2010年度 (筑波大)

2010年10月の記事一覧

関数論 (10月18日)

今回と次回は、留数計算を使って定積分を計算する話。
扱った例は以下の二つ:

$(1)\, \int_{0}^{2\pi}\frac{d\theta}{3\cos{\theta}+5}$  $(2)\, \int_{-\infty}^{\infty}\frac{dx}{1+x^4}$

(1) は三角関数をオイラーの公式を使って指数関数に書き直して、
複素平面上の単位円に沿っての積分に変数変換するパターン。
被積分関数が有理関数になって、単位円の内部にある極の留数を計算することになる。

(2) はこの手の計算の代表例。
上半平面に半円周をつけ加えて、積分路を単純閉曲線にする。
この積分は留数定理で計算ができて、あとは半円周の半径を無限大にする極限で、
そこからの積分の寄与がゼロに収束することを示せばよい。

今日の反省:(1) にせよ(2) にせよ、極が1位であることをきちんと言うのに、
どのような方法で述べるかが、いつも悩ましい。
ローラン展開を思い浮べればほとんど自明なんだけど、
その辺の感覚を言語化して、命題として書き下してしまうと、
なんだか難しいことをやってるような感じになる。
結局、「問題を解いて慣れてください」という話になってしまって悩ましい。

次回は10月25日。定積分の計算(その2)。