2020年4月 - 2023年3月
胃の消化が宇宙環境に適応するメカニズムの形態学的解析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
有人宇宙活動が本格化し、ヒトが宇宙で生活する基盤構築の必要性が高まっている。本研究課題は宇宙での「食」の基礎となる胃の消化機能が、微小重力などの宇宙環境にどのように適応するのか解明することを目指している。
前年度に実施したパラフィン4μ厚切片に対するHE染色所見やプロトンポンプ受容体に対する一次抗体を用いた蛍光免疫組織化学所見から、微小重力条件で胃組織の壁細胞に形態学的変化が生じる所見を得たため、2021年度は、対照条件および国際宇宙ステーションにおける微小重力条件で実際に飼育されたマウス胃組織について、Epon812樹脂(透過電顕用)包埋試料から100nm厚の超薄切片を作製し、特に壁細胞にフォーカスした透過電顕観察を行なった。その結果、微小重力条件の胃組織の壁細胞においては、対照条件と比較して分泌細管に態学的変化が生じている所見を得た。これらは宇宙滞在が胃酸による化学的消化に影響を与えることを示唆し、宇宙環境滞在下での栄養の消化吸収のメカニズム解明に役立つことが期待される。
前年度に実施したパラフィン4μ厚切片に対するHE染色所見やプロトンポンプ受容体に対する一次抗体を用いた蛍光免疫組織化学所見から、微小重力条件で胃組織の壁細胞に形態学的変化が生じる所見を得たため、2021年度は、対照条件および国際宇宙ステーションにおける微小重力条件で実際に飼育されたマウス胃組織について、Epon812樹脂(透過電顕用)包埋試料から100nm厚の超薄切片を作製し、特に壁細胞にフォーカスした透過電顕観察を行なった。その結果、微小重力条件の胃組織の壁細胞においては、対照条件と比較して分泌細管に態学的変化が生じている所見を得た。これらは宇宙滞在が胃酸による化学的消化に影響を与えることを示唆し、宇宙環境滞在下での栄養の消化吸収のメカニズム解明に役立つことが期待される。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K11539
- 体系的課題番号 : JP20K11539
この研究課題の成果一覧
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「食」と「健康」ラボ研究会 第5回シンポジウム 2020年8月26日 「食」と「健康」ラボ研究会(長野県食品製造業振興ビジョン推進協議会) 招待有り