2017年1月
抗CCR4抗体併用化学療法による寛解後の臍帯血移植が奏効した成人T細胞白血病リンパ腫
臨床血液
- 巻
- 58
- 号
- 1
- 開始ページ
- 32
- 終了ページ
- 36
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本血液学会-東京事務局
症例は成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)急性型の62歳男性。CHOP療法単独では治療抵抗性であったが,抗CCR4抗体mogamulizumab併用CHOP療法が奏効し寛解を得た。HLA一致血縁・非血縁ドナーが得られず,mogamulizumab最終投与後71日目に骨髄非破壊的前処置を用いた臍帯血移植を施行した。急性移植片対宿主病(GVHD)grade II(皮膚stage2)を発症したが,methylprednisolone投与により制御可能であり,移植後9ヵ月時点まで寛解を維持している。経過中,制御性T細胞(Treg)は著減したままの状態であった。同種造血幹細胞移植はATLLの根治的治療であるが,移植前にmogamulizumabを使用する際,Tregの減少による急性GVHDの発症頻度・重症度が増加する可能性が報告されている。寛解期移植を目指すためにmogamulizumabを使用せざるを得ない症例における至適なドナーソースや移植時期,GVHD予防法に関して,更なる症例の蓄積が望まれる。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0485-1439
- 医中誌Web ID : 2017163287
- J-Global ID : 201702256803465848