研究ブログ

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学会発表

 先日登録をした新入でございます。せっかくですのでブログに何かを書いてみます。

 来月6月3,4日にある学会で発表をします。 

全国大学国語国文学会115回大会
http://www.nacos.com/kokubun/taikai.html#115
小河淳寛 池宮城積宝「奥間巡査」論

資料は昨日完成したのですが、副題は最後までつけ忘れました・・・。この際ちょっとした補足でも。

「沖縄文学」の小説に関しては文学史を見る限り、
明治期
・山城正忠「九年母」(明治44―1911 『ホトトギス』)
・「初」(作品の水準、本土の雑誌に掲載など込みで)
大正期
・池宮城積宝「奥間巡査」(大正12―1922 『解放』)
・この時期の重要作品

というのが通説なのですが、「九年母」は「初」という点があるからまだしも、「奥間巡査」は中央の雑誌の懸賞で受賞、近代人の典型である巡査の苦悩を描いた、さらに沖縄を背景にした、という点が文学史的に評価されるだけで、なかなか作品としては研究されておりません。そもそも「九年母」もそこまで研究はされていないのですけれども・・・。
そこで、12月の同大会では「九年母」について発表をし、今度は「奥間巡査」という順序で論考を進めているところでございます。結果としては「九年母」もでしたが、今回も仔細に見つめていくことで何かが見えてくる作品だったとは思います。当時の文学思潮との接続、または一見奇抜に見える方面との接続から、作品の持つ独自の可能性、それも作品を規定する面もあるでしょう、「沖縄文学」すらも問い返す可能性なんてものも見えたり。

詳しくは大会当日にて・・・・・。
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