論文

査読有り
2015年1月

福島第一原子力発電所事故後に発生した下水汚泥焼却灰中の放射性セシウム

Water Research
  • 香西 直文
  • ,
  • 鈴木 伸一
  • ,
  • 青柳 登
  • ,
  • 坂本 文徳
  • ,
  • 大貫 敏彦

68
開始ページ
616
終了ページ
626
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1016/j.watres.2014.10.038

福島第一原子力発電所の事故起源の放射性セシウムを含む下水汚泥焼却灰(以下、焼却灰)を分析した。分析に用いた焼却灰5試料のうち、2試料は、指定廃棄物となる放射能濃度基準を超えていた。焼却灰は、大きく2つの鉱物群からなる。一つは、リン酸塩鉱物や金属酸化物であり、これらは塩酸に可溶である。もう一つはケイ酸塩である。塩酸に可溶な鉱物のうち、鉄を主成分とする鉱物(恐らく酸化鉄)に、大部分の放射性セシウムが含まれていた。焼却灰を微粉砕したのちに塩酸水溶液中で加熱することにより、リン酸塩鉱物と金属酸化物を効果的に溶解することができた。溶解残渣中の放射性セシウムの濃度は、指定廃棄物となる放射能濃度基準を下回った。溶解残渣は、ほぼケイ酸塩からなる。溶解残渣中の放射性セシウムは、非常に安定に固定されていることが、溶解残渣の静的浸出試験から明らかになった。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1016/j.watres.2014.10.038
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5048854
ID情報
  • DOI : 10.1016/j.watres.2014.10.038
  • ISSN : 0043-1354

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