研究ブログ

「中国石窟データベース」を公開しました



このところ、毎日のようにウェブサイトをリリースしていますが、今日もまた新たに一つ新しいサイトをリリースしました。

中国石窟データベース

これはディジタル・シルクロード・プロジェクトの一環として進めていたプロジェクトですが、特に専門家の方々にはなかなか使えるデータベースになっています。

例えば、石窟を調査する際の問題として、同じ石窟にいろいろな人が勝手に(?)番号をつけているために、同じ石窟に複数の番号がついていて混乱する、という問題があります。これは特に、複数の資料を参照する時に問題になります。資料Aで1番と書いてあるものが資料Bで1番と書いてあるものと、同じとは限らないわけです。

そこでこのデータベースでは、まず便宜的に統一的なIDを付与し、そこに従来の種々の番号をマッピングすることで、複数の番号体系を統合して使えるようにしました。こうするメリットは、資料をまたいだ横断検索が可能になる、ということです。例えばある石窟に関する図版を含むページを横断的に検索する、ということがようやく可能となりました。

例えば、 敦煌莫高窟第17号窟に関しては、『東洋文庫所蔵』図像史料マルチメディアデータベースに、この石窟に関するデジタル化された図版が121枚ある、ということが簡単に一覧できます。これは専門家にとってはかなり便利な機能ではないでしょうか。

ま、一般的には「なんだそれ?」という感じかもしれませんが、専門家からはかなり待ち望まれていたデータベースです。他にも統合できるデータがありますし、中国の研究機関とも協力しながら、今後もさまざまな方向に発展させていけるのではないかと考えています。