日誌

2016年12月の記事一覧

新鋭3

2. 鯨井可菜子
2014/3/8 少年と子猫は今やほそながい青年と老猫 ふたりで眠る(鯨井可菜子

4笹井 宏之
2014/8/2 できるだけふるいまぶたをあけてみる そこには海があるはずなんだ(笹井宏之) 

2014/8/23 北極のパン屋さんには夏という商品があるらしいと聞いた(笹井宏之)

2015/1/29 えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい(笹井宏之)

2015/5/27 風という名前をつけてあげました それから彼を見ないのですが(笹井宏之)

2015/9/10 ねむらないただ一本の樹となってあなたのワンピースに実を落とす(笹井宏之)

2015/9/28 今夜から月がふたつになるような気がしませんか 気がしませんか(笹井宏之)

2015/10/22 えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい(笹井宏之
 

2015/11/24 ひきがねをひけば小さな花束が飛びだすような明日をください(笹井宏之)


2015/12/30 一生に一度ひらくという窓のむこう あなたは靴をそろえる(笹井宏之)


2016/7/7 えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい(笹井宏之)


2016/9/12 一様に屈折をする声、言葉、ひかり わたしはゆめをみるみず(笹井宏之)

2016/9/22 ひきつづき私は私であるでしょう ところによりあなたをともなって(笹井宏之)

2016/9/25 ねむってもねむってもあなたのそばで私は風のままなのでした(笹井宏之)


2016/9/27 えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい(笹井宏之)

2016/11/29 あとほんのすこしの辛抱だったのに氷になるだなんて ばか者/笹井宏之
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新鋭


  1. 2016/12/19 降りぎわに「じゃあ」と握った手のかたち合えば二人の「またね」は祈り /岡野大嗣


    2016/8/12 かなしみを遠くはなれて見つめたら意外といける光景だった(岡野大嗣


    2016/8/4 もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい(岡野大嗣


    2016/12/13 会いたいなあ 高架の下の自販機で買ったココアがまだあったかい/岡野大嗣


    2016/12/1 あれは赤い観覧車ではなく観覧車が赤く深呼吸をしてるんだ /岡野大嗣


    2016/11/20 母と目が初めて合ったそのときの心でみんな死ねますように(岡野大嗣


    2016/11/14 ここじゃない何処かへ行けばここじゃない何処かがここになるだけだろう(岡野大嗣


    2016/10/1 写メでしか見てないけれどきみの犬はきみを残して死なないでほしい(岡野大嗣


    9/17 もう声は思い出せない でも確か 誕生日たしか昨日だったね(岡野大嗣


    2016/9/2 きみという葡萄畑の夕暮れにたった一人の農夫でいたい(岡野大嗣


    2016/8/19 みぞれ、みぞれ、みぞれはぼくの犬の名で祖父が好んだ氷の味だ(岡野大嗣

    2016/7/24 ぼくの聴く音楽こそが素晴らしいと思いながら歩く夜が好きだよ(岡野大嗣


    2016/7/21 なながつはしちがつのあだ名そう呼べば夏のほうから近づいてくる (岡野大嗣


    2016/7/11 好きだった曲を好きなまま歳とっておんなじ歌詞になんどでも泣く(岡野大嗣


    2016/7/1 ひたされて光るはつなつ こごりかけソーダゼリーのプールがひらく(岡野大嗣


    2016/6/10 ドーナツの◯からのぞくドーナツの◯からぼくをのぞくきみの目(岡野大嗣


    2016/5/28 ミシンフェアの刺繍の音をおみやげに手ぶらの散歩からのただいま(岡野大嗣


    2016/5/7 しろたえのふとんのなかでとびきりの宇宙遊泳みたいな二度寝(岡野大嗣


    2016/5/2 ポケットの硬貨2枚をネクターに変えて五月の風のなか飲む (岡野大嗣


    2016/4/8 曇天を支えるように咲いている桜の下でととのえる息(岡野大嗣


    2016/4/1 つこうとしてつかれた嘘と知りながら知らないふりをするという嘘(岡野大嗣


    2016/2/24 ゆぶね、って名前の柴を飼っていたお風呂屋さんとゆぶねさよなら (岡野大嗣


    2016/2/14 あんぱんを缶コーヒーで流しこむ刑事のようにチョコを待ってる(岡野大嗣


    2016/1/17 もう声は思い出せない でも確か 誕生日たしか昨日だったね(岡野大嗣

    2015/12/23 生まれつき耳鳴りのある犀の吐く一夜にいちどきりのため息(岡野大嗣
  2. 2015/12/15 消しゴムも筆記用具であることを希望と呼んではおかしいですか(岡野大嗣


    2015/12/13 息止めてせーので水に潜るのと布団から出る瞬間は似て(岡野大嗣


    2015/11/8 袖口を嗅ぐだけでねむたくなれる部屋着で過ごすうつくしい日々(岡野大嗣


    2015/10/1 どうせすぐちょうどいい感じになるし死んだふりして元気でいよう(岡野大嗣


    2015/9/1 きみがきみの道を向くとき僕はそのうしろで小さくならえをするよ(岡野大嗣


    2015/8/21 脳みそがあってよかった電源がなくても好きな曲を鳴らせる(岡野大嗣

    2015/8/4 ここじゃない何処かへ行けばここじゃない何処かがここになるだけだろう(岡野大嗣

  3. 2015/7/26 もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい(岡野大嗣


    2015/7/25 マーブルの水ヨーヨーが地を叩く 世界が消えるときは一瞬(岡野大嗣


    2015/7/9 終点に着いてしまった「降ります」と声を上げずにいたばっかりに(岡野大嗣


    2015/7/7 一年にふたり以上は渡れない橋で僕らはまたすれ違う(岡野大嗣


    2015/6/28 神にアテレコされてんじゃないかってくらい綺麗に吐いている嘘(岡野大嗣


    2015/5/19 雨の日は雨の降らないストリートビューを歩いてきみの家まで(岡野大嗣


    2015/5/2 ハムレタスサンドは床に落ちパンとレタスとハムとパンに分かれた(岡野大嗣


    2015/4/22 母と目が初めて合ったそのときの心でみんな死ねますように(岡野大嗣


    2015/4/21 僕だけの秘密にしてる神様の誤植が僕のなかにあること(岡野大嗣



    2015/3/17 ほら外はうららかだよ、と春の日にちからをほどきだす貝柱(岡野大嗣


    2015/3/2 春空に千鳥格子の鳥たちを逃がしてつくる無地のスカート (岡野大嗣


    2015/2/16 においから先に世界に立ちこめてそれから雨が降るときは夜 (岡野大嗣

    2015/1/17 もう声は思い出せない でも確か 誕生日たしか昨日だったね(岡野大嗣


    2015/1/15 骨なしのチキンに骨が残っててそれを混入事象と呼ぶ日(岡野大嗣


    2014/12/21 ハムレタスサンドは床に落ちパンとレタスとハムとパンに分かれた(岡野大嗣


    2014/12/2 今年いちばんに冷え込み町じゅうのイースト菌が仕事をさぼる(岡野大嗣


    2014/11/18 近づけば踏み潰す気で見ていたら鳩は僕との距離を保った(岡野大嗣


    2014/11/10 袖口を嗅ぐだけでねむたくなれる部屋着で過ごすうつくしい日々(岡野大嗣


    2014/10/8 ここじゃない何処かへ行けばここじゃない何処かがここになるだけだろう(岡野大嗣

  4. 2014/9/27 道ばたで死を待ちながら本物の風に初めて会う扇風機(岡野大嗣


    2014/9/8 もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたい(岡野大嗣


    2014/8/28 もう声は思い出せない でも確か 誕生日たしか昨日だったね(岡野大嗣


    2014/8/22 ハーモニカの端を吹くのはむずかしい隣の部屋がひとつ無いから(岡野大嗣

  5. 2014/7/23 マーガレットとマーガレットに似た白い花をあるだけ全部ください(岡野大嗣


    2014/7/6 河川敷が朝にまみれてその朝が電車の中の僕にまで来る(岡野大嗣


    2014/6/18 人間が抱える闇を500種の黒鉛筆にして売り捌く(岡野大嗣


    2014/5/31 にんげんがひとり にんげんがふたり 五月の草に眠れるひつじ(岡野大嗣) 


    2014/5/5 青空とブルーシートにはさまれてサンドイッチのたねだねぼくら(岡野大嗣


    2014/4/16 きみがきみの道を向くとき僕はそのうしろで小さくならえをするよ(岡野大嗣


    2014/4/3 散髪の帰りの道で会う風が風のなかではいちばん好きだ(岡野大嗣


    2014/3/7 母と目が初めて合ったそのときの心でみんな死ねますように(岡野大嗣


    2014/2/9 念のため林檎も鞄に入れている果物ナイフ持ち歩くとき(岡野大嗣


    2014/1/9 ジャンクションの弧線が光る ささやかな意志の前途を讃えるように(岡野大嗣


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洗濯機 特許

洗濯機 ティッシュ 0件

洗濯機 紙 97件 会社名に紙の文字があるものを含む。溶ける紙蓋

洗濯機 異物 203件 シーリング
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新鋭短歌シリーズ 食器と食パンとペン

新鋭短歌シリーズ 食器と食パンとペン

1. 木下龍也
2016/12/10 「お弁当あたためますか?」「ありがとう、ついでにこれも」「なんですか?」「星」/木下龍也 

2016/2/4 ぼくたちは月でアダムとイブになるNASAの警告なんか無視して(木下龍也) 

2016/1/16 かなしみはいたるところに落ちていて歩けば泣いてしまう日もある(木下龍也)


2015/12/26 何もかもわかったような顔をしてそこに座って待っていなさい(木下龍也) 
https://twitter.com/syokupantopen/status/680724031557861376

2015/11/22 花束を抱えて乗ってきた人のためにみんなでつくる空間(木下龍也) 

 2015/10/9 独白もきっと会話になるだろう世界の声をすべて拾えば(木下龍也)

 2015/9/21 犬であることを休んでいる犬とたまに恋愛話をします(木下龍也)

 2015/7/15 青空にソフトクリームぶちまけてなんて平和な夏なんだろう(木下龍也) 

2015/6/20 台本にゆれるゆれると書いてありやっぱり僕は木の役だった(木下龍也) 


2015/4/17 重力がひるんだ隙に人々は一部地域を除いて空へ(木下龍也) 


2015/1/13 あの羽は飾りなんだよ重力は天使に関与できないからね(木下龍也) 

2015/1/5 ロボットノナミダハアブラ ロボットの涙は油 だったはずだろ(木下龍也) 


2014/12/24 十二月二十四日と十二月二十五日は異様に長い(木下龍也) 

 2014/9/20 ああサラダボウルにレタスレタスレタス終わらないんだもうねむいのに(木下龍也) 



27 蒼井杏


2016/11/15 どのくらいわたしに興味がありますか。あらゆるくぼみの雨水ひかる(蒼井杏)


2016/6/23 すみませんよわいわたしをはなしがいしているわたし こてん ぱん の きゅう(蒼井杏)

2015/7/5 ひとりでに落ちてくる水 れん びん れん びん たぶんひとりでほろんでゆくの(蒼井杏) 

2014/10/31 靴下の穴からのぞく親指のようにわたしをはみだしてゆく(蒼井杏)

2014/9/29 リプトンをカップにしずめてゆっくりと振り子のように記憶をゆらす(蒼井杏)

2014/8/31 この世からいちばん小さくなる形選んで眠る猫とわたくし(蒼井杏) 
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歌誌 未来2016年12月号現代女性歌人展小川清月と鏡集佐伯裕子選


月と鏡集 佐伯裕子 選 p.86

現代女性歌人展

歌会で現代女性歌人展紹介があり歌集拝読

上野発新幹線で高崎へ土屋文明記念文学館

六十二真ん中よりも下だまだ まだこれからだ三十一文字

図書室に「未来」と「塔」の歌誌がある「塔」の知人の頁を捲る

バスが来る時間を気にせず読み耽る慌てて走るバス停遥か

忘れ物三百メートル追い掛けて乙女の足で届けてくれた

ご意見、質問をいただき推敲

歌会で現代女性歌人展事前勉強歌集拝読

上野発新幹線で高崎へ土屋文明記念文学館

六十二歳(ろくじゅうに)真中よりも下だまだ まだこれからだ三十一文字

図書室に「未来」と「塔」の歌誌がある「塔」の知人の頁を捲る

バスが来る時刻を気にせず読み耽る慌てて走るバス停遥か

忘れ物を三百メートル追い駆けて乙女の足で届けてくれた

三首加筆。

補足説明
六十二は、自分の年齢。自分の年齢と同じ歌人が、三十人の歌人の中で、年齢的に真ん中より下だということに驚いたという。自分の年齢を知らない人にはわかりにくかったと反省。

月別の一覧は

未来短歌会 未来  月と鏡集 佐伯裕子 選・不忍歌会 一覧

未来短歌会 未来 仮想 小川集(非公認) 一覧

未来短歌会 未来  小川清 (月と鏡集 佐伯裕子 選) 一覧



<この項は逐次追記しています。>
twitter:@kaizen_nagoya
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久野はすみさん 題詠100@2016の三首選のための予選

久野はすみ さんの題詠100@2016 好きな歌が多かったので予選をしてみました。

002:欠 全集の重き一冊取り出せば欠けたる場所にひかりはそそぐ
011:平 アトリエに画布は平らに置かれけり描かれし女も解き放たれて
015:盲 哲学を語り始めるかもしれず盲導犬の横顔しずか
021:ハート シミュラクラ現象により三点を描かれたハートマークがしゃべる
032:村 晩秋(おそあき)のいろどりとして鞄には北村薫を一冊入れる
036:味噌 海原をわたるつもりの休日に鯖の味噌煮を温めなおす
042:臨 走れるが走らないのだ ひだまりに大あくびする臨月の猫
052:せんべい きみの声が通過列車のようだった南部せんべいぱりんと割りぬ
069:枕 万葉集研究本をさしだしてつまらなければ枕にしろと
080:大根 根拠なき自信ではなくしっかりと野菜室には大根がある
086:坊 たこ焼き屋店頭になにか楽しげな坊主頭の六、七人が
087:監 あこがれはしらない場所にとどくだろう背筋ののびた辞書監修者
097:停 スマートフォン眺めてきみは電停に 遠くから見るひかりであった
099:品 ここからはそれぞれの線たそがれの品川駅で乗り換えてゆく

三首

002:欠 全集の重き一冊取り出せば欠けたる場所にひかりはそそぐ
036:味噌 海原をわたるつもりの休日に鯖の味噌煮を温めなおす
069:枕 万葉集研究本をさしだしてつまらなければ枕にしろと

全集を一冊取り出した状態で放置している。
どきっとしました。

鯖の味噌煮大好き。

土屋文明の万葉私注を読んでいるところです。
歌人の視点で論点を整理しているので面白い。調べないとわからないことがどんどん増えていき、どういう感想を書こうか迷走しています。

結局、自分の身近なこと、自分の好きなものの歌が好きってばれてしまふ、、、
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読書メーター手書き短歌部 降誕祭歌集・降誕祭歌会

 読書メーター手書き短歌部

201612月 季節行事 降誕祭歌会

   降誕祭歌集 投稿募集

   〆切 12月20日

 クリスマスにちなんだ短歌:一首、二首、三首または六首連作募集

クリスマスにちなんだ自由題(ご自身でお題をお書きください)

絵本の感想を内容を含むあらゆること(絵本名等をお題)

歌集の感想を含むあらゆること(歌集名等をお題)

 の3つに整理する予定。

宗教・宗派は問いません。クリスマスに対して批判的あるいは、斜めからの短歌でも結構です。他の宗教における12月の行事の歌でも結構です。何宗のどういう行事かを、題名としておつけください。

       

投稿先:Twitter@kaizen_nagoyaまたはメールkaizen@wh.commufa.jp

投稿形式(手書きの場合はjpg、それ以外は文字ファイル)

題名:(十七文字以内・俳句・川柳になっていても結構です)

歌人名:(題名と合計三十一文字以内。twitterアカウントを掲載してもよい場合には歌人名のあとにつづけてtwitterアカウントを記載)

短歌:六首六行以内(俳句、川柳、都々逸、自由詩等を含む場合は六行百八十六文字以内)手書き短歌1首の場合は五行1首。

 

冊子にして、PDFで発行。紙で印刷したものは、実費で文学フリマ京都で頒布予定。投稿していただいた方には、PDFの掲載先のURLをお知らせします。

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