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ゴールボールを始めたわけ:自分の中のセンサーを鍛えたい

■はじめに

ゴールボールを始めたキッカケは一つではなくて、いろんなことが影響しているので、ちょっとつらつらと書いてみます。一つの理由は、自分が持っているセンサーである「感覚」を鍛えたいなあと思ったことです。

■ゴールボールをやってみて

ゴールボールはアイマスクをつけてやるので誰でも参加できます。アイマスクをしていて視覚情報を使えないので、ボールに入った鈴の音など、使う感覚のメインは音になります。ただ、これまで自分は視覚情報に頼っていた分、情けないほど自分の耳はあてになりません。参加している練習会には女子日本代表(つい最近東京オリンピックの代表に選出されたニュースを見ました)の方もいらっしゃって、この人たちのプレーを見ていると、耳で「見ている」と感じるくらいの反応をされています。野球のキャッチボールでいうと、うまい人が「すっ」とボールのほうに体を寄せていくような感じで、ボールを受けとめています。

そうではない自分でプレーしていてて困るのが、さっきのプレーがどうだったのかの情報が得られない(フィードバックがない)ので、プレー自体を修正しようがないということです。もちろん、周囲から声をかけてもらえば分かるのですが、他の人がいないと自分自身で投げたボールがどこにいったのかもよく分からないわけです。ただ、考えてみればおかしな話しで、自分の動作に気をつけていれば、動作の結果がどうなるか予測できそうなものです。でも、普段はそんな自分の動作に気をつかうなどといった面倒くさいことをしなくても、視覚情報からフィードバックが得られるので、他の感覚を遊ばせていて、鍛えていなかったようです。

■腰痛とセンサー

ところで、自分にはずっと腰痛がありました。最初に違和感を感じたのは小学校の頃ですが、特に30過ぎて始めたバドミントンの影響で何回か立ち上がれなくなるくらいの腰痛があったこともあります。そのため、どんなストレッチをすればいいのか、どんな風に動けばいいのかいろんな本を読んだり、テレビを見たりしてきました。ただ、決定的なものはなく、だましだましやっているような感じでした。ところがこの状況が最近変わってきました。ここ2年ほど見てもらっている理学療法士さんのおかげで、普段の生活はもちろん、バドミントンをやっていても疲れが残らないようになってきました。

この理学療法士さんのアドバイスのポイントは「どんなことをすれば体によいのか」の前に、「自分の体がいまどういう状況にあるのか」をチェックして、しかも、私も理解できるような動きで体感できるようになったことです。おおげさに言えば、私は骨盤を左に傾けていたようで、左側の腰に過大な負荷をかけていました。逆に、右側は浮いていて力が入らない(使っていない)状態なので、脳の回路が右側を使わないような動作をしがちでした。これが悪循環になり、使わない右側は筋肉などが固まりがちで、さらに使いにくい状態となっていたました。因果関係は逆で、右が固いため左側を使うようになったのかもしれませんが。例えば、右腕を上げるという動作をするときに、右側は固まっていて肩関節から動かすのがしにくいため、おおげさにいえば、上半身全体を左側に傾けることで右側の自由度を確保して、固まっている右側全体を動かすことで、腕を上げるという感じになっていました。

細いところでは、右側の足首が固いとかも見つけてもらい、このあたりをやわらかくしつつ、体重を右に乗せる動きをゆっくり何度もやったりして、脳の回路を「デバッグ」していきました。こうすることで、「昨日バドミントンしたから、今日は左の腰にちょっとした疲れが残っているなあ」というようなことに敏感になってきて、右側により体重の乗せられるようになってきました。それまで、周囲から情報を得よう得ようとしていたのが、実は自分の中の情報に敏感になることで、こんなに変わるんだと気付いたわけです。

■おわりに

それでゴールボールに話しを戻すと、視覚を使わないことで、より自分の感覚に敏感になれるのではないかと思ったわけです。いまのところ、いかに自分が感覚を使っていないかを実感するばかりですが、目を閉じて歩道上の黄色のサインの上を、以前よりずっと長い間歩けるようになったり、少しずつですが感覚が磨かれているのかもしれません。