2014年12月の記事一覧
『論理的読み書きの理論と実践』読了
ご恵贈くださいました。
論理的読み書きに関する研究と教育実践についてまとめた本です。
私は自分の興味から、
「数学書を読むこと」と「証明を書くこと」の指導に生かすことを念頭において読みましたが、
いろいろと参考になることがありました。
まず「数学書を読むこと」について。
本書では理解のレベルを「テキストベースレベル」「状況モデルレベル」に分けて提示しています。
数学書を読むという場面においてなら、
テキストベースレベルの理解は「記述内容の論理構造を捉えること」、
状況モデルレベルの理解は、その中でももっとも浅いレベルとしては
「その論理展開が正しいことを確認すること(証明のギャップを埋めること)」かと思います。
さらに「この定理の仮定を弱めるとどうなるか」等々の問題意識をもって読めるようになれば、
より高度な状況モデルの構築につながることになりそうです。
ちなみに、数学書の読み方については、こちらに自分なりの考え方をまとめてありますが、
何のためにこのような作業をするのか、についてはきちんと言語化できていないことに
本書を読んで気づかされました。
次に「証明を書くこと」について。
本書では「論理的に書くための「型」」に関する実践についてまとめられています。
以前から、証明の書き方をどのように教えればよいのかを考えていて、
とりあえず、基本的な「型」を身につけてもらうのが良いだろうと思うようになりました。
ε-N 論法の作法を書き始めた(けど進んでません、すみません)のも、このアイデアからでした。
示すべき命題の内容に応じて「証明の型」を設定できるはずで、
まず、その型通りに書くことから始めるのが分かりやすいだろうと思っています。
また、本書では思考図を用いた作文指導についても紹介されています。
証明を書く場合でも、証明の論理構造を図にしておくと、書くときの助けになるだろうと思うのですが
(自分が論文を書くときも論理構造を整理してからでないと書けません)、
具体的にどのように図示するのかについては、良い案を持っていません。
プログラミングをするときにフローチャートが近いような気もしますが、
アルゴリズムの記述と証明の記述は異なるので、そのままでは使えそうにありません。
本書からはいろいろと刺激を受けました。
本書の内容をもとに、新しい数学の教材を作ってみたい気もします。
入試問題を解くための小手先のテクニックは身につかないけど、
数学という学問を学ぶための基本的な姿勢を身につけられる、
そんな本ができるだろうと思います。
売れないだろうなあ・・・。でも時間ができたら作ってみたい。
きちんと言葉を使う志を持ち続けるすべての人にお勧めします。
論理的読み書きに関する研究と教育実践についてまとめた本です。
私は自分の興味から、
「数学書を読むこと」と「証明を書くこと」の指導に生かすことを念頭において読みましたが、
いろいろと参考になることがありました。
まず「数学書を読むこと」について。
本書では理解のレベルを「テキストベースレベル」「状況モデルレベル」に分けて提示しています。
数学書を読むという場面においてなら、
テキストベースレベルの理解は「記述内容の論理構造を捉えること」、
状況モデルレベルの理解は、その中でももっとも浅いレベルとしては
「その論理展開が正しいことを確認すること(証明のギャップを埋めること)」かと思います。
さらに「この定理の仮定を弱めるとどうなるか」等々の問題意識をもって読めるようになれば、
より高度な状況モデルの構築につながることになりそうです。
ちなみに、数学書の読み方については、こちらに自分なりの考え方をまとめてありますが、
何のためにこのような作業をするのか、についてはきちんと言語化できていないことに
本書を読んで気づかされました。
次に「証明を書くこと」について。
本書では「論理的に書くための「型」」に関する実践についてまとめられています。
以前から、証明の書き方をどのように教えればよいのかを考えていて、
とりあえず、基本的な「型」を身につけてもらうのが良いだろうと思うようになりました。
ε-N 論法の作法を書き始めた(けど進んでません、すみません)のも、このアイデアからでした。
示すべき命題の内容に応じて「証明の型」を設定できるはずで、
まず、その型通りに書くことから始めるのが分かりやすいだろうと思っています。
また、本書では思考図を用いた作文指導についても紹介されています。
証明を書く場合でも、証明の論理構造を図にしておくと、書くときの助けになるだろうと思うのですが
(自分が論文を書くときも論理構造を整理してからでないと書けません)、
具体的にどのように図示するのかについては、良い案を持っていません。
プログラミングをするときにフローチャートが近いような気もしますが、
アルゴリズムの記述と証明の記述は異なるので、そのままでは使えそうにありません。
本書からはいろいろと刺激を受けました。
本書の内容をもとに、新しい数学の教材を作ってみたい気もします。
入試問題を解くための小手先のテクニックは身につかないけど、
数学という学問を学ぶための基本的な姿勢を身につけられる、
そんな本ができるだろうと思います。
売れないだろうなあ・・・。でも時間ができたら作ってみたい。
きちんと言葉を使う志を持ち続けるすべての人にお勧めします。
0