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方法論上の課題

キアスムスに関する議論がかかえている基本的な課題がある。それは、分析に主観が介入しやすいという点である。だが、こうした恣意性に関する課題は、キアスムス分析に限らない。むしろ、物語における構造分析論がかかえる共通の課題でもある。

あるテキストに埋伏した、今までおそらくは誰も気がつかなかったキアスムスを発見する喜びがある。だが、発見されたキアスムスも、それだけでは単なる資料にすぎない。