Apr, 2020 - Mar, 2024
ランタノイドイオン結晶のレーザー操作によるニュートリノ質量分光法の開発研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
- Grant number
- 20H00161
- Japan Grant Number (JGN)
- JP20H00161
- Grant amount
-
- (Total)
- 41,340,000 Japanese Yen
- (Direct funding)
- 31,800,000 Japanese Yen
- (Indirect funding)
- 9,540,000 Japanese Yen
初年度は、結晶中にドープされたランタノイドイオンの電子遷移に伴ってニュートリノ対を放出する際に発生する磁化について検討を行った。電子スピンの非対称な射影成分である磁化は、パリティ対称性を破る弱い相互作用を通じてのみ生成され得るもので、QED 過程のバックグランド事象と識別できる重要な量である。また、この発生磁化はスピン緩和時間程度の間、蓄積され続けて観測にかかるというメリットもある。理論的に検討を進めた結果、ニュートリノの性質(質量、粒子タイプ等)は磁化の角度分布に現れることが分かり、その量は磁場強度として nG/s のレートで発生すると期待できることが分かった。これは励起レーザーの照射デューティー比を考慮しても、SQUID のような高感度磁力計で検出可能な量である。
また、使用する結晶の候補の1つである Er:LiYF4 の準備に着手した。これは母結晶 LiYF4 の Y サイトを Er 原子で置換したもので価数は Er3+ が安定である。この結晶はフォノンエネルギーが低く、Er 電子のコヒーレンスやスピン状態が結晶格子との相互作用で緩和するレートが固体の中でもひと際小さいことが知られている。ただし本研究では、コヒーレンスの良い系を実現するために商用では扱われていない低濃度(0.1%以下)の Er が置換されているEr:LiYF4 結晶が必要であることから、分担者である東北大学の黒澤氏により、0.1%および 0.01% のEr濃度の結晶を作製した。X線回折パターンを測定して単結晶面の確認も行い、今後予定している結晶性能評価実験の準備が整った。
また、使用する結晶の候補の1つである Er:LiYF4 の準備に着手した。これは母結晶 LiYF4 の Y サイトを Er 原子で置換したもので価数は Er3+ が安定である。この結晶はフォノンエネルギーが低く、Er 電子のコヒーレンスやスピン状態が結晶格子との相互作用で緩和するレートが固体の中でもひと際小さいことが知られている。ただし本研究では、コヒーレンスの良い系を実現するために商用では扱われていない低濃度(0.1%以下)の Er が置換されているEr:LiYF4 結晶が必要であることから、分担者である東北大学の黒澤氏により、0.1%および 0.01% のEr濃度の結晶を作製した。X線回折パターンを測定して単結晶面の確認も行い、今後予定している結晶性能評価実験の準備が整った。
- Link information
- ID information
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- Grant number : 20H00161
- Japan Grant Number (JGN) : JP20H00161
List of results of the research project
Narrowing down
Papers
2-
The European Physical Journal D, 76 113, Jul, 2022 Peer-reviewedLead author
-
Physical Review D, 104(11), Dec 7, 2021 Peer-reviewed
Presentations
2-
日本物理学会 第77回年次大会, Mar 19, 2022
-
日本物理学会 第77回年次大会, Mar 15, 2022