2011年
狭波長LEDを用いて生育したサニーレタスの形態変化と代謝物変動調査
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
- 巻
- 2011
- 号
- 0
- 開始ページ
- 977
- 終了ページ
- 977
- 出版者・発行元
- 日本植物生理学会
人類の人口は年々増加の一途をたどり、2050年までには90億人に達すると予測されている。植物工場のような屋内生産型の食糧供給法は耕作地としての土地の有効利用の観点からその発展が期待されている。現在、葉菜類はその栽培の容易さや無農薬で生育できるという利点から、すでに植物工場での生産が盛んに行われている。我々は葉菜類に対し、光質と光強度の制御が容易なLEDを照射し商品価値の高い形質を付加することを目的として本研究を行った。特に収量増大および有用二次代謝産物生産に着目し、有効な光質と代謝物群変動との関係を調べた。サニーレタスを対照区、UV-B、赤色LEDおよび青色LED照射下で生育した。その結果、赤色LEDを照射した植物体は葉の色が薄く徒長していたが、他の光質では顕著な差は認められなかった。次に、収穫した葉について光照射により生産される一次代謝物および極性脂質を中心に代謝プロファイリングを行った。得られたデータは多変量解析に供し、各光質条件下での代謝プロファイルを視覚化した。その結果、対照区と比較して赤色LED下で生育したサニーレタスの葉が最も異なる代謝プロファイルを示すことが判明した。続いて統計的に有意に変化する代謝物群を調べたところ、糖類およびリン脂質の増加、アミノ酸や有機酸の減少が認められた。現在、カロテノイド類および極性二次代謝産物の挙動について調査を行っている。
- リンク情報
- ID情報
-
- J-Global ID : 201102205239773444
- CiNii Articles ID : 130006997437
- identifiers.cinii_nr_id : 9000391968929