May 20, 2018
腸炎における腸上皮細胞のオートファジーの役割
潰瘍
- Volume
- 45
- Number
- First page
- 64‐66
- Last page
- 66
- Language
- Japanese
- Publishing type
- Publisher
- (一社)日本潰瘍学会
腸上皮細胞におけるオートファジーと炎症との関連を明らかにするため、腸上皮細胞特異的にATG5をノックアウトしたマウスを用い、腸炎における腸上皮細胞のオートファジーの役割について検討した。さらにオートファジーが炎症に関わる機序を明らかにするため、ATG5をノックダウンした小腸上皮細胞を用いて検討した。ATG5 flox/+ではWTマウスと同程度の体重減少であったが、ATG5 flox/floxではwild typeと比較して体重減少が有意に増悪し、腸管長は有意に短縮した。オートファジーの抑制が腸上皮細胞に与える影響について検討するため、ラット小腸上皮細胞株IEC-6とAtg5をノックダウンしたIEC6shAtg5に過酸化水素水(H2O2)を添加してcell viabilityを測定したところ、IEC-6と比較してshAtg5IEC-6ではcell viabilityがH2O2濃度依存的に著明に低下した。また、IEC6shAtg5における炎症性サイトカイン遺伝子の発現をRT-PCR法で測定したところ、IEC-6と比較して炎症性サイトカイン遺伝子の発現が著明に上昇した。細胞内転写因子であるNF-κB p65のリン酸化をwestern blottingにて検討したところ、IEC6shAtg5ではIEC-6と比較してNF-κB p65のリン酸化が著明に亢進していた。
- Link information
- ID information
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- ISSN : 2189-7956
- Ichushi Web ID : 2018374660
- J-Global ID : 201802262075098508