研究ブログ

東京大学(駒場)で学振PD

日本学術振興会特別研究員PDとして採用された人が,東京大学総合文化研究科(駒場)を受け入れ先とした場合に,快適に研究生活を始めるためにはどうすればよいのでしょうか?具体的には,駒場図書館と,情報基盤センターの利用資格を得るにはどうすればよいのでしょうか?少し苦労したのでここでまとめておきたいと思います.まだ解決していないのですが.

前置きとして,学振PDの採用決定に至る過程を整理しておくと,

  • 前年度:採用内定
  • 3月上旬〜4月上旬:採用手続書類の送付
  • 4月下旬:採用決定と,その受け入れ研究機関への通知

となっています.学振PDは採用が決定されるまではあくまでも採用内定者である点がポイントです.この時点までは,学振からは「採用内定通知」(電子申請システムで見ることが出来るもの)か「採用見込証明書」(紙)しかもらえません.また,採用が決定されたと言っても,身分証がもらえるまでにはさらに時間がかかります.ついでながら個人的な事情ですが,現在僕はドイツで研究活動をしていて,一時帰国の際に図書館と情報基盤センターの利用手続をしようとしたのでした(5月21日と22日).

まず,大学院係に問い合わせたところ,基本的には学振の身分証を持って行って利用登録をすれば図書館もネットワークも利用可能だということでした.ではその身分証はいつ送付されるのかというと,「例年6月頃」とのことです.……2ヶ月も図書館・ネットワークなしで過ごすのはちょっと……(実際には各研究室単位では内部的にゴニョゴニョしてネットワークに接続できたりするんでしょうけど,それでも図書館が使えないのは痛い).

代替の手段はないものでしょうか?残念ながら,「採用内定通知」では申請を通すことは出来ませんでした.図書館の人曰く,「内定通知はあくまでも内定通知であって,実際に東大で受け入れたことを示すものではない」だからだそうです.しかしそうすると,学振PDが採用決定までに得ることの出来るもっとも強力な身分証明は,「採用見込証明書」となります.これで申請は通せるのでしょうか?残念ながらこの点はまだ試していません.図書館の人の言からすると,「見込」ではまずそうな気もします.

情報基盤センターに関しては,メールで問い合わせたところ「内定通知でも構わない」とのことだったので,内定通知で利用申請を出しました.……すると「やっぱり学振からの身分証明書が必要です」と言われて(がーん!),こちらもどうやら「採用証明書」が必要だったようです.図書館と同様,「採用見込証明書」で申請が通るかどうかはやはり不明確です.

いずれにしても,採用が決定してからであれば「採用証明書」を発行してもらうことが出来るので,確実に申請を通すことが出来ると思われますが,これでもやはり1ヶ月程度は図書館もネットワークも使えない,ということになります.結論としては,

  • 採用決定後(4月下旬)でもよければ,学振から「採用証明書」を2部発行してもらってそれぞれ図書館と情報基盤センターの利用申請に用いればよい
  • 採用内定中に利用申請をする場合,「採用見込証明書」を使うことになるが,これで利用申請が通るかどうかは不明確

ということになります.どなたか後者の経験をお持ちであればお知らせくださると幸いです.


補足


学振PDの待遇の悪さ(施設の利用資格など)については昔から話題になっていましたが,http://www.jsps.go.jp/j-pd/data/seido_kaizen.pdfにあるように,去年くらいからついに学振が大学・研究機関に対して待遇の改善を促すようになりました.なんとか早く実効的な成果が上がってほしいものです…….あとは雇用関係が明確になるともっといいのですが,学振が雇用するとなると健康診断やら保険やらで色々とクリアすべき問題が多いのかもしれません.