共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年6月 - 2020年3月

ゲルマニウム系二次元ハニカム結晶の自己組織化形成と結晶構造・電子状態制御

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
18K19020
体系的課題番号
JP18K19020
配分額
(総額)
6,240,000円
(直接経費)
4,800,000円
(間接経費)
1,440,000円

初年度は、ゲルマニウム(Ge)系二次元結晶の形成プロセスを探求した。具体的には、化学溶液洗浄したGe(111)基板上にAlを真空蒸着法により形成し、二次元物質の下地となるAlの結晶性、表面平坦化、熱処理によるGeの表面偏析、表面偏析したGeの結晶性などを、Al膜厚や熱処理をパラメータとして系統的に評価した。X線回折および電子線後方散乱回折法より、膜厚45nmのAlにおいて、最表面の結晶構造が(111)に均一に配向しており、へテロエピタキシャル成長していることが示された。また、Alを堆積した後、大気暴露することなく真空中で300度の熱処理をすることで、表面平坦化が進行することを明らかにした。このとき、Al表面の平坦化に加えて、下地Alの結晶の均一性も向上することが分かった。X線光電子分光分析より、200度以上の真空中熱処理により、Al酸化膜/Al界面にGeを析出できることが分かった。表面に形成するAl酸化膜の平均膜厚は5nm程度であり、界面に析出したGeは、200度から400度の範囲では熱処理温度に対してほぼ線形に増大する。300度で熱処理した場合では、処理時間依存性が認められず、析出したGe層の平均膜厚でおよそ0.5nmであった。さらに、ラマン散乱分光や透過電子顕微鏡より、熱処理によって高い結晶性のGeが析出することが分かった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K19020
ID情報
  • 課題番号 : 18K19020
  • 体系的課題番号 : JP18K19020