共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

シークヮーサー葉・果皮によるI型アレルギー抑制機構の解明とその有効活用法の検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K05880
体系的課題番号
JP19K05880
配分額
(総額)
3,900,000円
(直接経費)
3,000,000円
(間接経費)
900,000円

これまでにシークヮーサー葉・果皮メタノール抽出物に強いアレルギー抑制効果があることを明らかにしてきた。また、その抑制効果は、同時摂取する食品成分によって調節される可能性があることから、他の食品成分との組み合わせに関する知見が必要となる。そこで、今回、シークヮーサー葉・果皮に多く含まれるポリメトキシフラボノイド(PMF)および乳タンパク質との複合による抗アレルギー効果とその抑制機構の解明を目的とした。
実験方法は、PMFであるノビレチン(NOB)、タンゲレチン(TNG)、シネンセチン(SNT)および乳タンパク質であるラクトフェリン(LF)、beta-ラクトグロブリン(beta-LG)をラット好塩基球様細胞株RBL-2H3に作用させ、beta-hexosaminidaseを指標とした脱顆粒抑制試験を行った。PMF群および乳タンパク質群のうち、それぞれ最も強い脱顆粒抑制効果がみられた2つの因子の共刺激による脱顆粒抑制試験、また、その作用機序を細胞内Ca2+濃度測定ならびにWestern Blot法により検討した。
その結果、PMFおよび乳タンパク質単独の脱顆粒抑制試験では、PMF群ではNOB、乳タンパク質群ではLFが最も強く抑制した。次に、NOBおよびLFを用いて共刺激を行ったところ、NOB単独およびLF単独刺激より強い相乗的な脱顆粒抑制効果を示した。抗原刺激による細胞内Ca2+濃度の上昇は、NOB単独およびLFとの共刺激で抑制され、LF単独では抑制されなかった。Western Blot分析の結果、NOBとLFの共刺激は、Aktのリン酸化誘導を有意に下方制御した。よって、RBL-2H3細胞における脱顆粒応答はNOBとLFの共刺激によりカルシウムイオン依存的な経路と非依存的な経路の双方に作用することで相乗的に抑制することが示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K05880
ID情報
  • 課題番号 : 19K05880
  • 体系的課題番号 : JP19K05880

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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