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日本学術会議会員の任命に関する学長声明を支持します(一橋大学大学院法学研究科教員有志)

日本学術会議会員の任命に関する学長声明を支持します


2020年10月19日

 去る10月13日、中野聡一橋大学長が下記の声明を発表しました。法学研究科教員有志は、この声明を支持します。
 任命されていない会員候補者6名のうち3名は法学者であり、そのうち1名は一橋大学の出身者です。
 確かに法には解釈の余地があります。しかし、法解釈が実質的に変更されるときには、その理由は十分に説明され、記録に残されなければなりません。それがないと、法の支配は人の支配へと変質してしまいます。
 政府と日本学術会議との誠実な対話と、それに基づく説明がなされることを、中野学長と共に望みます。

一橋大学大学院法学研究科教員有志(氏名五十音順、10月19日現在14名)
<呼びかけ人>
只野雅人(憲法)
長塚真琴(知的財産法)
<賛同者>
市原麻衣子(国際政治学)
金井嘉彦
仮屋広郷(会社法)
葛野尋之(刑事法)
下山憲治(行政法)
土井翼(行政法)
匿名希望(国際関係史)
本庄武(刑事法)
前田眞理子
緑大輔(刑事法)
ジョン・ミドルトン(英米法)
渡辺康行(憲法)

参考:学長声明(http://www.hit-u.ac.jp/topics/8238


日本学術会議会員の任命について

2020年10月13日

日本学術会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命することが法によって定められている日本学術会議会員について、推薦された第25期会員候補者105名のうち6名が任命されていません。日本学術会議は、第181回総会(2020年10月2日)において、内閣総理大臣に対して、推薦した会員候補者が任命されない理由の説明と、任命されていない会員候補者の速やかな任命を要望しています。

日本学術会議の組織は第1部(人文・社会科学)、第2部(生命科学)、第3部(理学・工学)から構成されています。現在、任命されていない6名はいずれも第1部の会員候補者です。「社会科学の総合大学」であることを大学憲章に掲げる一橋大学の学長として、私はこの事態をたいへんに憂慮しています。政府と日本学術会議には誠実な対話を望みます。

今回の問題をめぐる報道を通じて、日本学術会議の存在を初めて知った国民の皆さんも多いのではないでしょうか。日本学術会議の役割と、それが政府から独立して職務を行う特別の機関として法によって定められていることの積極的な意義について、国民に対して説明責任を果たすための一層の努力もまた必要とされていると私は感じています。

国立大学法人である一橋大学の学長として、私はこれからも社会からの信頼と負託に応える教育研究の推進に不断の努力をしてまいります。

一橋大学長 中野 聡

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