論文

査読有り
2009年5月

ヒノキ林化した都市近郊二次林における小面積伐採後初期の木本種組成の変化

日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology
  • 今西 亜友美
  • ,
  • 柴田 昌三
  • ,
  • 今西 純一
  • ,
  • 寺井 厚海
  • ,
  • 中西 麻美
  • ,
  • 境 慎二朗
  • ,
  • 大澤 直哉
  • ,
  • 森本 幸裕

34
4
開始ページ
641
終了ページ
648
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.7211/jjsrt.34.641
出版者・発行元
JAPANESE SOCIETY OF REVEGETATION TECHNOLOGY

ヒノキ林化した都市近郊二次林をアカマツまたは落葉広葉樹主体の林相に転換させることを目的として,母樹を残した小面積 (0.06~0.09 ha) の伐採を行った。3 つの伐採区 (上部,中部,下部) のいずれにおいても伐採後に消失した種はなく,伐採後3 年目には10 種以上の種数の増加が確認された。中でも,落葉広葉樹林の主要構成要素を含むブナクラスの種が上部と中部では6 種,下部では4 種増加し,林相転換に一定の効果が得られたと考えられた。前生稚樹は伐採後にほとんどの個体が枯死し,伐採後の林相には大きく寄与していなかった。散布種子についてはその大部分がヒノキで占められており,風散布種であるヒノキはプロット内に多量の種子を散布することで伐採後の林相に大きな影響を与えると考えられた。また,伐採後3 年目には新たな種の出現がほとんどみられなかったことから,林相が単純なヒノキ林では周囲からの新たな種の供給は少ないと考えられた。伐採面積の最も大きかった上部の伐採区 (0.09 ha) では,相対日射量が60% 以上あり,ヒノキの発芽と生存率が抑制されたと考えられ,アカマツとヒノキの混交する林相への転換が期待された。一方,中部と下部の伐採区では,全実生個体数のうちヒノキが50% 以上を占めており,今後,選択的除去などの人為的な管理が必要であると考えられた。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.7211/jjsrt.34.641
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/10025956906
ID情報
  • DOI : 10.7211/jjsrt.34.641
  • ISSN : 0916-7439
  • CiNii Articles ID : 10025956906
  • identifiers.cinii_nr_id : 1000060273497

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