共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2020年3月

恐怖記憶の表出が睡眠に与える影響

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
18K15345
体系的課題番号
JP18K15345
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

申請者らは,視床下部のオレキシンニューロンがオレキシンの1受容体(OX1R)を介して扁桃体へ入力する青斑核のノルアドレナリンニューロンを活性化し,恐怖記憶形成および恐怖応答に関わることを見出した。申請者らはこれまでに、OX1R拮抗薬を用いることで、恐怖体験によって形成された恐怖記憶を想起する過程において恐怖応答が減弱することを示した(Soya et al., 2017)。しかし、恐怖応答におけるOX1Rの役割については世界的にも研究が少ない。近年、このOX1R拮抗薬が恐怖記憶の消去を促進することも報告されており(Flores et al., 2014)、PTSD治療薬としての可能性を秘めていることからオレキシンと恐怖応答の関係性に焦点を当てた総説を発表した(Soya and Sakurai, 2018)。また、オレキシンは覚醒の維持に関わる重要な物質であるが、OX1Rを介して下流のセロトニンニューロンやドーパミンニューロンを制御することで、恐怖応答に関与することも明らかになってきている。PTSDやうつ病患者においては高い確率で睡眠障害が併発することが知られている。過度な恐怖による睡眠障害において、オレキシンとその下流の神経回路の役割が明らかになれば不眠に関与する神経メカニズムの解明に寄与できる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K15345
ID情報
  • 課題番号 : 18K15345
  • 体系的課題番号 : JP18K15345