研究ブログ

2013年11月の記事一覧

インタビュー調査


昔旅行会社で仕事をしていたとき、セールスパーソンのためのPSS(Professional Selling Skill)という研修の社内ファシリテーターを担当させて頂く機会があった。

その経験が現在の社会調査に非常に役に立っていることに今更ながら気が付く。

社会調査では大きく質的調査と量的調査があり、質的調査はインタビュー調査が
主流となると思う。

そのインタビュー調査で上記で示したスキルが大変参考になっている。

例えばオープンクエスチョンとクローズドクエスチョン。

オープンクエスチョンとは、質問内容は、ほとんど適当にざっくりしたもの、もしくは目的に対する質問はしないところから始まる。そこで面接者に自由に話してもらい
その中からニーズを取り出していく、誘導していくものである。

一方クローズドクエスチョンについては、質問内容が具体的なものとなる。特定した
質問をしながらその流れにそって進めていくものである。

ようはどちらがよいかというのではなく、これらを相手、場面で使い分けるというのが大変参考になる。

当時営業成績については、そこそこだったのだが、これをうまく使いこなしたからだと思っている。

よくしゃべる人については、「今日は暑いですね。」というきっかけだけで、どんどん多くのことを話してくれる。こちらはうなづくだけ、そして最後は勝手にこちらの要望に気づいて、いろいろとはなしてくれることが多かった。

一方、無口な人に対しては、特定の質問をしながら誘導していくようにしていた。そのほうがお互い楽だった。

一見、よくしゃべる人のほうがよいように見えるが、実際の信頼関係は無口な人がだんだん心を開いて変わっていくパターンになった場合が仕事上一番よかった。

どんな経験も無駄にならないのだなとつくづく思う。
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フィリピンの台風被害拡大


フィリピンのレイテ島を襲った台風30号の被害が拡大している。

まにら新聞は、12日「国家災害対策本部
よると、台風ヨランダ(30号)よる死者は11日夕計1774人となり、前日の229人か一気1500人以上増えた。通信網の回復などで、被災地の状況が次第なりつつあるため。行方不明者と負傷者はそれぞれ82人、2487人」と報じている。

筆者は、伊勢湾台風(日本)、ハリケーンカトリーナ(米国)、台風オンドイ(比国)、東日本大震災(日本)における人的被害拡大過程の比較研究を進めているが、その肝は、人的被害は、胎動期(避難)、生活基盤喪失期(直接被害、インフラなど)、社会秩序混乱期(治安)、生活環境悪化期(衛生)、社会生活適合期(復旧復興)へと被害の枠組みが変化していくことである。

新聞記事や報道をおっているとこの災害もやはり被害が上記の段階で広がっている。被害の内容については、その地域の特性を示したものとなり、その部分がまさしく災害は社会を写す鏡となるという部分であろう。

レイテ島は、フィリピンのなかでも、1991年のオルモックの洪水や2006年の地すべりなど自然災害の影響を受けやすい地域である。さらには、
国連の報告書によれば同じ台風災害でほぼ同じ規模の人口が曝された場合のフィリピンの死亡リスクは日本の17倍になるという。

このような地域の特性を踏まえ、前もって、もし災害が起きたらどのように被害が広がるというシナリオを描き、それを地域の防災対策に生かせないものかと考えている。

友人のおおいフィリピン。被害が広がらないことをただただ祈るばかりばかりである。













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タイの地域防災:Mr.Warning ミスターワーニング


先日、研究室の大先輩から危機管理の双方向性についての話題
提供があり、タイの地域防災システムのことを思い出した。

タイの内務省防災局(DDPM)は各地方に支局があるが、
そこを中心に、タイ全土にわたって水土砂災害を中心としたMr.Warningと
いうボランティアを育成している。アメリカでいうスポッターみたいなもの。

Mr.Warningはそこそこ訓練を受けているので、災害に関する情報を
適宜DDPMに通知して、防災対策を効果的にしている。

ネーミングもそうだがタイにもいろいろな知恵があるのだと感心したのを
覚えている。

やはり双方向性にするためにはそれを可能とする下地となる仕組みをしっかり
とつくる必要があると思う。その部分がなおざりになって双方向性といっても
難しいはず。

日本の危機管理における双方向性については、今後様々な議論がなされる
と思うが、それこそ、さまざまな発想が要求されてくると思う。

ちなみにMr.Warningというが女性はいないのか?という変な質問をDDPM
の担当者に質問したら「いる」と答えてくれた。

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