2017年4月 - 2020年3月
アクティブ・ラーニング施設の運用を通した21世紀型スキル教育プログラムの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
当該年度は3年の研究計画の2年目であった.アクティブ・ラーニング向け施設の運営業務に埋め込まれた教育プログラムの開発に向け,過去の運営チームの活動状況の分析を行った.研究のフィールドとなっているアクティブ・ラーニング向け施設では,運営チームの業務上のやりとりとして2万件以上の記事が蓄積されている.この記事のそれぞれの返信関係から記事の著者同士の社会ネットワークを抽出し,媒介中心性について分析した.この結果,教職員スタッフが学生スタッフ間をつなぎ,期が進む中でより多くこの仕事をシステム上で実施していたことが示唆された.一方でこのような媒介する動きをスタッフ育成の視点で考えれば,教職員ではなく学生ができるようにして行くことでより良い組織になって行くことが考えられる.実際に,教職員スタッフの媒介中心性よりも学生スタッフの媒介中心性の方が高い時期も抽出された.電子掲示板における相互作用に対して議論過程可視化システムを活用し可視化することで,各スタッフの集団的認知責任の様子を分析可能であることが示唆された.この結果を受け,構成員の媒介中心性をリアルタイムで本人に通知することにより,活動のフィードバックを行い,自身の活動の改善につながるような支援を提供するシステムの提案を行った.研究者などが学習や業務のプロセスを事後的に評価するためでなく,構成員がコミュニティ全体から見た自身の位置を把握することにより,構成員各自が自発的に集団的認知責任の向上を検討可能となることを狙うものである.短期間の試用において,リアルタイムのフィードバック機能が構成員の活動を変えうることが示唆された.
- ID情報
-
- 課題番号 : 17K01136
- 体系的課題番号 : JP17K01136
この研究課題の成果一覧
絞り込み
講演・口頭発表等
3-
教育システム情報学会2019年度第6回研究会 2020年3月
-
日本認知科学会第36回大会 2019年9月
-
情報処理学会全国大会 2019年2月28日 情報処理学会