錯視 日誌

2017年4月の記事一覧

東京大学入学式限定販売の浮遊錯視図書カード

東京大学が入学式限定で浮遊錯視図書カードを発売しました。数学を用いた浮遊錯視生成アルゴリズム(新井・新井)による錯視画像で、東大にゆかりのある曲面の数理模型が動いて見える錯視になっています。数学・数理科学の研究成果を使った製品です。


(写真のため錯視量が減ってます。)
裏の台紙には錯視の説明が書いてあります。
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東京大学から浮遊錯視雑貨発売!数学で錯視は制御できる。

以下、東京大学によるプレスリリースからの抜粋です:

数学で錯視は制御できる!
アルゴリズムを用いて「浮遊錯視」化した画像を活用し
オリジナルデザイン雑貨を開発
東京大学コミュニケーションセンターにて発売開始
図書カードは入学式(4月12日)会場での当日限定販売!(※)


国立大学法人東京大学は、大学院数理科学研究科新井仁之教授及び新井しのぶ氏が開発した浮遊錯視生成アルゴリズムを用い、本学に縁がある画像を浮遊錯視化し、それをデザインに活かしたオリジナル雑貨を「浮遊錯視シリーズ」として平成29年4月7日より発売開始いたします。シリーズ第一弾は、ハンカチやポケットチーフ、液晶クリーナー等さまざまなシーンで使える「多目的クロス」および入学式限定販売の「図書カード」の2点です。


詳細は東京大学プレスリリースをご覧ください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/content/400061826.pdf
pp. 8-11

東京大学コミュニケーションセンター(本郷)とIMT ブティック(丸の内 KITTE 3階)で販売が開始されました。

  ⇩ 浮遊錯視雑の一つです。

浮遊錯視クロス。クロスに顔を近づけたり遠ざけたりすると、THE UNIVERSITY OF TOKYO の文字が円上を動いて見える。

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『シュルレアリスムとその展開』でマックス・エルンストを観る

 一昨日の日曜日に「シュルレアリスムとその展開」を観に行きました。場所は軽井沢ニューアートミュージアム、駅と軽井沢銀座の間にあるそれほど大きくはない美術館です。この展覧会ではマックス・エルンスト『百頭女』の初版フルセットの本邦初公開のほか、上原木呂、ヤン・シュヴァンクマイエルの作品が展示されています。
 正直に言うとシュルレアリスムはそれほど好きではありません。その理由は、一言で言えば,ただ脳が疲れるからです。多分視覚野だけでなくカテゴリーの連想を司る部分も酷使するからでしょう。美術の専門家の方はどうなのかわかりませんが、現実的なものの一部分を非現実的な組み合わせで接合されると、どうしてもその接合の仕方や接合部分に引き込まれて目が離せなくなり、やがて閉塞感で息苦しくなり、絵から解放されて自由になりたくなってしまいます。しかし、今回の作品群では(シュルレアリスムではよくあるようですが)絵の表題が余りに意味ありげなものだったので、絵の中に表題の意味を読み取ろうとしてしまい、絵に縛られて動きがとれない状態が続きました。結局、自分の中に生まれた絵に対する問題を解決できないまま、苦しさのあまり何とか絵の束縛力を振り切って、次の作品に逃避しました。そしてその繰り返しです。それに加えて今回の作品群は古いヨーロッパの細密画のように描かれていたため、どうしても絵を構成する線の一本一本まで見てしまい、結果、展覧会を見終わったときには、立っているのがやっとというくらいにへとへとになっていました。
 幸いこのミュージアムには確かレストランが付いていたので、そこでココアでも飲んで休もうと思いきや、ランチタイムとディナータイムの狭間で閉店していました。
 「シュルレアリスムとその展開」、とにかく脳も体も疲労困憊しました。
 どうも私にはまだシュルレアリスムの見方がよくわかっていないようです。もしかすると、知らず知らずに不合理の中に合理性を求めているから見ている自分自身が破綻するだけで、何も考えずに、もっと気楽に提示された不合理に対する不安感、いらだち、不気味さ・・・を単純に楽しむという、不合理への順応をしてしまえばよいのかもしれません。
 とはいってもシュルレアリスムの展覧会があれば、きっとまた見に行ってしまうでしょう。そして閉ざされた門を開けようとするものの、門前にいるスフインクスの謎が解けず、退散することに。
 こんな試行錯誤をしておらず、関連した美術の専門書を読んだり、講義を聴いたりして真面目に勉強すれば手っ取り早いのでしょうが(だからといってそれで理解できるとは限りません)、今はとにかく諸事忙しく、なかなかそれができないのが現状ですし、機会があればまた独力で何とかすることを試みたいと考えています。

 

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