共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2023年3月

オルガノイド形態形成解析のための三次元制御・計測プラットホームの構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
21K18061
体系的課題番号
JP21K18061
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円

当該年度は3Dプリンターで作製した水溶性モールドを用いて,キューブ培養器に充填した細胞外マトリックスゲル中に細胞集団を初期配置制御して培養する手法を構築した.本手法では,まずコンピュータ設計支援ソフトウェア上でデザインした形状をバイオプリンターと水溶性インク(Carbohydrate glass)を用いて造形して水溶性モールドを作製した.次に,この水溶性モールドをキューブ培養器内に充填した硬化前の細胞外マトリックスゲル液に浸漬させた状態でゲル液を硬化させた後,水溶性モールドを生理食塩水で溶解除去した.そして,水溶性モールドが除去されることで形成された空間に高濃度に濃縮した細胞を導入し,この空間の内壁に細胞を接着させ培養した.本手法を用いてI型コラーゲンゲル中に形成した円柱形状の空間は,直径1 mmの設計値に対して実測値が0.94 mm程度となり,真円度と真直度が0.03 mm以内の精度で形成された.また,I型コラーゲンゲル中に形成したらせん形状の管腔内壁に血管内皮細胞を接着させた培養実験を行い,管腔に沿ってシート状になった血管内皮細胞群の三次元イメージングを達成した.
本手法の構築により,形状の設計自由度が高い水溶性モールドをキューブ培養器と共に運用できるように最適化された三次元培養プラットフォームが確立され,キューブ培養器内で細胞を初期配置する際の制御性が大きく向上した.細胞を初期配置する制御性の向上により,細胞外マトリックスゲル内における培養実験が高い再現性で実施できる.加えて,キューブ培養器の特長であるミリメートルサイズの大きなサンプル対する高精度なイメージング技術と組み合わせることによって,オルガノイドの形態形成メカニズムの解明にむけて任意の初期配置形状から培養された細胞組織の形態形成を三次元的にイメージングすることで定量的に計測するための基盤技術が整った.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K18061
ID情報
  • 課題番号 : 21K18061
  • 体系的課題番号 : JP21K18061

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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