共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

高齢期の孤高状態と社会的孤立の違いの検証

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
18K13346
体系的課題番号
JP18K13346
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

本研究は、高齢期を対象として、一人で過ごす時間にポジティブ感情が伴う孤高状態と社会的孤立状態との違いを明らかにすることを目的とした。今年度では、高齢者を対象としたWEB調査と郵送調査のデータ解析と論文執筆を行った。調査では、一人でいる時間をポジティブに過ごす孤高状態を予測する尺度の検討を行った。具体的には、一人で過ごすことの志向性を測定する尺度(Preference for solitude scaleの)の日本語版に独自の追加項目を作成し、因子構造を確認した。その結果、創造的活動をするため一人で過ごすことを評価する下位尺度が得られた。さらに、ポジティブ感情の高さやネガティブ感情の低さとの関連についても分析を行った。その結果、一人の時間の生産性を評価する下位尺度はポジティブ感情の高さと関連し、一人の時間は楽しいとする下位尺度はネガティブ感情の低さと関連することがわかった。しかし、媒介分析の結果、一人で過ごすことへの志向性は孤独感とも正の相関があり、孤独感がネガティブ感情に与える影響力が強いことが分かった。よって、一人で過ごすことへの志向性は主観的幸福感の高さと関連するが、その効果は部分的であることがわかった。これらの結果は、論文として現在国際誌に投稿中である。
その他関連する研究として、孤高状態と類似した状況として、盲老人養護施設で心理的に適応している利用者を対象としたインタビュー調査の再分析を行った。施設入居後に施設内での社会関係を通して、人生観や死生観がどのように語られるか分析し、結果を論文としてまとめ国際誌にて発表した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K13346
ID情報
  • 課題番号 : 18K13346
  • 体系的課題番号 : JP18K13346