基本情報

所属
早稲田大学 教育・総合科学学術院 教授
学位
理学博士(早稲田大学)

J-GLOBAL ID
200901013611388570
researchmap会員ID
1000005964

 

最終更新:2021/11/4

専門分野:数学,応用・計算解析学,数理視覚科学,錯視。この内、数理視覚科学は
STEAM (Science, Technology, Engineering, Arts, and Mathematics)
を融合して新理論を作る研究です。


錯視等に関する取材はこちらからお申し込みください(早大広報課HP)

 

 

 NEWS1  
デジタル時代の新しい大学レベルの学びの場,
サイバーアカデメイア
数理科学デジタルオープンレクチャーズ を始めました。
 誰もが無料で大学・大学院レベルの数学,数理科学の質の高い
オンライン講義を学べるサイバー空間です。講義はすべて配信用オリジナルです。大学レベルの教育のデジタル化と社会への発信をしてます。詳しくは下の方の記述をご覧ください。

 

 【NEWS2】 
朝日新聞(2018年11月24日朝刊)で錯視と画像処理の研究成果が取り上げられました。詳しくはこちら.

米国科学雑誌 『Nautilus』 のサイトで視覚・錯視と画像処理の研究成果が取り上げられ紹介されました.詳しくはこちら.

研究成果に関するこれまでの新聞報道等はこちら.

 

【NEWS3】 
早稲田大学のガイドブック「Waseda University Guidebook 2022」 の「こんな学びが面白い!」で早稲田大学教育学部での授業「微積分1A」(担当:新井仁之)が取上げられました。詳しくはこちら(60ページにあります)

 

 

 

 【現在行っている研究:数学によるイノベーション創出

 私の研究テーマは、数理視覚科学、応用・計算解析学、AI(人工知能)、アート、画像処理といった数学(基礎解析と応用解析),視覚科学,知覚心理学,脳科学の融合的研究です。本研究では、文理というだけでなく、数学に機軸を置きつつ,人に係る自然科学と人文科学及び芸術の総合的な研究を行っています。特に数理視覚科学は私が作っている分野で、したがって、本研究は他では見ることのできない研究とも言えます。たとえば,世界で初めて錯視の成分の特定に成功し,錯視成分の除去,錯視成分の強化など錯視のコントロールに成功しました。下の画像はその実施例の一つです。このほかにも画像処理への応用,科学の基礎をなる純粋数学へのフィードバックなども研究しています。

 

(なお上記の画像はこのサイトに張り付ける際に自動的に圧縮されています.)

 

数理視覚科学が数学,錯視,脳,視覚芸術の横断的な分野であることを活用して,錯視を軸に先端的数学(特に解析学)と科学の世界を渡り歩くような STEM教育,STEAM教育のプログラムも研究・開発をしています。STEM教育STEAM教育の新しい試みの一つと考えています。



本研究とその応用に関する成果に基づくソフトウェア開発,研究成果の商品化・実用化など数理視覚科学によるイノベーション創出も行っています(図2参照)。詳しくは下記の冊子をご覧ください。


数理視覚科学の概説と産業活用のために(新井研究室発行・非売品)
全32ページ・オールカラー・A4版
本研究にご関心のある企業・機関の方は 早稲田大学特許・研究シーズ からご連絡ください

 

 

【研究内容をもう少し詳しく】

本研究は

純粋数学の研究 → 脳内の視知覚の情報処理の数理モデル研究 → 画像処理の新技術,視覚芸術への応用 → 商品化,ソフトウェア開発 → 純粋数学へのフィードバック → ・・・

といった研究です。そのプロセスの詳細を図で示します。

 

 

新井仁之研究概要

図1.新井仁之の研究概略図

 

 

図2.研究成果と産業応用

 

 

なお研究の一部の概要が「早稲田大学体験webサイト」で配信中です:【早稲田大学】数理視覚科学入門
早稲田大学教育学部オープンキャンパス (オンライン) でも公開中。

 

  

 


【数理科学デジタルオープンレクチャーズ】(教育活動

世界中のさまざまな大学において、授業等のオンライン公開配信をするオープンコースウェア (Opencourseware, OCW) が行われています。 しかし数学・数理科学専用の OCW はあまりないようです。そこで誰もが自由にオンラインで学べる

 

 

サイバーアカデメイア
数理科学デジタルオープンレクチャーズ
Digital Open Lectures in Mathematical Sciences

 

 

を始めることにしました。
ただし数理科学デジタルオープンレクチャーズは,通常の OCW と違い,大学のオンライン授業を配信するのではなく,オリジナルコンテンツを制作することをポリシーとしています。というのは大学のカリキュラムの一環として学ぶオンライン授業が,自由な立場で自習する場合,必ずしも学びやすいとは限らないからです。講義のストーリー展開や内容構成に工夫が必要です。数理科学デジタルオープンレクチャーズでは独自の公開専用のオンライン授業を制作しています。


なお,本プロジェクトは有用な活動と私自身は考えておりますが,残念ながら制作サポートを受けることができず,企画立案から動画作成・発信まですべての作業を個人で行っています。そのため配信は不定期になりがちです。しかし質が高く分かり易い,他では視聴できないようなオリジナルコンテンツを充実させていきます。

 

最近、教育のデジタル化が急速に進んでいます。そのような中で,本プロジェクトが数学・数理科学の一般向け教育,STEM教育,STEAM教育、さらには大学教育のデジタル化,社会人教育のデジタル化の促進にもつながると考えています

数理科学デジタルオープンレクチャーズにはさまざまなオンライン学習コースがあります。もちろん視聴無料事前登録なしです。詳しくは次をご覧ください。 

 

☆ 数理科学デジタルオープンレクチャーズはこちらからどうぞ ☆

 

*)数理科学デジタルオープンレクチャーズの配信には YouTube を使っていますが,収益化は行っておりません。

*)アカデメイアはかつてプラトンが作った教育の場です。サイバーアカデメイアの名前はそれに因んでいます。

 

 

【その他の活動:美術評,書評】

 

 

 数理視覚科学関係⇩

 【錯視の科学館  Science Museum of Visual Illusions,研究成果公開

私の研究を中心に,錯視に関する話題を集めて展示した web 上のバーチャル科学館です.
こちらから入館してください(無料)

 

 

【ITmedia NEWS 連載解説記事『コンピュータで"錯視"の謎に迫る』,研究成果公開 
URL: 1回~15回 こちらからご覧になれます(ITmedia NEWS のサイト)

 

美術関係⇩

展覧会の絵:数学者が見た美術の世界 こちらをご覧ください.

 

書評関係⇩

私の名著発掘(書評) こちらをご覧ください

  

個人のホームぺージ こちらをご覧ください

 
 

【早稲田大学で担当している科目】(教育活動

教育学部オンラインオープンキャンパスで公開されているサイト:微積分1A/2A 早稲田大学で学ぶ微分積分

 ICTを活用した大学教育のデジタル化.微積分の教育内容を人工知能やビッグデータなど新しい数理の時代に合うように変革し,それにICTを協働させてます.「大学の数学教育のデジタル化」+「大学教育のデジタルトランスフォーメーション DX」,「 e-Learning、 e-Teaching、そして教育内容変革との協働」の事例となっています.詳しくはこちらもご覧ください.

 Waseda University Guidebook 2022 「こんな学びがおもしろい」で早稲田大学教育学部数学科の微積分1A(担当:新井仁之)が取上げられました。詳しくはこちら(60ページにあります)。

 

【研究室紹介】
新井仁之研究室

早稲田大学教育学部セミナー 数学科 新井仁之ゼミ紹介:2022年度数学演習1A(新井ゼミ)

 


 

自己紹介

 

新井仁之 (Arai Hitoshi)
早稲田大学教育・総合科学学術院教授
東京大学名誉教授

 

1959年横浜生まれ

 

[中高時代]

 1972年に獨協中学・高等学校のドイツ語組に入学。ドイツ語組は吉田松陰の弟子の品川弥二郎や、哲学という訳語を考案した西周らが創立した獨逸学協会学校の流れを汲むクラスで、中学1年からドイツ語が第一外国語となっていました。獨協にはドイツの文化が底流にありました。ここでドイツ語を初めて学び、とりわけドイツ語の文法の仕組みの美しさに感動し、ドイツ語文法を熱心に勉強していました。

 

 しかし、中学2年の秋に獨協を退学、ドイツのボンにある Nicolaus Cusanus Gymnasium という中高一貫校に入学しました。そして約1年そこでドイツ語による教育を受けました。ドイツでは哲学、特に認識論に興味をもち、独学で哲学を学び始めました。

 

 帰国後、再び獨協に中学3年の秋から編入学しました。中学3年のときにカントの『純粋理性批判』を読み始め、すっかり取憑かれてしまい、この哲学書に没頭しました。『純粋理性批判』は中学生の私にとって、人の認識を論理的に解き明かそうとする新しい壮大な世界でした。こういったこともあって中学・高校時代は、名誉校長で著名な哲学者の天野貞祐先生、そしてとりわけ校長でかつて東京大学教授だったドイツ文学者の小池辰雄先生から薫陶を受け、哲学・認識論の勉学に専念しました。高校のときには認識論に関する論文を書いたりしていました(未発表)。
中学のときに出会った『純粋理性批判』は、私の中学・高校時代の生活を大きく変え、その後の(特に数理視覚科学に関する)研究人生にも影響を与えた哲学書です。

 

 このほか、中学3年のときに数学担当の原田恒久先生のご指導の下、遠山啓著『微分と積分 その思想と方法』(日本評論社)を読みました。原田先生が数名の中学・高校生に対し放課後講義をされ,私もそれに加わっていました。講義は本の前半で終わりましたので,続きは一人で読みました。もともと数学そのものにはそれほど興味があった訳ではありませんでしたが、大学の数学を学んでみると、中学の数学とは全くの別物で、それ自身新鮮で面白く、『微分と積分 その思想と方法』は大学レベルの数学への扉を開いてくれました。ただ当時は哲学・認識論への興味が強く、高校に進級すると結局哲学・認識論の勉学に専心しました。

 それから数十年後、『微分と積分 その思想と方法』の新版がでるとき、出版社から解説を依頼され、新版には私の解説が載りました。中学生の頃、まさか将来、読んでいるテキストの巻末に自分の解説が載ることになろうとは想像もしていませんでした。

 
[ギフテッド教育について - ギフテッド教育支援センター構想案]

 ところで、近年、日本でもギフテッドと呼ばれる生徒に対するギフテッド教育が注目されつつあります。文部科学省がギフテッドの教育の支援に乗り出したとの報道もありました。今から思えば、45年以上前に中学・高校で哲学や数学のギフテッド教育の一種かそれに類するものを受けていたと言えるのかもしれません(ただし私にはギフテッドと言われるような特別な才能はなく、ギフテッドではありません)。普通の教育も通常どおり受けていたので、ギフテッド教育との折衷型でした。

 もちろん当時のことですから学校にギフテッド教育のシステムがあったわけではありません。それはきっちりとシステム化されたものではなく、教員が好意的に行なってくれた、柔軟性のあるカスタムメードのギフテッド教育であったと言えるでしょう。45年以上前の日本に於ける中学校・高等学校のギフテッド教育の一つの事例ではないかとも考えられます。

 

 私の場合は、幸運にも中学校・高校に専門知識をお持ちの先生がおられましたが、必ずしもすべての中学・高校に、ギフテッドな生徒が興味をもつ分野の専門家がいるとは限りません。そのためギフテッド教育の適応範囲を全国的に広げるには、学校の教員、保護者あるいは生徒自身が相談できる「ギフテッド教育支援センター」を設置し、その支援センターには大学・民間の科学・技術・芸術・スポーツなどの専門家のメンバーとのネットワークが構築されていて、ギフテッド教育支援センターと専門家集団がギフテッドな生徒への教育をサポートしていく体制が必要でしょう。生徒の居住地による地域差,協力する専門家の負担軽減のためには,ギフテッド教育のある面のデジタル化も必要です(ただしすべてをデジタル化するという意味ではありません)。

 

 また、特に目立った才能が発揮できていなくても、専門的な事柄に強い関心をもつ生徒に対応することは望ましいと思われます。というのは後生畏るべしと言われるように、大人がしばしば子供の能力を見抜けない場合もありますし(もちろん過大評価してしまう場合もあります)、専門家がある程度勉強の道筋を示すことにより(正しい?)方向に伸ばすことが必要な場合もあるからです。固定的な判断基準だけで子供のギフテッドなポテンシャルを判定することがないようにすべきでしょう。そのほか,ギフテッドな生徒はメンタル面で独特な部分を持つ場合があるので、メンタル面や、社会生活をするためのノウハウの支援もあった方が良いと考えます。ギフテッド教育が生徒の将来にとってマイナスにならないようにすべきです。

 

 ここに記すまでもありませんが、ギフテッドな生徒がその能力を健やかに伸ばし、ふさわしい仕事について自分の能力を発揮できれば、それは本人にとって楽しいことであり、さらにさまざまな分野の発展のためにも歓迎すべきことです。全国的なギフテッド教育支援の基盤の構築が望ましいことは確かです。

 

話がだいぶ逸れたので本題に戻ります。

 

[大学時代]

 高校のときは哲学・認識論の勉強に明け暮れていましたが、大学では哲学を研究するために、まず数学を軸に自然系・人文系の勉強をし,それから哲学科に行き、哲学を専攻しようと思っていました。1978年に高校を卒業し、早稲田大学教育学部に進学しました。大学では数学者の和田淳藏先生の研究室で純粋数学(主に多変数複素解析の関数環への応用)を学びました。卒業論文はこの方面の最先端のことまでをまとめ、ささやかながらいくつかのオリジナルな結果も得ました。数学を勉強するうちに哲学から数学に興味が移り、1982 年に早稲田大学大学院理工学研究科数学専攻の修士課程に進学し、1984年に同博士課程に進みました。大学院では主にブラウン運動と調和解析の交錯領域の研究を行いました。

 そして翌1985年には教育学部に数学の助手として戻ることになり、教育学部では教員として、理工学研究科では大学院生として過ごしました。


[大学教員時代] 

 1986 年に東北大学理学部の数学科の助手に招かれ、早稲田は中退。仙台に移住し、確率論と微分幾何学と多様体上の解析学の融合領域の研究を行いました。東北大学では猪狩惺教授の実解析セミナーに参加しました。その間、プリンストン大学数学科客員研究員(受け入れ教授はエリアス・スタイン先生)、東北大学理学部講師、東北大学大学院助教授を経て、
 1996 年に東北大学大学院理学研究科の数学の教授となりました。

 

 1999年に東京大学大学院数理科学研究科の教授に招かれ異動しました。
東京大学ではある切っ掛けで、脳内で行われる視知覚の情報処理のメカニズムや視覚が起こす錯覚(錯視)の研究を始めました。そして視知覚や錯覚を先端的数学、脳科学、神経科学、知覚心理学、コンピュータ・ビジョンなどを使って総合的に研究し、さらにその成果を実用的な技術に結晶化する新分野『数理視覚科学』を提唱、以来その研究を進めています。
 数理視覚科学の研究により、これまでに世界で初めて


*幾何学的錯視の錯視量の自由な制御(新井・新井 2005)
*任意の画像の浮遊錯視画像への変換(新井・新井、特許取得 2012, 米国等特許取得)、*スーパーハイブリッド画像関連(新井・新井、特許取得 2013, JST,米国特許取得)
*文字列傾斜錯視の自動生成(新井・新井、特許取得、2014, JST
*色の錯視の分析装置(新井・新井、特許取得、2014, JST、米国特許取得)
*新しい画像処理方法(新井・新井、特許取得、2014, JST、米国特許取得)
*ディジタル・フィルタ群の新しい設計方法等(新井・新井、特許取得、2014, JST、米国特許取得)
(他にも新井・新井による国内外の特許あり)

 

などに成功しました。 

 2018年に母校の早稲田大学教育・総合科学学術院に移籍し、現在に至っております。 

 

 


 

受賞歴(受賞年順)

2018年9月
藤原洋数理科学賞大賞
授賞理由:数理視覚科学と非線形画像処理の新展開
受賞者:新井仁之
受賞のことば(日本数学会編『数学通信』2019年2月号より)

 

2014年4月
科学技術団体連合 第8回科学技術の「美」パネル展 優秀賞
作品名「花が動いて見える錯視 - 数学が産み出す錯視アート」
受賞者:新井仁之、新井しのぶ

 

2013年9月
日本応用数理学会 日本応用数理学会論文賞 (JJIAM部門)
論文名「Framelet analysis of some geometrical illusions.」
受賞者:新井仁之、新井しのぶ
詳しくはこちら(日本応用数理学会HPより)

 

2008年4月
文部科学省 文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)
受賞理由:視覚と錯視の数学的新理論の研究
受賞者:新井仁之
新井仁之氏の受賞によせて(日本数学会編『数学通信』13巻3号より)

 

1997年3月
日本数学会 日本数学会賞春季賞
受賞理由:複素解析と調和解析の研究
受賞者:新井仁之
詳しくはこちら(数学(岩波書店))

 

1995年8月
Featured Reviews
タイトル:Hitoshi Arai, Degenerate elliptic operators, Hardy spaces
and diffusions on strongly pseudoconvex domains, Tohoku Math. J. (1994),
pp.469-498. (95h:46034)
【説明】Featured Review は,Mathematical Reviews誌(アメリカ数学会)により世界中の数理系学術誌に掲載された論文からoutstanding paper として選ばれたものです.
詳しくはこちら.

 


その他

  19

書籍等出版物

  16

主要な産業財産権

  15

MISC

  31

共同研究・競争的資金等の研究課題

  12