共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

IoT契機の第四次産業革命と産業技術基盤の再編に関する産業間比較研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17H02007
体系的課題番号
JP17H02007
配分額
(総額)
14,820,000円
(直接経費)
11,400,000円
(間接経費)
3,420,000円

2018年度は、以下の調査・研究を行った。第一に、I o Tの経営的実態に関する国内調査である。クラウド情報システムのツールを提供する企業への実態調査である。とりわけPLCに関するシステムの現状と課題について調査し、1980年代からの日本企業のグローバル化に伴う日本本社との同期的管理のシステム構築の必要性から当該分野における日本の製造業の優位性が明らかになった。また、システムのプラットフォームの日本と欧米では異なることから日本企業が特に欧州へグローバル展開する際にこの問題が参入障壁になっていることが明らかになった。第二に、ドイツにおけるI o TおよびIndustrie4.0の取り組みに関する実態調査である。とくに中小製造業への影響について調査を行い、ドイツ的なサプライヤーシステムが質的転換を迎える程のインパクトをまだ持ち得ていない実態が明らかになった。一方で、第一で指摘した異なるシステムを統合するようなサービス技術を提供する企業が有象無象に出てきており、当該分野における一つの市場を形成しており、システムのグローバル統合に向けて少なからず影響を与える存在になる可能性があることも明らかになった。第三に、中国におけるI o Tに関する実態調査である。人件費の高騰や環境規制などで経済環境が劇的に変化する中で、情報システムの活用が不可欠になってきている現段階で、膨大な投資能力を背景として、深セン地域ではAI技術を軸に次世代技術の研究開発を旺盛に進める一方で、製造業の現場レベルでは情報システムを十分に生かしきれていない実態が明らかになった。すなわち、生産管理の5Sをはじめとする基本活動が定着しているとはいえず、ヒューマンレベルでの生産管理活動の定着なくしては情報システムの活用は十分に機能しないことが仮説として明らかになった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H02007
ID情報
  • 課題番号 : 17H02007
  • 体系的課題番号 : JP17H02007