2018年2月
膵・胆管合流異常に合併した共通管内乳頭状腫瘍の1例
日本消化器外科学会雑誌
- 巻
- 51
- 号
- 2
- 開始ページ
- 114
- 終了ページ
- 121
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.5833/jjgs.2017.0066
- 出版者・発行元
- (一社)日本消化器外科学会
膵・胆管合流異常に合併した共通管内乳頭状腫瘍の1例を報告する.症例は75歳の男性で,6ヵ月間に2度の急性膵炎を発症し保存的加療で軽快した.急性膵炎の原因精査および加療目的で当院へ紹介となった.ERCPでは膵・胆管合流異常を認め,共通管内に7mmの結節様陰影欠損像を認めた.上部内視鏡検査では乳頭部からの粘液排出は認めず,超音波内視鏡検査では共通管内に乳頭状の腫瘍が描出された.造影CTでは膵頭部に拡張した共通管と内部に増強効果を持つ8mmの腫瘤を認めた.尾側の主膵管の拡張は認めなかった.膵・胆管合流異常に合併した共通管内乳頭状腫瘍と診断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理肉眼所見では共通管内に発育する有茎性の乳頭状腫瘍で,組織像は管状構造増生を主体とする腺腫であった.免疫組織学的染色ではMUC1,MUC2陰性,MUC5AC陽性で胃型腺腫と最終診断した.(著者抄録)
- ID情報
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- DOI : 10.5833/jjgs.2017.0066
- ISSN : 0386-9768
- 医中誌Web ID : S226380004