2021年3月
自閉スペクトラム症の児童における強化子の提示時間の操作がContinuous arrangementsとDiscontinuous arrangementsの選択に与える影響
障害科学研究
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- 巻
- 45
- 号
- 開始ページ
- 139
- 終了ページ
- 149
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 障害科学学会
本研究では児童期の自閉スペクトラム症児2名を対象に、強化子の提示時間の操作がContinuous arrangementsとDiscontinuous arrangementsの選択に与える影響を検討した。実験では、計算プリントの課題と対象児が好みの活動に従事できる強化子の提示時間について表記した2枚のカラーカードを対象児に選択させた。1枚のカラーカードは、2枚のプリント終了後に長い時間強化子が提示されるContinuous arrangementsであり、もう1枚のカードは、プリント1枚終了後に強化子が提示され、これが2回繰り返されるDiscontinuous arrangementsであった。ベースライン条件では、どちらのカードを選択しても、結果的に対象児が取り組むプリントの枚数と強化子の提示時間は等しかった。強化子の提示時間操作条件では、Discontinuous arrangementsのみ、強化子の提示時間を短くした。実験の結果、2名の対象児は、強化子の提示時間操作条件において、Continuous arrangementsへの選好を示した。本研究の結果から、Continuous arrangementsとDiscontinuous arrangementsの選択場面における強化子の提示時間の操作が選択に与える影響について考察した。