共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2023年3月

人口減少時代のキリスト教と外国人宣教師

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)
  • 李 賢京

課題番号
18K00084
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

本研究の目的は、過疎化・人口減少社会日本におけるキリスト教会と外国人宣教師を対象に、人口減少地域で活動する外国人宣教師の住民や地域社会へのかかわりを捉え、彼らの取組が教会と信者の生活をどのように守り、結果として地域社会の維持にどうつながっているのかを明らかにすることにある。研究初年度である2018年度においては、資料の収集と整理を図る一方で、上記の視点から、人口減少地域における宗教者・団体の実証的な先行研究を参照しながら、各地域における過疎化、高齢化実態に加え、キリスト教会の歴史的経緯・展開過程・現況などの把握に主力した。
近年、人口減少や高齢化などにともない、日本のキリスト教界における牧師・司祭不在や教会統廃合、兼務などが年々増えている。このような問題を解決すべく、とりわけ日本のカトリック界においては、日本人司祭ばかりではなく、とりわけ韓国やベトナム、フィリピンなどアジア出身の宣教師を、教区所属司祭として積極的に迎え、過疎地域に派遣している。2018年度においてはカトリック鹿児島教区を中心に、機関資料などを参照しながら、過疎対策に関する取組みを収集した。また、教区傘下諸教会を訪問し、外国人宣教師に聞き取り調査を行った。調査を通して、彼らは教会維持だけではなく、教会を基盤として保持されてきた信者同士の支えあい、教会外の地域の人々との連携、地域福祉など生活に必要な資源など、地域維持・活性化の起爆剤として大いに期待されているケースが少なくないことがわかった。従来、人口減少地域において仏教宗派を中心に検討されてきた研究に、キリスト教会が対応している事例を加えて考察する必要があることが明確となった。今年度に得られた視点は、次年度の教団教派教区・地域間の比較分析を行う上でも重要であると考えられる。