Feb, 2011
骨髄に少数のPh染色体陽性細胞を認めた非定型的骨髄増殖性腫瘍
臨床血液
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- Volume
- 52
- Number
- 2
- First page
- 73
- Last page
- 77
- Language
- Japanese
- Publishing type
- Publisher
- (一社)日本血液学会-東京事務局
症例は52歳の女性。2003年1月から高度の血小板増加を認め,本態性血小板血症の疑いで経過観察中に,貧血,白血球減少が出現し,2007年11月当院を受診した。骨髄生検で巨核球増加と骨髄線維化を認めたが脾腫を認めず。骨髄染色体分析で,t(9;22)(q34;q11.2)を6/20細胞に認めたが,末梢血好中球BCR-ABL(FISH)融合シグナルは正常範囲内であった。骨髄液のRT-PCR法でM-BCR/ABL mRNA(b3a2型)を認め,2008年5月からimatinib400mg内服を開始した。一過性の血小板減少後末梢血は正常化し,骨髄線維症も軽快傾向にある。なお,末梢血でJAK2 V617F変異は陰性,M-BCR-ABL mRNA(TMA)は検出感度以下である。考察:経過中好中球増加がみられず,好中球にBCR-ABL融合遺伝子を認めないこと,imatinibにより骨髄巨核球の減少と線維化が改善したことから,BCR-ABL転座が主として巨核球系細胞に発現した極めてまれな骨髄増殖性腫瘍と考えられる。(著者抄録)
- ID information
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- ISSN : 0485-1439
- Ichushi Web ID : 2011144088