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2012年

線虫Caenorhabditis elegansの温度応答を制御する神経情報処理メカニズム

比較生理生化学
  • 大西 憲幸
  • ,
  • 久原 篤

29
3
開始ページ
112
終了ページ
120
記述言語
日本語
掲載種別
記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
DOI
10.3330/hikakuseiriseika.29.112
出版者・発行元
THE JAPANESE SOCIETY FOR COMPARATIVE PHYSIOLOGY AND BIOCHEMISTRY

感覚や記憶・学習といった高次神経活動を制御する神経情報処理の基本原理の解明は,現代神経科学の重要な課題である。神経情報処理の解明に向けたアプローチとして,わずか302個からなるシンプルな神経回路を持つ線虫Caenorhabditis elegansC. elegans)をモデル系とした解析が行われている。C. elegansは,シンプルな神経回路をもちいて,様々な外部刺激を感知し,多様な応答行動をとることができる。それらの行動が線虫から高等動物まで高度に保存された神経情報処理メカニズムにより制御されていることが次第に明らかとなってきている。これまで,線虫の神経系の解析は主に分子遺伝学的手法を用いて行われていたが,近年,神経活動のin vivo光学イメージング技術や神経活動をリモートコントロールできる最新の光技術の発達により,従来は困難であった生理学的解析も可能となっている。これらの技術を駆使した解析により,温度走性を制御する分子基盤や回路が明らかになっただけでなく,感覚ニューロンと介在ニューロンの間の情報処理における新しい概念が発見されてきた。本稿では,線虫の温度に対する応答行動に焦点をあて,主に分子生理学的解析により新たに発見された神経情報処理メカニズムについて,最新の論文を中心に概説する。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.3330/hikakuseiriseika.29.112
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/10031123310
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10391932
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/024013899
URL
https://jlc.jst.go.jp/DN/JALC/10010059349?from=CiNii
ID情報
  • DOI : 10.3330/hikakuseiriseika.29.112
  • ISSN : 0916-3786
  • ISSN : 1881-9346
  • CiNii Articles ID : 10031123310
  • CiNii Books ID : AN10391932

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