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【参加者公募】 教育学英語論文発信力強化プロジェクト 国際的に活躍できる教育学研究者となるための共同ワークショップ

【参加者公募】

教育学英語論文発信力強化プロジェクト

国際的に活躍できる教育学研究者となるための共同ワークショップ

 

【締め切りました。多数のご応募、ありがとうございました!!】

 

教育学会国際化公募最終r2.pdf


 教育学研究者として国際的に活躍したい!世界の教育学研究の発展に貢献したい!このように思われたことはありませんか?知的貢献のできる教育学研究者として世界で認知されるためには、インパクトのある英語論文を出版することが必須となりつつあります。

 インパクトのある英語論文を書くためには、論文作成の技術的なノウハウだけではなく、国際的な研究動向のなかで、自分の研究をどう位置づけ、世界に対してどのような形で知的貢献をするのかという、国際的な視野をもった研究戦略が必要です。

 このプロジェクトは、意欲ある次世代研究者のみなさんとともに国際学術誌への英語論文投稿を一緒に目指すことを通じて、日本の教育学関連の学会や研究ネットワークが日本の学会や大学院で教育学研究の教育・訓練を受ける幅広い次世代研究者の国際発信力強化のために、どのような組織的支援ができるかを、考えていくプロジェクトです。

 参加者にはそれぞれメンターがつき、3回のワークショップ(そのうち1回は原則対面・旅費は支給します)半年間かけて英語論文作成を支援します(英文校正費用は、最大10万円まで別途支援します)。また、このプロセスを通じて、みなさんとともに、日本の教育学研究の国際的発信強化のためのシステム構築のための提言をまとめていきたいと考えています。

 国際学術誌に投稿しませんか?意欲ある皆様の参加をお待ちしています!!


応募フォーム(7月31日〆切)

https://forms.gle/oG5ydzzy5FkXbgta6


高山敬太 京都大学大学院教育学研究科教授 (プロジェクトリーダー) takayama.keita.7w@kyoto-u.ac.jp  

北村友人 東京大学大学院教育学研究科教授  (日本教育学会国際交流委員長)yuto.kitamura@gmail.com  

米澤彰純 東北大学国際戦略室教授 (研究代表者)

akiyoshi.yonezawa.a4@tohoku.ac.jp  

 

募集人数・応募方法・費用:

8名程度
7月31日までに、下記のリンクにあるフォームからご応募ください。
https://forms.gle/oG5ydzzy5FkXbgta6

参加費用は無料。対面でのワークショップ参加のための旅費、校閲費用(最大10万円)はプロジェクトで支援します。

参加者に求められること:

2023年3月末までに希望の国際学術誌へ投稿すること(メンターが支援します)。
3回のワークショップへ参加し、論文執筆の進捗状況を報告すること。(第1回は9月12-15日のいずれか1日ないし2日、第2回は11月、第3回は2023年2月に行うことを計画しています。具体的な日程は、参加者決定後、確定します。)
他の参加者の草稿を読み、フィードバックすることで、参加者全体の成功に貢献すること。
日本の教育学研究の国際的発信強化のための提言・システム構築に参加、貢献すること。

参加条件:

年齢、職階、国籍不問。原則、日本に在住の方。
英語の国際学会誌へこれから投稿を希望している方(未経験者、英語での出版経験の浅い方を歓迎・優先します)。
論文の構想を持っていて、2023年3月までに論文を投稿する心構えのある方。
※すでに日本語で出版している原稿を単純に英語化するのではなく、英語論文作成を通じて、国際的にインパクトをもちうる研究を行い、発信する能力をつけるプロジェクトです。


※本プロジェクトは、JSPS科学研究費基盤(B)19H01621「教育学研究の国際展開の実態・構造・将来像に関する研究――学会の機能に注目して――」の研究活動として実施しています。また、本科研の活動は、日本教育学会国際交流委員会の活動と連携して行われています(応募は、日本教育学会員にかぎらず、どなたでもできます)。

 

本プロジェクトの趣旨:


 日本の教育学研究の国際化を進めるためには、次世代教育学研究者の国際的活躍が不可欠である。その上で、大きなボトルネックとなっているのが、英語を共通言語とする国際学術誌に質の高い論文を投稿し、掲載へと着実に導くノウハウやパイプラインが、日本の大学院教育及び教育関連諸学会の双方において十分に蓄積されていないことである。このことは、以前から認識されており、若手研究者の国際的な活躍の表彰、海外での学会発表の支援、英文執筆・翻訳の支援、英語での学会の部会、英語学術誌の発行など、教育関連諸学会によるさまざまな取り組みが行われてきた。しかし、これらの動きがありながら、日本で研究者としての訓練を受け、研究者としての初期キャリアを送る大部分の教育学研究者にとって、自分たちの研究者生活の主要な部分として、英語での学術出版が位置づき、その実現のための具体的な道筋が見いだせる状況にはなっていない。

 上記の背景には、英語での国際的な学術論文の執筆が、単純に技術的な問題ではなく、教育学研究に対する認識、アプローチ、方法論、そして論文として構成して執筆していく過程のすべてを総合的にとらえ、国際的な視野に立って再構成していく、すなわち、教育学研究全体の国際化と、それを組織・体制として支えるプラットフォームとしての大学院教育と学会の双方の国際化が不可欠となるからである。

 教育学研究が教育や関連する実践と深く関連して発達し、日本の教育が日本固有の言語・社会・文化を基盤として成立している以上、日本の教育学に関わる思考が日本語を基盤とし、そこでの教育学研究が国としての固有性や経路依存性を有すること自体は、弱みであると同時に強みにもなり得るもので、これ自体を否定する必要は全くない。しかしながら、国際的な研究コミュニティの中で知識を創造し、理論的な貢献を行うためには何が必要で、どのようなアプローチによってどのようにその力をつけていくのかについては、上記のような包括的な視野に立って冷静かつ緻密に分析し、単なる英語論文執筆の技術論を越えた、教育学の研究プロセス全体を見通した包括的なノウハウを確立する必要がある。逆に言えば、このノウハウが確立し、教育学研究関連諸学会、そして教育学関連の大学院教育に普及していけば、より幅広い教育学研究者の国際学術コミュニティへの参加が可能になり、日本の教育学研究全体の国際化が促進されるのではないだろうか。

 過去30年間のグローバル化のあとに訪れた新型コロナ感染症のパンデミックにより、教育学研究の国際コミュニティのあり方は、大きく変化したと考えられる。新型コロナウイルスのパンデミック以前の社会においてもインターネットの普及によってオンライン上での研究交流は盛んになっていたが、国際交流、外国研究、そして国際的な研究発表・発信は、人の物理的な移動を前提として構築されていた。コロナ禍で研究者を含む人の移動が大きく制限される中、世界の教育学研究は逆に、パンデミックとその教育現場への影響と対応という、世界共通課題に直面することにより、国際的な結びつきを強めていくことになった。オンライン・ミーティングやその動画アーカイブの蓄積が急速に普及したことにより、世界の大部分の教育学研究者が、移動することなしにどこからでも国際的な教育学研究コミュニティに参加できる環境が整いつつある。ただし、その分、国際的な学術論文を出版し、知識創造と理論的貢献を国際学術コミュニティでおこなう力がなければ、単に物理的・あるいはバーチャルな空間を「共有」するだけでは貢献とならない状況は、ますます強くなったとも言える。

  本プロジェクトは、英語での国際学術論文の出版意欲がある次世代の教育学研究を担う参加者の国際的活躍への道筋を一緒に考えながら半年間支援していくことで、上記のようなノウハウを分析し、モデル化し、普及への道筋をつけることを目的としている。