2021年2月24日
ドゥルーズ哲学は分人主義なのか?
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分かち難く一なる個人individualに対して、分割される複数的な分人dividualというあり方を肯定する考え方を分人主義と呼ぶことができる。この考え方はしばしばジル・ドゥルーズの哲学に引き付けられて語られる。実際、ドゥルーズ哲学には統一化されない断片というアイデアが常に存在し、また晩年の「追伸―管理社会について」(1990)では個人の対概念として分人le dividuelという概念が提示されている。この限りで確かにドゥルーズを分人主義に接続することは可能である。一方、ドゥルーズ哲学の中では分人とはどんな概念だったのか、これは別で検証しなければならない。80年代以降の複数のテクスト間で分人概念の用法を検討してみると、そこには肯定的とは言い難い、むしろ極めて慎重な警戒の姿勢が浮かび上がってくる。人が「ドゥルーズっぽい」と感じるところで、当のドゥルーズはなぜ難色を示しているのだろうか?
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