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HorliX と薬機法

HorliX と薬機法

HorliX (という Horos / OsiriX ベースの画像ビューア)に関連して横浜市から薬機法ガラミで問い合わせ(正式な行政指導の類ではなく単なる問い合わせ)があったので、軽く返答。そのときの経緯みたいなものを『心電図アプリと薬機法と HorliX』に書いておきました。

そこでも書いてますが、現行 HorliX で薬機法認証/承認をとるつもりは積極的にはないです。「積極的にはない」というのは、たまにエラい先生から「きちんと取ったらどうだ」と諭されることがあるから。


いやあ、でもあのクラスのソフトを認可取れる水準でメンテしていくのは大変ですよ、とてもとても。
(→ある程度、技術に明るい人からすると元になった horos に「手抜き」アルゴリズムが散見される。手抜きといっても実用上はほとんど問題ないですが。でも、認証/承認を取る気ならばこれらを丹念に一つ一つ潰していけなければならず、かなりのコストがかかる→結局、PHORLIX プロジェクトへ)


なお、薬機法を取っていないデバイス・プログラムは、その使用にはある程度の制限がかかるのは、たいていの医師なら認識していることなので、ここで詳しく述べない。


HorliX とは?』でも書いてますが、


HorliX 自体は薬機法認証/承認は取っていませんので、医療機関内で使用する場合には医師の自己責任でお使いください。ただし、院内システムの情報転送用など直接診断に関わらない目的での使用に関しては特に問題はないそうです(厚労省確認済み)。

というのが現行法規下での基本的な考え方でしょう。

原則的には、医療情報を単に記録・閲覧するソフトは「プログラム医療機器」には該当しないのだ。
また、医師と歯科医師が主体的に行う臨床研究にあっては薬機法の対象から除外される場合も多い。

最近では知り合いの臨床医の先生に『COVID-19 による肺炎CT画像!<HorliXにて表示>』で紹介してもらいましたが、そのことを踏まえた表現になっているかと思います。

一方、臨床経験のない自治体薬事担当者やクリニックレベルのシステム構築程度の仕事しかしてない業者あたりだと、経験や知識不足は否めず、ここらへんのニュアンスはなかなか伝わらないかもしれませんね。

厚労省もその点を考慮してか「医療機器(プログラム)に関しては、自治体独断で判断をくださないように」という趣旨の通達を出している。


なお、HorliX のソースコードは

 github: https://github.com/Hiroaki-Inomata/HorliX

 
gitlab: https://gitlab.com/Hiroaki-Inomata/HorliX

で、公開しています。 

 

 

猪股弘明           

精神科:精神保健指定医    
HorliX, OpenDolphin-2.7m 開発者