薬学生を対象として従来法(シリンジ法)に加え、閉鎖式薬物混合システム(CSTD)として最も使用率の高いPhaSealを用いた方法(P法)、CSTD以外で最も使用されているデバイスとして、溶解液キット製剤(注射針付溶解剤)である大塚生食注2ポートを用いた方法(2ポート法)を合わせ、合計3種類の調製法により漏出あるいは飛散した量、スポットの大きさおよび数、調製時間を比較し、各調製法の安全性について検討した。薬学部4、5年30名を対象とした。フルオレセインナトリウム(FL)を乳糖で0.5%w/wとした粉末1gを50mLガラスバイアルに封入したものを、模擬抗がん薬として用いた。手袋へのFL飛散量の平均値はシリンジ法とP法では有意差は認めなかったが、2ポート法はシリンジ法と比較して有意に多かった。作業用シートへのFL飛散量の平均値はシリンジ法に比べて、P法では有意に少なかったが、2ポート法はシリンジ法と比較して有意に多かった。2ポート法での平均調製時間は、シリンジ法と比較して有意に短かった。