共同研究・競争的資金等の研究課題

2005年 - 2006年

広域災害に向けた平常時の医療体制の強化に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 萌芽研究  萌芽研究

課題番号
17651096
体系的課題番号
JP17651096
配分額
(総額)
1,800,000円
(直接経費)
1,800,000円

新潟中越地震は、災害医療システムにとって試金石となった災害であった。新潟中越地震の急性期の医療活動に着目し、これまで整備されてきた災害医療システムである、1.災害拠点病院を中心とした医療救護チームの活動、2.広域災害・救急医療情報システム、が新潟県中越地震において有効に作動したかどうかについて検証した。
調査対象をA.医療救援を受けた側の医療機関、B.救援した側の医療機関、の2者に分け、アンケート様式もそれぞれに対応する2通りを実施した。A群は被災地内の災害拠点病院と救急病院であり、B群は被災しなかった被災地内の災害拠点病院と新潟県に隣接する県内の災害拠点病院、である。
災害拠点病院を中心とした医療救護チームの活動に関しては、被災地内の被災状況が地元の医療機関で対応できる範囲内であったため、外部の救援が無くても対処できる場面が多かった。余震が長期間続いたため発災後3日以降から来た外部の医療救護チームも活躍することが出来たが、DMATの目指した発災後48時間以内の医療対応という目的は十分に達成されたとは言えない。
広域災害・救急医療情報システムは、新潟中越地震の応急対応では十分に活用されていなかった。システムの利用が進まなかった理由としては、平時の災害への備えにおいて災害時の備えに広域災害・救急医療情報システムが組み込まれていなかったことが背景にある。結果では、システムの訓練やマニュアルの更新を行っている病院では、広域災害・救急医療情報システムの入力が行われており、支援活動に役立てていた。1.システムの入力項目刷新、2.地域防災計画内での都道府県庁の役割の明確化、という2点を考慮し、システムの運用体制を見直すべきである。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17651096
ID情報
  • 課題番号 : 17651096
  • 体系的課題番号 : JP17651096