2020年4月 - 2023年3月
SASH1遺伝子変異による遺伝性色素異常症:モデルマウスの作製と機能解析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
昨年度に引き続きマウスを使った実験を継続した。研究実験計画に掲げた項目について経過を報告する。
①その後もSASH1ヘテロ・ホモマウスの自然経過を確認したが、肉眼的にヒト患者と同様の色素斑は確認できなかった。しかし、ダーモスコピーで確認すると、毛孔周囲の色素斑の面積は不均一で、やはりばらつきも確認された。
②紫外線照射の追加実験を行ったが、色素斑の増強は確認できなかった。
③抗Melan-A抗体を使用した免疫蛍光染色において、モデルマウスでは、対照マウスより、メラノサイトから延びる樹状突起が少なく、毛包周囲のメラノサイト数にばらつきがあるようだった。メラノサイトのばらつきを把握するため、30%ロドデノールをマウスに塗布し、色素再生の様子を観察した。本年度使用できたマウスは、SASH1ヘテロと対照マウスのみで、ロドデノールへの反応が弱かったが、塗布を継続することで脱色素斑が誘発された。塗布を中止すると、毛孔周囲から徐々に点状の色素再生が確認された。組織を採取し、抗Melan-A抗体で染色すると、SASH1ヘテロマウスでは、対照マウスに比べて、毛孔周囲のメラノサイト数が多く、色素再生に伴い、その数はさらに増えていく傾向にあった。
④メラニン合成や細胞接着に関わる分子の発現で有意な変化を示すものは確認できなかった。
①その後もSASH1ヘテロ・ホモマウスの自然経過を確認したが、肉眼的にヒト患者と同様の色素斑は確認できなかった。しかし、ダーモスコピーで確認すると、毛孔周囲の色素斑の面積は不均一で、やはりばらつきも確認された。
②紫外線照射の追加実験を行ったが、色素斑の増強は確認できなかった。
③抗Melan-A抗体を使用した免疫蛍光染色において、モデルマウスでは、対照マウスより、メラノサイトから延びる樹状突起が少なく、毛包周囲のメラノサイト数にばらつきがあるようだった。メラノサイトのばらつきを把握するため、30%ロドデノールをマウスに塗布し、色素再生の様子を観察した。本年度使用できたマウスは、SASH1ヘテロと対照マウスのみで、ロドデノールへの反応が弱かったが、塗布を継続することで脱色素斑が誘発された。塗布を中止すると、毛孔周囲から徐々に点状の色素再生が確認された。組織を採取し、抗Melan-A抗体で染色すると、SASH1ヘテロマウスでは、対照マウスに比べて、毛孔周囲のメラノサイト数が多く、色素再生に伴い、その数はさらに増えていく傾向にあった。
④メラニン合成や細胞接着に関わる分子の発現で有意な変化を示すものは確認できなかった。
- ID情報
-
- 課題番号 : 20K17306
- 体系的課題番号 : JP20K17306