共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

SHP2による薬剤toleranceを標的とした肺がん根治的治療の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K08179
体系的課題番号
JP21K08179
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

肺がんは、様々な原因遺伝子異常に対応した分子標的薬により腫瘍が著明に縮小するが根治に至らない.これは一部のがん細胞(drug tolerant細胞)が残存し後に薬剤耐性となることが大きな要因である.SHP2(Src homology region 2 domain-containing phosphatase) は種々のがん増殖シグナルを下流に伝達する重要なチロシンホスファターゼであるが、申請者らは、このSHP2を阻害するとtolerant細胞の残存を抑制できる可能性を見出した.本研究では、様々なタイプの遺伝子異常を持つ肺がんでSHP2阻害によるtolerant細胞抑制効果を確認し、tolerant細胞におけるSHP2シグナルの重要性を明らかにする.研究の方法として、皮下腫瘍移植モデルを用い、1) SHP2阻害薬による腫瘍残存抑制効果の確認、2) 残存腫瘍の網羅的解析(受容体チロシンリン酸化アレイ・遺伝子発現パネル解析)によるSHP2を介したtolerant細胞残存メカニズムの解明を行う.将来的にSHP2シグナル経路を標的とした、より根治性の高い治療開発につなげることを目標とする.本年度はマウス皮下腫瘍モデルを用い、EGFR・ALK・ROS1遺伝子異常を持つ肺癌皮下腫瘍に対するSHP2阻害薬と各遺伝子異常を標的とした薬剤(EGFR阻害薬・ALK阻害薬・ROS1阻害薬)との併用効果を確認した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K08179
ID情報
  • 課題番号 : 21K08179
  • 体系的課題番号 : JP21K08179