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2018年3月

入院森田療法を実施した強迫性障害患者に対する自閉スペクトラム傾向が治療効果に与える要因(第2報)

メンタルヘルス岡本記念財団研究助成報告集
  • 舘野 歩

29
開始ページ
75
終了ページ
76
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公財)メンタルヘルス岡本記念財団

強迫性障害に対して入院森田療法を施行し、治療経過のなかで自閉スペクトラム障害の特徴が出現した症例を報告した。症例は20歳代男性で、操作的診断では強迫性障害に該当し、症状への不合理感はあった。病前性格は几帳面、完全主義、負けず嫌い、内向的といった神経質性格を考えた。入院後半で自宅へ外泊するも症状再燃した。入院中、作業療法士の援助をもらい生活指導も行った。約4ヵ月の入院であった。退院前約2ヵ月前心理検査を施行し、AQは22点であった。CAARSではADHDの可能性は低いと考えられた。機械的な記憶は優れているが、新しい状況に柔軟に対応することが弱い、物事を全体でとらえることが苦手、事務作業を周囲のペースに配慮しつつ効率的に動くことは困難、イメージする力の不足、注意力に幾分過大があるとの結果であった。退院前に自閉スペクトラム障害を告知し、発達障害就労支援事業を利用する方向とした。

ID情報
  • ISSN : 0916-9156
  • 医中誌Web ID : 2019182570

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