MISC

2016年6月

トリプルネガティブ乳癌におけるBRCA1/2遺伝子変異陽性率の検討

乳癌の臨床
  • 北川 瞳
  • ,
  • 矢形 寛
  • ,
  • 吉田 敦
  • ,
  • 青木 美紀子
  • ,
  • 大川 恵
  • ,
  • 金井 久子
  • ,
  • 林 直輝
  • ,
  • 山内 英子

31
3
開始ページ
223
終了ページ
227
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)篠原出版新社

BRCA1/2遺伝子変異、とくにBRCA1ではトリプルネガティブ乳癌(TNBC)との関連が示唆されているが、日本人における報告は少ない。そこで、当院で遺伝子検査を施行したTNBCにおける遺伝カウンセリングおよびBRCA1/2遺伝子検査実施数、BRCA1/2遺伝子変異保有率、さらに家族歴を後ろ向きに調査した。対象は2011年1月から2013年7月に当院で手術を行ったTNBC154例。遺伝カウンセリングを35例に、遺伝子検査を24例に施行し、BRCA1/2遺伝子変異を7例(29.2%、BRCA1;6例、BRCA2;1例)に認めた。診断時年齢60歳以下のTNBCは97例で、遺伝カウンセリング29例、遺伝子検査22例、BRCA1/2遺伝子変異を7例(31.8%)に認めた。家族歴がなく遺伝子検査を行ったTNBCは10例で、2例(20%)にBRCA1遺伝子変異を認めた。対象期間内に乳癌の診断で、123例にBRCA1/2遺伝子検査を行い、変異陽性は29例(23.6%)であった。60歳以下のTNBCにおけるBRCA1/2遺伝子変異陽性率は本邦においても高く、さらに、家族歴がなくても同様の傾向にあることがわかった。このことを念頭において適切な遺伝カウンセリングを提供することが重要である。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0911-2251
  • 医中誌Web ID : 2016308245

エクスポート
BibTeX RIS