講演・口頭発表等

KURAMA-IIを用いた森林集水域での空間線量率分布の測定

日本保健物理学会第47回研究発表会
  • 竹内 絵里奈
  • ,
  • 安藤 麻里子
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  • 小嵐 淳
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  • 西村 周作
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  • 都築 克紀
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  • 松永 武

開催年月日
2014年6月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
鏡野
国・地域
日本

東京電力福島第一原子力発電所事故で放出された放射性Csの多くは森林に沈着し現在も留まっている。森林の空間線量率分布を明らかにすることは、放射性Csの森林内での移動を評価し、森林作業従事者の被ばくを管理するために重要である。本研究では、福島第一原子力発電所から南西約67kmの北茨城市の森林集水域を対象とし、GPS連動型放射線自動計測システムKURAMA-IIを用いた空間線量率の詳細測定を行うとともに、NaIシンチレーションサーベイメータにより5cm高さ及び100cm高さの空間線量率を測定することで、森林内の空間線量率分布の特徴を明らかにした。対象集水域の空間線量率は周辺部の尾根で高く、中心付近の谷で低い傾向が見られた。福島第一原子力発電所のある北東に面し、比較的標高の高い領域では、南西に面する領域よりも空間線量率が有意に高かった。また、NaIシンチレーションサーベイメータの測定結果より、100cm高さの空間線量率は、5cm高さの値と直線関係を示していることから、地表面の放射性Csの寄与を主に受けていると考えられる。KURAMA-IIを山間部に適用し、森林内での空間線量率の詳細な分布を測定する手段として有効であることを示した。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5045422