2018年4月 - 2021年3月
脳卒中片麻痺の機能回復における小脳および基底核の学習機構の役割
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究では、脳卒中片麻痺患者における小脳と基底核による2つの学習機構(感覚予測誤差学習と強化学習)に着目し、学習機構のそれぞれのモダリティ低下と脳損傷部位との関連を電気生理学・画像解析によりシステム論的に理解する。さらに、学習機能低下と帰結との関連を多症例の縦断データにおいて検討し、学習機構の変容が機能回復へ及ぼす影響を解明する。2019年度は、前年度に確立をした機能回復を評価するためのいくつかの臨床指標セット、外骨格ロボットKINARMによる上肢リーチング機能の定量評価、脳内の神経ネットワークの状態を評価する電気生理学的評価(第一次運動野の興奮性、皮質脊髄路の健全性、皮質内抑制、小脳抑制および末梢の評価として運動神経を刺激して得られる複合筋活動電位)について、回復期リハビリテーション病棟に入院中の実際の脳卒中患者のデータ蓄積を行った。すでに20名以上の患者の縦断的データを蓄積した。
一方、行動実験のパラダイムについては、外骨格ロボットKINARMをプラットフォームとして、実装する運動課題プログラムの実際の枠組みを議論し、プログラムを作成し、健常者および脳卒中患者において施行を積み重ね、健常者と患者では課題を行う能力などに差異があり大きな改良を加えた。結果、脳卒中片麻痺患者においても2つの学習能力を見分けることが可能な運動課題プログラムが概ね確立した。脳画像データについては、画像撮像に関係する部署との議論を踏まえ実施体制を確立し、ボクセルサイズで脳構造の異常部位を同定する解析手法を整えている。
一方、行動実験のパラダイムについては、外骨格ロボットKINARMをプラットフォームとして、実装する運動課題プログラムの実際の枠組みを議論し、プログラムを作成し、健常者および脳卒中患者において施行を積み重ね、健常者と患者では課題を行う能力などに差異があり大きな改良を加えた。結果、脳卒中片麻痺患者においても2つの学習能力を見分けることが可能な運動課題プログラムが概ね確立した。脳画像データについては、画像撮像に関係する部署との議論を踏まえ実施体制を確立し、ボクセルサイズで脳構造の異常部位を同定する解析手法を整えている。
- ID情報
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- 課題番号 : 18H03135
- 体系的課題番号 : JP18H03135