共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

狭波長LED照射に応答する植物メタボロームのデジタルケミカルマッピング

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K05711
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

2019年度は研究分担者である立川(横浜市立大学)、福島(理化学研究所)および研究協力者である桑畑(横浜国立大学)らとともにシロイヌナズナがUV-B照射時に蓄積する化合物であるシナピン酸、フラボノール3種類およびアントシアニン2種類に着目し、量子化学計算により得た物性値と紫外線吸収スペクトル分光法で得た実測値の精度比較を行った。その際、半経験的分子軌道計算を適用することにより、これまで必要であった多大な計算能力を必要とせずに各化合物における紫外可視吸収極大波長の実測値を十分予測可能であることを見いだした。本成果は第13回メタボロ―ムシンポジウムで発表するとともに、査読付き論文として報告した(桑畑ら (2019))。また、メタボロ―ムデータの視覚化法についても査読付き論文を報告できた(神谷ら(2019))。
開発した計算手法を用いることにより、数千におよぶ化合物の物性値を短期間の計算時間で入手することが可能となった。次に必要となるのは化合物の構造情報である。従来、化合物情報は分子構造式エディタソフトを用いて手入力するのが主流である。この方法では、得られる化合物構造情報入手に非常に時間がかかってしまうため、本研究ではバイオインフォマティクスによる構造情報取得の自動化法の開発に着手した。
量子化学計算を適用するための新たな実測値を得るため、光質に着目した実験デザインを設定した。具体的には、シロイヌナズナ野生株に異なる光質照射を行うために紫色光から遠赤外光をカバーした狭波長LED照射装置を作製した。2019年度は植物の生育および代謝に影響を与えることが知られている青色光および赤色光処理の違いによる代謝物の変化を捉える実験を行った。サンプリングは終了しており、2020年度中に代謝物群の変化を質量分析装置により解析し、量子化学計算値と比較するための化合物情報を取得する予定である。

ID情報
  • 課題番号 : 19K05711