研究ブログ

嫌いになってもいいから一度は観ろ!

TOHOシネマズ天神ソラリア館で2/9()の夜にあった試写会で、あした(12())から公開の「スティーブ・ジョブズ」を見てきたので、その感想です。タイトルがそのまま結論です。


情報学の研究をしていて、Macは古くから仕事で使っていたので、ジョブズに関して多少は知っていました。また、「リーダーを育てる」という大学院教育「決断科学に関わっているので、その意味でもジョブズには興味をずっと持っていました。

内容は、彼がプレゼンした新作発表会(Macintosh, NeXT Cube, iMac)の直前を描いたものです。我々も経験があるけど、デモなんかは、直前まではバッチリでも、いざとなったらうまくいかなかったりするわけで、Macの発表の前にもデモがうまくいかずといったようなエピソードが語られます。


トラブルや口ケンカの場面が多く、セリフもすごい勢いで、あっという間に3つのエピソードが終っていきました。すごい疾走感です。しかし、そのため、ジョブズの背景をある程度知っていないと理解できないことも多いかもしれません。一緒にみた妻は、スカリーの背景が分かりにくかったと後で言ってました。また、背景を知っていても、もともとケンカ等の場面が多いことから、話しの内容に飛躍というか、「ん?」と思うような箇所が何か所かありました。これは、訳のせいではなく、もともとの内容じゃないかと思いますが、表示する時間の制約で訳が十分に示せないということなのかもしれません。


内容は強烈なインパクトでした。ただ、面白い?と聞かれると、うーん、という感じもします。面白くないわけではないんだけど、「映画が面白い」という枠では語れないような気がします。むしろ「ジョブズは強烈」という感じです。


何かを表現する人は見ておくとよいと思います。自分は情報系に身を置き、ウォズニアック(すごい技術者)の主張(オープンなシステムや仲間への謝辞)に共感できる一方で、ジョブズの考えには賛成しかねるところがあります。それ自体はいいんだけど、なぜそう感じるのは、いま一つ腑に落ちてなかったんだけど、今回ので、なんとなく納得しました。彼は(私に立場が近い)技術者ではなくて、それは分かっていたんだけど、もっと違う分野の、例えば、舞台俳優とか映画監督とか、(この映画の範囲では)そういう人に近い感じがします。もともと上手なプレゼンで知られている人ですが、それを実現するための事前の準備や細いこだわりがよく分かって、「表現者」として活動している人は、「よく分かる!」といったところも多いと思います。その意味では、自分の成果を自分でPRする我々研究者や学生さんにも参考にすべき点が多くあるように思います。