MISC

1993年5月

大型高速炉のレベル-1 PSA概括評価

PNC-TN9410 93-134
  • 日置 一雅
  • ,
  • 栗坂 健一
  • ,
  • 三原 隆嗣

開始ページ
223
終了ページ
記述言語
日本語
掲載種別
機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等

高速炉プラントを対象として確率論的安全評価(PSA)を実施した。本研究の目的は、概念設計段階のプラントにPSA手法を適用し、システムモデルを作成し、これに基づく定量解析により、系統的な評価・分析を行い、プラントの信頼性・安全性の向上に有効な知見を提供し、基本設計への反映に役立てることにある。解析対象プラントは、プラント工学室が主体となって平成2年度から実施してきた「大型炉設計研究」の60万kWe級の大型高速炉とした。本報告書では内的事象を対象としたレベル-1 PSAの評価結果を示す。すなわち、フォールトツリー、イベントツリー手法によりシステムモデルを作成し、炉心損傷に至る事故シーケンスを同定し定量化した。炉心損傷発生頻度定量化結果、重要度解析結果、及び感度解析結果に基づき、安全確保上重要な系統・機器、支配的な事故シーケンスの整理を行い、系統的な分析を加えることによりプラントの信頼性・安全性の向上に有効な知見をまとめた。概念設計に基づいた設計ベースの評価では、LORLとATWSの発生頻度は十分に低いレベルにあり、PLOHSの発生頻度が支配的であると評価された。想定される基本設計と最確値評価の成功基準に基づいた評価ベースでは、PLOHS発生頻度は設計ベースより約2桁低いことが示された。また、メンテナンス冷却系に補助冷却設備1ループと同等の除熱能力を持たせる設計として崩壊熱除去系の多重度を増すことによってPLOHS発生頻度はさらに約1桁減少することが感度解析によって示された。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?4034852

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