研究ブログ

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フランスで実践される政府主導型のBIO政策 No.1

 

 

 

18世紀半ばから、

19世紀にかけて起こった「産業革命」は、

パリやロンドンに象徴される

都市への一極集中をもたらし、

 

農業も、経済上の効率化と、

生産性が優先された結果、

化学肥料の使用や機械化が進み、

 

戦争がそれを加速させて、

それまで長く続いていた

ヨーロッパの牧歌的な風景と、

 

人々の価値観や、

生き方そのものまでをも

変えてしまいました。

  

19世紀初頭からは

「ラッダイド運動」をはじめ、

「産業革命」への抵抗運動が勃発します。

 

(19世紀の産業革命への抵抗運動)ラッダイド運動における織機に対する破壊

Image: 産業革命, CC, Wikipedia.

 

やがて、農業の劣化を問題視した有志が

各地で集まるようになり、

1958年、農学者のジャン・ブシェールが

「フランス西部有機農業団体」を創設します。

  

彼は汚染された農地に海藻をまくことで、

土壌改善を行う

「ルメール・ブシェール法」を提唱し、

 

産業革命後のヨーロッパを悩ませた

田舎からの人の流出をくい止め、

 

キリスト教文化や、

農業者の魂と自由な精神を守り、

 

食料危機にある世界をも救う

手法であることを訴え、

活動を続けました。

 

そして1970年の農業見本市
(Salon International de l'Agriculture)で、

はじめて公式にBIO製品が紹介されます。

 

 

現代の「フランス西部有機農業団体」展示会の様子

Image: Salon International de l'Agriculturem CC, Wikipedia.

 

ここでは農業従事者であり、

さらに科学者で作家でもあったという、

才能豊かなフィリップ・デブロスが登場し、

エコロジーを提唱する政治運動を仕掛け、

 

「うそをつかない土壌」の回復を願う

有機農業の支持者を、

順調に増やしていきました。

 

つまり、フランスで

有機農法が広がった背景には、

 

民衆から支持を得るための

政治的な思惑や、

メディアの影響も大いにあった、

ということです。

 

次回に続きます。


【参考文献】


・An Agricultural Testament by Sir Albert Howard, Oxford University Press, 1940.(日本語訳:『農業聖典』)
・The Waste Products of Agriculture -- Their Utilization as Humus by Albert Howard and Yeshwant D. Wad, Oxford University Press, London, 1931

・キース・アディソン(著)、平賀緑(訳)「有機農業の創始者、アルバート・ハワードの業績」、Small farms,
https://journeytoforever.org/jp/farm_library/howard.html(参照2017-02-10)

・Kei Okishima「ビオを知ろう!」フランスニュースダイジェスト
http://www.newsdigest.fr/newsfr/features/4777-about-bio.html
(参照2016-02-15)

・Satomi Kusakabe
「フランスで『ビオ』ラベルが踊る」フランスニュースダイジェスト
http://www.newsdigest.fr/newsfr/features/7084-fast-growing-bio-market.html
(参照2016-02-15)

・高崎 順子「BIO(オーガニック製品)のお勉強」フランスの食ネタ帳
http://shokuneta.exblog.jp/21406814/
(参照2016-02-15)

・Hans Peter Rusch (1906-1977),BIO FAUSSES PROMESSES ET VRAI MARKETING
http://www.bio-lelivre.com/Hans-Peter-Rusch-1906-1977.html
(参照2016-02-16)

・「14年の世界オーガニック市場、800億ドルに」「健康博覧会」
http://www.this.ne.jp/news/detail.php?nid=676(参照2017-02-13)

・「アメリカで2015年オーガニック産業の売上が433億ドルの新記録」「美容経済新聞」http://bhn.jp/news/60902(参照2017-02-13)

・佐藤翔太、古澤龍之、水島彩絵、宮川直子「オーガニック産業発展のための政策提言~EU・アメリカ・日本を比較して~
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~omorizem/files/14_organic.pdf、大森正之環境経済学セミナール3年合同、2013年12月10日

 

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新・ハロウィンものがたり No.3  イザナギ・イザナミに心を寄せて

ハロウィンである「聖裁前日」が明けました。

これから「大洪水への祈り」を行います。
御有志の方、祈り合わせをどうぞ。


ーーー


昨日と本日、イザナギとイザナミに心を寄せる祈りを行いました。
宜しかったら皆さんも各自でどうぞ。

現在では冬至と春分の祈りがカレンダー上前後していることもあり、実際の大洪水が現行カレンダーの11月1日だったのかどうかは、また別のトピックですが、心を合わせるという意味では、ハロウィンの元々の伝承の主旨に合っているのではと思います。どんなに歴史の勉強をして極めても、それが還元されず、実生活への循環を産まないのであれば、中途半端でしかないと、私個人は思っています。

どんなに繁栄を極めたとしても、奢ること無く日常の日々に感謝し、いったん心糺して、新しい、生命繋ぐためのパラレルワールドへのゲートを滞りなく通過するための、ひとつのけじめとしての祓い清めポイントです。

祈りや清め、禊自体は、日々、できれば毎日。(日本人は基本的に毎日、身体を洗いますね。)そう日本の御先祖様たちは伝えていると思いますよ。神道の根源ではないでしょうか。

 
まとめますと、

ケルトの末裔が伝えるハロウィンのハロウ、つまり「聖裁」とは、神話が伝える「大洪水」を指す可能性があり、これはケルトと同じく太陽(日月)信仰とチャリオ(車輪)を伝えるスメル(シュメール)文化にも共通しています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%B4%AA%E6%B0%B4?fbclid=IwAR1OCfmjrh5afNOEkrGeRlKM6NMcSFu59oeDRfQ9Tg2UJidj1_Js00WmIaI


さらに、イザナギとイザナミの日本神話にも深く関係する、「洪水型兄妹始祖神話」での大洪水を指している可能性が大いにあります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%AA%E6%B0%B4%E5%9E%8B%E5%85%84%E5%A6%B9%E5%A7%8B%E7%A5%96%E7%A5%9E%E8%A9%B1

 

大洪水は複数回あったとも言い、それぞれ神話で残ってますので、現時点でいつの時点のものかは判りませんが、また、「バナナ型神話」とも関係が深いです。アンクの概念が登場するのも、ここからです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%8A%E5%9E%8B%E7%A5%9E%E8%A9%B1

 

まだ研究中で断定はできませんが、私個人はこの大洪水が起きたのは±1万2000年前。サフル大陸に絡んで、母系ハプロmtDNA-M系に関連するのでは、という印象です。

どちらにしろドラヴィダ族も5万年前から居ますから、そんなに古い話でもなく、まだ新しい方です。また歴史は発掘資料によりその存在が証明されますが、現時点では海中である可能性も大いにあります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%95%E3%83%AB%E5%A4%A7%E9%99%B8

 

以下の通り、大阪大からも参考文献が出てますね。

今の時点で一番IQが高いのはアボリジニという研究結果が出ていますので、おおよそ一致と思います。
http://www.let.osaka-u.ac.jp/seiyousi/pub/ozhistory/page1.html

 

 新・ハロウィンものがたり No.1 ハロウィンと「大洪水」

https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/142082/d089eda1a66d41c9491b66fa944da7a4?frame_id=650076&fbclid=IwAR11P2lB2QwytgjBufUJN5XsXaJa3C0G5r_MI9Xfb47xZvWc-BXhleZVkG0

新・ハロウィンものがたり No.2 心のおごりを糺す「万聖節」

https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/142082/12412de01051542c2db30f2e9bb8c7f6?frame_id=650076

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新・ハロウィンものがたり No.2 心のおごりを糺す「万聖節」

心のおごりを糺す「万聖節」

 

毎年11月1日は、カトリック圏では

Toussaint(トゥサン)と呼ばれる祝日です。

 

「万聖節」または「諸聖人の日」とも呼ばれ、

ヨーロッパの人にとっては

日本でいう「お盆」にあたる大切な日です。

 

カトリックでは全ての聖人と殉教者を

記念する日となっていますが、

 

10月31日の「ハロウィン(聖裁前夜)」に続き、

「何か」が起こったその当日が

"All Hollows"である11月1日となります。

 

新・ハロウィンものがたり No.1
https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/142082/d089eda1a66d41c9491b66fa944da7a4?frame_id=650076

 

「万聖節」はカトリック圏の

祝日のひとつなので、

会社や学校はお休みになります。

 

そして、ちょうど日本と同じように、

この一週間はお休みです。

 

ちょうど秋休みのような感じですが、

このように、もう万全の体制で

家族みんなでお墓参りに行く感じですね。

 

ちなみに、こちらでも

お供えされる花は菊で、

Toussaintと言えば、菊の花です。

(英語ではAll Saints' Day)

 

ちょうど菊の時期でもあるので、

この時期はどこもかしこも

鮮やかな菊の彩りに包まれます。

 

菊といえば、

日本の「十六弁の菊」を連想しますが、

 

古代の記憶を辿っていくと、

菊の花のように見える紋章は、

正確には「太陽」を表しています。

 

そして、

 

ケルト系ガリアの子孫である

この地域では、

元々太陽を信仰していました。

 

こちらの習慣は知りませんでしたが、

義父が亡くなった翌年は

「初盆」のような感じですから、

 

一応、家の前を菊の花で飾り、

お墓参りを早めに済ませて、

教会へ行きました。

 

なんと出発の前には、

義父の通信公社時代の同僚が

わざわざ御夫婦で家を訪ねてきてくれ、

 

やっぱり「初盆」のような

風習があるのだなぁと思いました。

 

義父のことを忘れずにいてくれて、

残された家族のことも

気にかけてくれていたことに、

私は驚き、感謝しました。

  

ちなみに翌日11月2日も

カトリックでは「死者の日」にあたり、

「万霊節」と呼ばれます。

(英語ではAll Souls’ Day)

 

 まとめると、

 

10月31日 ”Hallow's eve”「聖裁前夜」

11月 1日  ”All Saints' Day”「万聖節」または「聖人の日」

11月 2日  "All Souls’ Day"「万霊節」または「死者の日」

 

 という流れです。


11月1日の「万聖節」を

10月31日から読み取って

「聖裁の日」と置き換えると、

 

11月2日が、なぜ「弔いの日」となって、

「死者」を連想させるハロウィン飾りが

それを予告するように街中にあふれるのかー。


その後、

 

現地のケルトの子孫たちに

度々「ハロウィン」について訊ねても、

皆、口を揃えて「アメリカ発祥よ。」という

答えしか返ってはきませんが、

 

実はこのガリアの子孫が暮らす

ベルギー南部ワロン州の州旗が

なぜ太陽神を賛える「勝鶏」なのか、

私たちの世代にそれを知る人はいません。


Image: Wallonie, CC, Wikipedia.

 

辛うじて義父の世代が、

 

「知らないけど、フランスにもある古い印で、

ワロンも元フランスだから、

その伝統が残っているんだよ。」


と答えてくれます。


調べていくと、フランス南部、

そしてイタリアにも残っていますが、

この「雄鶏」はギリシア神話なら

太陽神アポロンの化身です。

 

そこそこの地域で、

神の呼び名は変わりますが、

 

別名が多ければ多いほど、

時間も場所も超えて、

人々に愛され続ける偉大な神です。

 

かつての太陽信仰の民が

「ガリア戦争」を経てローマに制圧された後も、

形を変えながらでも

私たち後の世の子孫たちに伝えようとしたことー。

古すぎる伝承だけに、

なかなか先人たちの思いが、

伝わっていないのを感じますが、


私にはハロウィンの1週間は、

 

「心のおごりを糺して生きよ。」

 

と言う、

 

世界中で『洪水神話』を伝える

ほかならぬ私たちの自身の

共通の御先祖様たちからの

メッセージに思えて仕方ありません。

 

 

 

 

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新・ハロウィンものがたり No.1

 

 

ハロウィンの季節ですね。


イースターやクリスマスなど、

伝統イベントが大好きなカナダに

約2年いましたが、

 

ハロウィンだけはなぜか、

どうしても馴染めませんでした。

 

10月に入ったとたん、

街も住宅街も、ハロウィン飾り一色。

 

当日は子どもたちが

思い思いの仮装をして、

お菓子を求めて訪ねまわる…

 

かわいいお化けたちは

ぜんぜん怖くないし、


むしろほほえましい

お祭りだと思います。

 

一方、西ヨーロッパは一般に

カトリック社会ですが、

基本的にハロウィンは祝いません。

 

近年は日本に同じく、

商業ベースの煽りによる

ハロウィンの風景も見られますが、

 

特に伝統行事でもないので、

「アメリカかぶれ」と

冷めた目で観る人も多いです。


正直、私自身もその一人でした。

 

でも、実は私自身も

本当のところは知らないことに気付き、

 

「思い込みはいけない」と反省して、

ハロウィンの起源を調べてびっくり!

 

なんと、ハロウィンは

ケルト文化発祥だったのです。

 

そして、ケルトといえば、

ほとんどの人がアイルランドや

ウェールズ・スコッランドを

連想するのではないでしょうか?

 

ですが、私の住む

ここベルギーのワロン地方こそ、

 

紀元前1,500年頃からある

古代ローマ人が「ガリア」と呼んだ

鉄器と馬車をあやつるケルトの地であり、

 

実は紀元前265年頃がケルト発祥という

アイルランドより、

1,000年以上も古いのです。

 

もっと詳しく説明すると、

古代ケルト人がおさめたガリアの土地は

現在のフランスとベルギー、

 

そしてスイスとドイツにまたがる

「アルデンヌの森」が広がる一帯です。

 

今でいう「フレンチ共同体」の中心地であり、

彼らは今でも

「自分の祖先はガリア人」であることを

心の底から誇りにしています。

 

実は、このプライドは、

ちょっとやそっとでは崩れない、

アルデンヌ産出の石より頑固な

民族共通の砦です。

 

だから他の民族由来の

ヨーロッパ人たちには、

「あいつはガリアだから。」と

笑われることもあります。

 

と、いうことは…


実はアメリカ人より、

ハロウィンを祝うべきなのは

私たちなのでは…?

 

自分なりにそういう結論に

辿り着きましたが、

 

だからと言って、

いきなり仮装をはじめるのも

おかしな話です。

 

そして、さらに驚くべき事実が

この民族のルーツに

隠されていました。

 

実はこの「ケルト人」、

さらに歴史を遡ると、

その起源はなんと、

中央アジアに辿り着くのです。

 

ケルト民族とは、 

中央アジア由来の

鉄器とチャリオット(馬車)をあやつる人々―。

 

つまり、

 

民族の分岐や名の変遷はあるとしても、

最終的な発祥は

紀元前6,500年頃など諸説ある

世界最古の文明のひとつ、


メソポタミア文明に辿り着きます。

 

中でもチャリオットはスメル文化であり、

ケルト人はある時点で、

メソポタミア地方にいた民族の

末裔である可能性が高いです。

 

Image: Map of Mesopotamia, CC, Wikipedia.

 

メソポタミア文明は『旧約聖書』や

『ノアの方舟』伝説とも

かかわりのある古代文明ですが、

最近、こんな伝説があることを知りました。

 

ハロウィンは”Hallow's eve”

つまり「聖裁の前日」を意味する言葉が

訛ったものであり、

 

古代ギリシアの哲学者プラトンが、

自身の著書

『ティマイオス』と『クリティアス』中で、

 

「強大な軍事力を背景に

世界の制覇を握ろうとしたものの、

ゼウスの怒りに触れて海中に沈められた」


と主張した、 大西洋の古代大陸

「アトランティス」伝説にも通じそうな、

 

古代の洪水神話、

前日というものです。

 

ただし、それがアトランティスかどうかは

現時点では不明です。

 

ハロウィンは、


洪水の犠牲者の鎮魂と

人々の心のおごりを戒めるために

伝承されるお祭り

と受け取ることもできます。

 

また10月31日はケルト人にとって、

夏の終わりを意味します。

 

それもまた意味深な…笑。

 

伝説なのか、真実なのか、

現代を生きる私たちには

よく分かりませんが、

心惹かれる不思議な話ですね。

 

とはいえ、

 

ケルト文化を吸収しながら成立した

カトリック文化でも、

 

正式にはキリスト教系の教会では、

「キリスト教に関係ない」として、

特に儀式は行われないようです。

 

民間伝承として続く

謎に包まれたお祭り、ハロウィン。

 

愛嬌たっぷりの

かぼちゃのランタンも、

これまでと違う印象に、

見えてしまいそうですね!



次回に続きます。


(筆者より)

またこの記事以降、現地で出会う人達にも諸々訊ねてはいますが、皆「アメリカ発祥」だと言います。ワロンの州旗が実は太陽信仰の名残りで、アポロンの勝ち鶏であることを知らないのと同様、古すぎる伝承だけに、なかなか御先祖様たちの思いが、伝わっていないのだなと思います。

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BIO商品、誕生の理由 No.3

 

 

「オーガニック農業の父」と呼ばれる

アルバート・ハワードに続いて、

 

スイスで「有機生物学農業」を発展させた、

オーストリア人医師、

ハンス・ピーター・ラッシュが登場します。

 

画像転載: Hans Peter Rusch (1906-1977), Gil Rivière-Wekstein, BIO FAUSSES PROMESSES ET VRAI MARKETING, http://www.bio-lelivre.com/IMG/jpg/photo-hans-peter-rusch.jpg (2017-02-13)

 

ハンスは元々大学病院の

産婦人科医でしたが、

 

ナチに対抗する

レジスタンス運動員で、

スイスの植物学者であった

ハンス・ミュラー夫妻と協力し、

 

1952年に、1940年から10年間の研究を通して、

有機農法をより実践的に

発展させた方法論を発表しました。

 

戦時中から戦後にかけて、

手作業で行う昔ながらの有機農法は、

生産効率の悪さから、

禁止令が出ていたのです。

 

その理由のひとつは、

国外へ出る軍隊への食糧供給のため。

 

そしてもうひとつは、国内に残る、

国民への食糧供給と備蓄のためです。

 

戦いで食料を蓄え、

兵力が残った方が勝ちであることは

古代から変わりません。

 

これらの流れから分かることは、

 

ヨーロッパにおける

BIO(オーガニック)運動は、

産業革命による効率化や大量生産により、

 

社会全体の価値観が

大きく変わろうとする時代にあって、

 

今後の世界の方向性を憂い、

それを正そうとした人々によって、

体系化され、先導された歴史です。

 

これに関して、

よく語られる逸話があります。

 

それは戦時中、ヒトラーによって

シュタイナーの提唱した

「バイオダイナミック農法」は

ドイツ国内で禁止となったものの、

 

一方で、ナチ軍の関係施設では、

研究者による「バイオダイナミック農法」の再現や、

成果報告がなされていたというものです。

 

国策としての「農業」のあり方は、

 

国民には成果や効率を最優先し、

有機農法を禁じながらも、

 

実はその価値を一番よく知っていたのは、

禁止した側の立場にある人々だったという、

実情が浮かび上がります。

 

Image:Anschluss sudetendeutscher, ナチス・ドイツ, Wikipedia, CC. wikipedia.

 

___

 

この記事を執筆するにあたり、

以下を参考とさせて頂きました。

 

EU POLICY, Organic Farming, AGRICULTURE AND RURAL DEVELOPMENT, https://ec.europa.eu/agriculture/organic/eu-policy/ (参照2017.02-10)

Kei Okishima「ビオを知ろう!」フランスニュースダイジェスト
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(参照2016-02-15)

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(参照2016-02-15)

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BIO商品、誕生の理由 No.2




 

次にシュタイナーと

入れ替わるように登場したのが、

 

インドで伝統的な農業を学び、

「オーガニック・ファーミング」を

提唱した「有機農業の創始者」、

アルバート・ハワードです。

 


画像転載:Albert Howard, Wikipedia.

 

ハワードはありのままの

自然のあり方を尊重し、

自然を「最高の農業者」と讃え、

 

害虫や雑草を

「農業の教授たち」と呼んでは、

 

化学農薬で除去することなく、

自然全体の中での

それぞれの役割を見出しました。

 

ハワードは害虫の動きから

土壌の肥沃さを測り、

農作物にとって「不適切」と

思われる状態を修正することで、

 

害虫や雑草が自然と消えていき、

作物や家畜が健康に育つことができる

環境づくりに成功したのです。

 

これは1940年のハワードの著書

『農業聖典』として結実し、

 

実績をあげた方法論として、

現在でも世界中で

実践研究されています。

 

続いてオーストリアの医師で

「有機生物学農業」をスイスで発展させた、

ハンス・ピーター・ラッシュが登場します。

 

===

 

【参考文献】

この記事を執筆するにあたり、以下を参考とさせて頂きました。

 

EU POLICY, Organic Farming, AGRICULTURE AND RURAL DEVELOPMENT, https://ec.europa.eu/agriculture/organic/eu-policy/ (参照2017.02-10)

 

Kei Okishima「ビオを知ろう!」フランスニュースダイジェスト
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(参照2016-02-15)

 

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http://www.newsdigest.fr/newsfr/features/7084-fast-growing-bio-market.html
(参照2016-02-15)

 

高崎 順子「BIO(オーガニック製品)のお勉強」フランスの食ネタ帳
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(参照2016-02-15)

 

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デパ地下より断然おいしい!BIOオーガニックのパン

(左下からぶどうパン、右チョコレートパン、左上からりんごパン、奥がアーモンドクリームのパンです。)

 

デパ地下のパンは好きですか?

ポール・ボキューズのパンは最高ですか?

 

私も好きです。

 

OL時代は、高級百貨店のデパ地下にある

パン屋の列に並ぶのが、

ステイタスだと思っていました。

 

でも最近、ノーブランドで、素朴なのに

それより美味しいパンを見つけました。

価格もそこまで高くない、

 

BIOショップの有機パンです。

 

もともと私は自然食品には

まったく興味がありませんでした。

義父の買い物について行くことはあっても、

 

「高いし。」

 

としか思っていませんでした。

 

でもある時、

スイーツ大好きの私は、

 

BIOショップでおまけで購入した

クッキーを口にして、

 

「なにコレ!?」と驚いたのです。

 

食いしん坊の私が

BIO食品をみなさんにおすすめする

最大の理由…

 

それは「健康に良いから」ではなく、

 

おいしいからです。

 

オーガニックのチョコレートパンは、しっかり、そしてサクサクしています。

 

ベルギー国内トップ20に入る地元ブランジェリーのチョコレートパン。

✾ここで紹介しているパンはオーガニックのパンですが、グルテンフリーではありませんので、小麦アレルギーの方は、また別の解決策が必要になります。

 


私もひと通りは、OL時代に

都会のグルメを楽しんだと思います。

 

だから多分、あなたが味見しても、

きっと同じように

目からウロコを落とす、

可能性は高いです。

 

有機パンを例にとると、

昔ながらの「丸ぼうろ」のように

サクサクとして味わいのある、

素直な味のパンです。

 

このように、

 

実際の栄養価の数値に頼らず、

人間の五感でどれだけ

「快」が得られるかを数値化する、

 

そんな製品評価のことを

「官能評価」と言います。

 

パンの本場フレンチ圏でも、

最近は冷凍のタネを

お店で焼くだけのところが増えています。

 

有機パンはこちらでも珍しいのです。

BIOショップでも早い者勝ちです。

 

実のところ、

 

フランスのオーガニック市場は

アメリカより10年、

そして日本より30年進んでいます。

 

フランスでは

産業革命から戦時中にかけて、

効率を優先した農法を推進した結果、

農地汚染が大きな問題となりました。

 

直後から法律が整備され、

今では有機農家は優遇され、

保護されている経緯があります。

 

でも実際には、

やはり収穫量を最大にしたいのが

生産者の本音です。

 

決して有機生産者が多い訳でもありません。

 

 

この写真の”AGRIBIO”も

ベルギーのフランス語圏

ワロン州の製粉業者が、

BIO運動を展開している実行組織です。

 

https://agribio.be/fr/home/

 

とはいえ、

 

この大きなBIOブームは、単に

有機農家と消費者の

信念と熱意と多大な努力だけで、

起こったのではありません。

 

BIO業界の発展に

相変わらず政治や大企業が

からんでいるのは、

紛れもない事実です。

 

ECO環境問題の提起と並んで、

選挙で票をとるための

政策やマニフェストの一環であることに

変わりはありませんが、

 

結果的に、


遺伝子組み換えでない有機食品が、

公的に保護されるのは、

良いことではないかと思います。

 

政治と大企業の縁は

どうやっても切れません。

お金という大きな力を

持っているからです。

  

日本各地に偏在する

庶民の美しい志だけで

どうにかなるものではありません。

 

近所のスーパーで見かけない

割高な商品を、

わざわざ手間暇かけてまで

インターネット注文できる人はいません。

 

それならば、いっそのこと、

日本も海外の先進諸国を見習う方向で

いかがでしょうか?

 

日本では戦後の

全国民に対する総価値観教育と

それに対応する農産システムの構築により、

伝統的価値観が変わってしまいました。

 

典型的な例えとして、

 

いまだに伝統的な

民間医療を代替医療と呼び、

「代替医療は危険」という

見方も根深いですが、

 

たとえば、

 

人気のある伝統の民間医療を

医療現場に取り入れて、

ドクターの手で処方を行い、

 

Bien-etre(心も身体も健康である状態)のために

私たちの生活には欠かせない

「補完医療」と位置付け直し、

 

保険適用にすることで、

「敵」と排除することなく、

 

むしろ積極的に取り入れることで

医療業界や薬品業界が

Win-winの関係で共存共栄を果たしたように、

 

公的に有機食品を後押しすることで、

農業と食品業界を支えるというのは、

近未来的なビジネスモデルに

なりえるのではないかと思います。

 

そして、

 

心と身体に心地よいBien-etre的な生活を

私たちが生きるために必要なもの、

 

新しい次世代の価値観として

心豊かな生活環境を求めるのであれば、

 

官能指標の高い製品が好まれる傾向も

当然のことと思います。

 

では、

 

オーガニック農法で作られた食材の

実際の栄養価は高いのでしょうか。

 

次回に続きます。

 

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0

ヨーロッパのオーガニック事情(後半)

 

 

トマトの収穫 ©Yoshiko MATSUDA

 


「私たちは有機食品を口にしたい。」


そんな静かな市民活動とも言える

BIOブームを受けて、

 

2021年現在では、

各ショップで商品を購入する際に、

陳列棚に並ぶ商品の写真やバーコードを

「ピッ」とスキャンするだけで、

 

栄養ランクが表示される、

「食材アプリケーション」競争まで

始まっています。

 

<アプリケーション例>

Yuka
FoodVisor
Fruits et légumes de saison
Maïa Coach
Kwalito
Frigo Magic
Etiquettable ほか

 

例えば、”Yuka”というアプリであれば、

1,商品名

2,商品外観

3,トータル商品ランク(購入価値)

のほか、

 

「マイナスポイント」として

4,依存性

5,糖分

6,カロリー

7,塩分

の表示、

 

そして「プラスポイント」として

8,食物繊維

9,タンパク質

がポイント制で色分け表示されます。

 

今はまだピンと来ない

感じがするかもしれませんが、

 

このように、商品選びアプリが

実際に普及して活用されている事は

海外の食糧事情を物語るにあたって、

非常に面白い現象です。

 

 

スーパーの食品棚に並ぶ商品をスキャンするだけで、その場で商品の「価値」を判定。あなたの食材選びを助けます!

https://yuka.io/en/

 

そして、筆者の印象では、

 

ヨーロッパの富裕層こそ、

「田舎」や「自然」そして「自給自足」に、

憧れを抱いているイメージがあります。

 

毎年、農期になると診療所を閉め、

麦わら帽子を被って、

自らマイ・トラクターで町を走り回る

町のホームドクターたちや、

 

豪華を極めたヴェルサイユ宮殿に

「プチ・トリアノン」なる

マリー・アントワネットらの例を

実際目にすることも多いからです。

  

私たちが日頃の忙しさから離れて

夢物語にひたることができる

海外旅行に憧れるように、

 

彼らにとっては「農作業」こそ、

「非日常」であり「贅沢」という

感覚なのかもしれません。

 

一方で、

 

長い侵略戦争が続いた

ヨーロッパだからこそ、

比較的平和な今でも、

 

「心の奥底から安心できない」

「万が一の時、頼るのは自分しかいない」

 

というような、

 

他者への根深い疑いの眼差しと、

切羽詰まった緊張感が

人々の記憶の中から拭えません。

 

例えば、ここベルギー王国ワロン州は

平均各25km平米にひとつはお城のある

世界一お城の多い「騎士文化」の

中心地ですが、

 

これまで見学した「王様の住居」や「古城」、

そして貴族の住む「マノワール(大邸宅)」には、

華やかな「花壇」だけではなく、

 

必ず自給自足のための

「大菜園」と「果樹園」がセットであり、

今も現役で専属の従事者が働いています。

 

フランス一美しい”Le château de Chambord”の自家農園。
(以下のリンクのページ最後の動画で見られます。)

https://www.rtbf.be/emission/jardins-et-loisirs/detail_jardin-de-reve-les-potagers-du-chateau-de-chambord?id=10839690

 

比較的裕福な友人たちも

高級車に長靴を常備して、

自ら栽培・収穫を行い、

 

大きなワイン用葡萄畑を含む

野菜づくり専用の土地を所有し、

養鶏や養蜂もこなします。

 

食べ物は健康への投資!©Yoshiko MATSUDA

 

彼らは夫婦で主食のジャガイモから作り、

保存や調理までこなすので

いつも感心させられています。

 

そして、このようなヨーロッパ人は

実は結構多いです。

 

望めばBIO専門店に

いつでも通える彼らでも、

 

最終的に信用できるのは、

自分で作る食材しか無いことを

知っているからです。

 

いくらBIOのイメージを

全面に打ち出したところで、

これも典型的な「ブーム」に乗せた

マーケティング手法の一環であり、

 

エコのピュアなイメージを利用した

政治運動の一端を担っているという

側面はぬぐえません。

 

確かに「BIOラベル」は

厳しい基準をクリアした製品にしか

与えられませんが、

 

1年に1回程度の立ち入り検査では、

消費者は「BIOラベル」を見て

その品質を信用せざるを得ず、

 

「実は従来の工場生産品に過ぎず、

私たちは割高で買わされているだけ」

 

という根強い指摘もあります。

 

ともかく、

 

戦前までは世界中どこでも

自然に育てた作物が当たり前だったのに、

 

健康を維持するのために、

ここまで私たちが有機製品を

求めなければならないようになったのは、

実に皮肉なことです。

 

それでも尚、

 

世界中で食品業界への不信が根深い今日、

「BIOラベル」のついた製品を選ぶことは、

 

ひとりの消費者として

不要な製品を生産する企業への

「No!」という意思表示ができる

唯一の手段であることに変わりありません。

 

販売利益はそのまま

企業の明暗を分けるのですから、

  

食品産業を含め、

社会全体の健全化を図り、

大切な人の健康を守るための、

せめてもの消費者努力と言えます。

 

そうは言っても、

 

頭では分かっていても、

筆者もせめて子どもの口に入る食べ物は

BIO製品で揃えたいと思っていても、

なかなかそうはいかなかったのが現実です。

 

そうやってここまで

生き延びて来たのですから、

単に先進国発の

贅沢品を紹介したい訳でもありません。

 

目の前の食材がたとえBIOでなくても、

今日一日の生命を

つないでくれる食べ物に、

 

素直に手を合わせる

感謝の心を忘れてはいけないと思います。

 

自家製卵という贅沢。©Yoshiko MATSUDA(ヨーロッパでは日本のように卵が新鮮ではありません。)

 

世界にはまだまだ

貧困地域があり、

先進国の助けだけでは

足りません。

 

私たちの御先祖様だって、

そんな時代を生き抜いてきました。

 

もっと言えば、

今この瞬間の日本国内にだって、

 

人々が目を向けるべき、

救いの手を差し伸べるべき、

厳しい環境下を生きる

人々の存在があります。

 

それなら、なおさらのこと、

 

食べ物を選ぶ自由が

許されている立場にある

私たちこそ、

 

生命を繋ぎ、

大切な自分という身体に

ダイレクトに影響する食べ物に

もっと関心を寄せることで、

  

未来にあるべき社会の姿を

牽引してあげられる役割を

担えるというものではないでしょうか。

 

ヨーロッパのお金持ちさえ、

日頃からこまめに意識しなければ

手に入れることができないものー。

  

御先祖様が伝えてくれた

「農業」というかけがえのない

伝統の価値をもう一度思い出し、

 

「敗戦国」という遠慮を捨てて、

戦後導入された様々な「改革」を

私たち国民の目でもう一度見直す時期が

来ているのを感じます。

 

既存の体制が変えられないのなら、

一部自分のできる範囲で自家製にしたり、

地域の生産者から直接購入することも

十分有効な方法です。

 

可愛いネギの花 ©Yoshiko MATSUDA

 

産業革命に始まり、

物質主義を極めたヨーロッパの人々が、

 

アジアの私たちより一足早く理解した

何よりも大切な自分や家族の

心と身体の健康を守ること、

 

そして、

 

大切な自分たちの生命を

繋ぐことのできる地球環境を守ること、

  

そんな”主体性”を持てる贅沢に感謝し、

 

「本物の贅沢とは何か」という

既存の価値観への問いかけを、

そろそろきちんと理解して、

 

子どもたちへと教える準備を始めても

良い頃だと思うのです。

  

【参考文献】

EU POLICY, Organic Farming, AGRICULTURE AND RURAL DEVELOPMENT, https://ec.europa.eu/agriculture/organic/eu-policy/ (参照2017.02-10)

Kei Okishima「ビオを知ろう!」フランスニュースダイジェスト
http://www.newsdigest.fr/newsfr/features/4777-about-bio.html
(参照2016-02-15)

Satomi Kusakabe
「フランスで『ビオ』ラベルが踊る」フランスニュースダイジェスト
http://www.newsdigest.fr/newsfr/features/7084-fast-growing-bio-market.html
(参照2016-02-15)

高崎 順子「BIO(オーガニック製品)のお勉強」フランスの食ネタ帳
http://shokuneta.exblog.jp/21406814/
(参照2016-02-15)

 

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0

ヨーロッパのオーガニック事情(中盤)

 

 

 

BIOショップでは各国からの伝統食材も手に入るので、和食材を探すのにも便利。YOSHIKOMATSUDA©2021

 

ところが、

 

ヨーロッパでは2015年あたりから、

大手スーパーが独自の自社製品を

打ち出すなどして、

オーガニック製品が充実し、

 

その分、若干割安で

BIO製品が手に入るようになったため、

今は庶民でも気軽に手に取れる環境が

整うようになりました。

  

メジャーなスーパーであれば、

ざっと名前を挙げただけでも、

 

___

 

 

・Carrefour

 本社フランス・ベルギー・スペイン・イタリア・ポーランド・ルーマニアブラジル・アルゼンチンほか

 対象 中~高所得層の個人

 BIO製品の説明(フランス)

 BIO自社製品ラインナップ(ベルギー)

 

___

 

 

・Auchan

 本社フランス・スペイン・イタリア・ポルトガル・ルクセンブルグ・ハンガリー・ポーランド・ロシア・台湾・ウクライナ・ルーマニア・アメリカ・アルゼンチン・中国・モロッコ・タジキスタン・チュニジア・セネガルほか

 対象 中~高所得層の個人・フード業界

 BIO製品の説明

 BIO自社製品ラインナップ

 

 

 ___

 

 

・Cora

 本社フランス・ベルギー・ルクセンブルグ・ルーマニア・ハンガリーほか

 対象 中~高所得層の個人・フード業界

 BIO製品の説明(ベルギー)

 BIO自社製品ラインナップ(ベルギー)

 

https://folders.cora.be/06-06-bio-chez-cora-chatelineau/page/4-5

 

 ___

 

・Intermarché

 本社フランス・ベルギー・ポーランドほか

 中~高所得層の個人・フード業界

 BIO製品の説明

 BIO自社製品ラインナップ

 

___

 

  

・Colruyt

 本社ベルギー・フランス・ルクセンブルグ・オランダほか

 中所得層の個人・フード業界

 BIO製品の説明(系列ビオ・プラネット)

 BIO自社製品ラインナップ

 

ベルギー最大手ColruytのBIO自社ブランド製品 YOSHIKOMATSUDA©2016

 

 ___

 

 

・Delhaize

 本社ベルギー・ブルガリア・ルクセンブルグ・ギリシア・ルクセンブルグ・ポルトガル・ルーマニア・セルビア・アメリカ・インドネシアほか

 対象 高所得層の個人

 BIO製品の説明

 BIO自社製品ラインナップ

 

 ___

 

  

・ALDI

 本社ドイツ・オーストラリア・オーストリア・ベルギー・デンマーク・スペイン・アメリカ・スロベニア・フランス・ハンガリー・アイルランド・イタリア・ルクセンブルグ・オランダ・ポーランド・ポルトガル・イギリス・スイス・中国ほか

 対象 低~中所得層の個人

 BIO製品の説明

 BIO自社製品ラインナップ

 

  ___

 

 

・Lidl

 本社ドイツ・ベルギー・ルクセンブルグ・フランス・スイス・イギリスほか

 対象 低~中所得層の個人

 BIO製品の説明

 BIO自社製品ラインナップ

 

___

 

などが、

 

こぞってBIO製品の

自社ブランドを打ち出し、

店舗改修を行ってまで

専門コーナを設置しました。

(店舗改修→ブランド力強化→若干の値上げ)

 

日本で例えるなら、

 

イーオンやゆめタウンの大手スーパーから、

セブンイレブンやローソンに至るまで、

自社ラインのオーガニック食品が

気軽に手に取れる環境でしょうか。

 

その結果、

 

2015年のフランスでの調査では、

市場規模50億ユーロと言われ、

人々のBIO製品への関心の高まりが

示されています。

 

そのうえ、

 

フランス人の過半数以上が、

「外食にもBIOを望んでいる」という

調査結果も出ているそうです。

  

事実、自然環境への配慮を

呼びかけたり、

BIOショップに併設されるBIOカフェや、

 

カフェテリアで

地元産の食材を使った

BIOメニューも静かなブームです。

 

地元のWWF公認自然公園内のカフェテリアの軽食メニューより YOSHIKOMATSUDA©2017

 

次回に続きます。 

 

【参考文献】

EU POLICY, Organic Farming, AGRICULTURE AND RURAL DEVELOPMENT, https://ec.europa.eu/agriculture/organic/eu-policy/ (参照2017.02-10, 2021-08-06)

Kei Okishima「ビオを知ろう!」フランスニュースダイジェスト
http://www.newsdigest.fr/newsfr/features/4777-about-bio.html
(参照2016-02-15)

Satomi Kusakabe
「フランスで『ビオ』ラベルが踊る」フランスニュースダイジェスト
http://www.newsdigest.fr/newsfr/features/7084-fast-growing-bio-market.html
(参照2016-02-15)

高崎 順子「BIO(オーガニック製品)のお勉強」フランスの食ネタ帳
http://shokuneta.exblog.jp/21406814/
(参照2016-02-15, 20121-08-06)

 

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フレンチ流!シンプル生活はじめよう(後半)

 

 

 そうは言っても、

 私がヨーロッパに来て

 なるほどと思ったのは、

 

 ここは日本に比べて資源豊かで、

 自給率も高いです。

 

 


ストレスフリー環境で暮らす牧草牛たち YOSHIKO MATSUDA©

 

 例えば総合食料自給率で見ると、

 生産額ベースで

 フランスが83%、日本は66%です。

 

 さらに、

 

 熱量で換算する

 カロリーベースでは、

 フランスが130%、日本は38%で、

 「先進国の中で最低の水準(1)」です。

 

画像転載 農林水産省「我が国と諸外国の食料自給率」

https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/013.html

 

 このデータを見ただけでも、

 日頃から強烈なほど

 「食」へのこだわりが強い

 こちらの人から、

 

 「そんなことがあって良いのか!」

 

 と、怒られてしまいそうですが、

 

 どうも、この70%の差がそのまま、

 

 「食に対する国民の意識の違いでは?」

 

 と、思わせられるふしもあります。

 

 最近は、そんな、

 

 「自分たちが一番!」

 

 と言う愛国心を隠さない

 フランス文化圏の人々にも、

 

 繊細に手をかけられ、

 飼育された「神戸牛」をはじめとした

 「和牛」ブランドへの認知が

 広まりつつありますが、

 

 実はその生産国日本でさえ、

 「和牛」を口にできる機会は

 随分と少なくなりました。

 

 野菜も同様で、

 実は日本のスーパーで手に入るのは、

 限られた選択肢でしかありません。

  

 筆者も日本人として生まれたからは、

 「和食」は世界に誇れる文化と

 誇りに思います。
 

 懐かしい祖国の伝統食は、

 他のどんな国の料理にもかえがたい

 幼い頃からの思い出と共に、

 身体が覚えた愛着があります。

 

 出汁の「うま味」が染み込んだ

 煮付け料理も、

 

 炊きたてをふっくら握った

 おにぎりも、

  

 シンプルなのに、

 そのままでも味わいに深みがあって、

 この上なく美味しいです。

 

 ところが、そんな私でさえ、

  2~3年ヨーロッパに暮らした頃、

 日本の食品市場への素朴な疑問と、

 違和感を覚えるようになりました。

 (これは北米では気付かなかった事です。)

 

 それは、

 

 ・スーパーに並んでいる肉や野菜の選択肢が少なすぎること。

 ・それぞれの食材の味が薄いように感じてしまうこと。

 ・冷凍輸入品が多く、素材本来の良さが失われてしまっていること。

 ・日本のいわゆる「洋食」は、表面を真似た似て異なる食事であること。

 

 を、目の当たりにしたからです。

 

 そんな筆者自身は、

 祖母がおやつに作ってくれた

 「卵焼き」の手伝いから始め、

 7歳頃から時々料理をしていましたが、

 

 基本的には家庭科の調理実習や、

 地域の子ども料理教室で

 基本を数回教わっただけの、

 ごく普通の主婦です。

 

 だから偉そうなことを言うつもりは、

 まったくありません。

 

 それでも、私なりの主婦目線で見た時、

 

 日本のスーパーが

 日常的に扱っている定番食材が、

 そのまま今の日本人の食環境かと思うと、

 

 一般市民でしかない筆者でさえ、

 正直、日本の食糧事情を

 疑問視せざるを得ません。

 

 これでは、

 

 ちょうど私と同世代にあたる

 日本の将来を担う子どもたちを育てる

 お母さんたちが、

 

 せっかく毎朝早起きして、

 愛情を込めて作ったお弁当も、

 残念ながら100%の

 本領発揮ができていません。

 

 せっかく家族揃って食卓を囲み、

 楽しい時間を過ごせても、

 

 それが家族の心と健康を

 保障するものでなければ、

 そもそも意味がないのです。

 


家族の笑顔が一番! 

 

 私がここでみなさんに

 お伝えたいことは、

 誰でも実践できると思われる、

 ごくシンプルなことです。

 

 例えば、


 調味料の代表である
砂糖や塩の場合、

 精製されたものは避け、

 自然のものを選ぶとか、

 塩とコショウを自動的に

 セットで考えるのをやめ、

 料理別に使い分けること、


 「てりやきソース」

 「そうめんのつゆ」

 「レンジでチン」

 

 と言った、お手軽市販製品に

 簡単に頼りすぎないこと、

 

 そして有機栽培であれば、

 昔ながらの品種を選ぶという、

 

 難しい知識は一切不要の

 本当に簡単なことです。

 

 グルメである必要も

 洋食である必要もありません。

 

 憧れのデパ地下の高級惣菜や

 本格フレンチ・レストランも良いけれど、

 それは私たちが自給力が低い国の

 立場の弱い消費者だからであって、

 

 現地の地元の人たちや、

 現地の人に食事を提供するシェフは、

 日本の私たちの想像を超えた鋭い観察眼で、

 少し違う見方をしています。

 

 これまでの常識や思い込みから

 少しだけ視点を変えて、

 昔ながらの伝統を再確認するだけで、

 家族の健康を守るために、

 日々、工夫できることがある、

 というシンプルな気付きです。

 

 日本も近年、

 ヨーロッパやアメリカに次いで

 オーガニック食材への関心が

 高まりつつありますが、

 

 日本で「有機」を名乗るには、

 JAS法により登録認定機関の

 検査・認証を受け、

 

 「有機JASマーク」を

 付けることが義務付けられます。

 

画像転載 農林水産省「有機食品の検査認証制度」

https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html

 

 この制度は2000年7月16日から

 強制法として施行されていますが、

 

 有機農産物と有機農産物加工食品、

 有機畜産物、有機飼料が対象で、

 その他の洗剤やコスメティック類は

 含まれていません(2)。

 (2021年6月現在)

 

 また現実の生活の中で、

 有機製品だけでやっていくには、

 まだまだ体制が整っておらず、

 コストがかかりすぎる問題もあります。

 

 だからこそ、

 

 有機製品だけにこだわらなくても、

 法整備を待たなくても、

 身の回りのことから、

 今すぐ・誰でも・かんたんにできる、

 

 フレンチ流シンプル生活、

 あなたも始めてみませんか?

 

【参考資料】

今回の記事執筆にあたり、以下のサイトを参考にさせて頂きました。


⦁ 農林水産省「食料自給率とは」知ってる?日本の食料事情
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/

http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/011.html
(参照2016-02-15/2021-07-06)

【脚注】

(1)

⦁ 農林水産省『諸外国の食料自給率等』

https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/attach/pdf/013-2.pdf
(2021-07-06)

⦁ https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/013.html

(2021-07-06)

 

(2)

農林水産省「有機食品の検査認証制度」

https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html

(2021-07-07)

 

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