッドは、ブルー・フェアリーを見つけて、人間に変えてもらおうと考える。友達になったジゴロ・ジョーに教えられて、コンピューターの情報検索を利用するディビッドは、現実(flat fact)とフェアリー・テールの条件積からブルー・フェアリーのいる場所を探し出そうとするが……
映画『ハリー・ポッター』を観て英語と文化について考える
黒田 誠
和洋女子大学公開講座   2003年9月   
映画『ハリー・ポッター』を見ながら、字幕にあらわれていない実際のセリフを聞き取り、セリフの中に隠された物語世界を支えている巧みな裏設定や、単語が持つ歴史的・文化的背景などを探っていきます。
外国文学を読む —『ピーターパンの世界』
黒田 誠
市川市中央教養講座   2003年6月12日   
“ピーター・パン”というキャラクターの出てくる作品世界
 複数の作品の中で“永遠の子供”という主題が様々に形を変えて登場する。
小説『白い小鳥』(The Little White Bird)、1902年
劇『ピーター・パン』、(Peter Pan)1904年
小説『ケンジントン公園のピーター・パン』
(Peter Pan in Kensington Gardens)1906年
小説『ピーターとウェンディ』、(Peter and Wendy)1911年
ファンタシー文学における知識と癒し―“philology”という学問と裏設定の世界
黒田 誠
公開講座   2003年5月   
 『指輪の王』(The Lord of the Rings)の作者J. R. R. Tolkienは、何よりも自分自身の喜びのために、そしてまた大学の同僚達を楽しませるために、後には戦地に赴いた息子のChristopherを慰めるために、専門の“philology”の知識を総動員して、膨大な情報群からなる架空の別世界“Middle Earth”を構築した。
ピーター・パンの謎とキャプテン・フックの謎とPeter and Wendyの謎
黒田 誠
市川市民講座   2003年   
 小説『ピーターとウェンディ』は有害図書である。楽しい冒険をするためなら殺人も裏切りも許される。恰好良さが総てに優先する美学の世界なのだ。そしてこの作品の本当の主人公は、実はピーターではない。
ハリーポッターとファンタシー文学
黒田 誠
公開授業   2003年   
“マルフォイのお父さんと出会う”
お父さんもウィーズレー家と仲が悪かった。
次のセリフの意味は?
Mum fancies him.
Together, you and I rate the front page.
Your scar is legend. As, of course, is the wizard who gave it to you.

概要は以下のホームページにも公開
http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/open/hp.htm
『ハリー・ポッター』と英語—映画から学ぶ
黒田 誠
公開授業   2002年11月3日   
1 Hermione —汽車の中でハーマイオニと出会う

次のセリフはどういう意味?
Wicked.
I'm all set.
hang around
Pathetic.
Holy cricket.
Pleasure.
言葉の意味と裏の論理—翻訳ソフトの限界を体験しよう
黒田 誠
公開授業   2002年9月14日   
「言葉の意味と裏の論理—翻訳ソフトの限界を体験しよう」

  最近のコンピュータ技術の進歩はめざましく、英語を日本語に瞬時に変換してくれるソフトも実用化されています。とはいえ、翻訳ソフトの日本語は正直ほめられたものではありません。これはどうしてなのでしょう?言葉が文章になった時にどのように意味が変化するのかを考えると、その理由が少しずつ見えてきます。
 インターネットに繋いで、コンピュータに英作文をやらせる。
 ちょっと意地悪をしてみる—英語にならない日本語がある。
次はやさしく—コンピュ...
ファンタシー文学と文学的・論理学的解釈
黒田 誠
公開授業   2002年6月17日   
講座1:「ピーター・パンはどうして空を飛べるのか」
講座2:「文学研究とコンピュータによる情報検索」
「映画ハリー・ポッターを観て英語と文化を学ぶ」
黒田 誠
公開講座   2002年3月16日   
英文学科の実際の授業の様子を90分の模擬授業(2回)の形で公開し、各々30分の質疑応答の時間を設けた。受講生の講座題目に対する興味と英語及び文化に対する関心は高く、様々な局面に及ぶ積極的な質問が印象的であった。中・高校生ばかりでなく小学生から高齢の一般の方までの幅広い参加が得られたが、それぞれの英語に対する熟達度は高く、講座運営は大変円滑に進めることができた。
参加者:第一講 43人
    第二講 38人
主催者となった茂原英語学院には、市の広報の手配による周知、会場の提供、アンケート配...
ピーター・パンはどうして空を飛べるのか
黒田 誠
公開授業   2001年10月   
「ピーター・パンはどうして空を飛べるのか」

答えその1 妖精の粉を振りかけると空を飛べる
 ダーリング家の子供たちが空を飛べるようにするために、ピーターは彼等に妖精の粉を振りかけた。

 これは本当の理由ではない。最初の上演の際にはこの部分は無かった。劇を観た子供たちがダーリング家の子供たちのまねをしてベッドから飛び立とうとして怪我をする例が続出したため、作者はこの部分を後に脚本に付け加えた。
映画“フェアリーテイル”とコティングレー事件
黒田 誠
公開授業   2000年11月   
近代において「妖精」とは、世界の本質である自然そのものを指すあらたな言葉となったが、この場合の自然とは身の回りを取り巻く外界のことではなく、むしろ自身の精神の内奥に潜む、無意識と先験的叡知を意識したものであり、この内的宇宙への回帰の必要性という自覚が文学的表象の手段として「妖精」という存在を生み出したのであった。
妖精伝承とファンタシー文学
黒田 誠
公開授業   2000年6月   
「妖精」とは、世界の構成要素である地・水・火・風の4つのエレメントの具現化である精霊として、外的宇宙の実体をなすものとして捉えられる存在でもあった。
妖精とファンタシー文学
黒田 誠
公開授業   2000年5月   
 古くからの民間伝承における妖精(fairy)とは、様々な妖怪や魑魅魍魎の類いであった。
「妖精」とは、かつてはキリスト教信仰によって統合される以前に人々によって信仰の対象とされていた土着の神々が姿を変えて生き残ったものであると考えられてきた。
ファンタシー文学と影―ジョージ・マクドナルド『ファンタステス』
黒田 誠
公開授業   1999年11月   
ファンタシー文学と影
ジョージ・マクドナルド『ファンタステス』
無意識の夢幻郷に影を発見する物語
フェアリーランドという魔法
世界のすべてが自分自身の影であり、
あらゆるものが他のものに姿を変えることを夢見ている

担当経験のある科目

 
 

競争的資金等の研究課題

 
ファンタシー研究