2018年
訪問介護における介護報酬設定についての研究―基本報酬の妥当性に焦点を当てて
社会福祉学
- 巻
- 59
- 号
- 3
- 開始ページ
- 44
- 終了ページ
- 54
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.24469/jssw.59.3_44
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本社会福祉学会
<p>本研究の目的は,訪問介護における介護報酬が公定価格として妥当性をもつのかについて考察することである.介護報酬は,基本部分と加算部分で構成されるが,本研究では,サービス提供において不可欠となる人件費や諸経費が含まれる基本部分に着目する.施設や通所系サービスの介護報酬設定(基本部分)をみると要介護度別の設定となっているのに対し,訪問介護の介護報酬は(要介護度別ではなく)1回当たりの設定になっている.この考え方によれば,要介護度が高くなればそれに比例してより多くのサービス提供時間が提供され,それが要介護度に応じた報酬となるということである.これをふまえ,本研究では訪問介護において介護の必要の程度がサービスの「時間」にあらわれているかについて考察を行った.この結果,「身体介護」については介護の必要の程度がサービスの「時間」にあらわれている一方,「生活援助」についてはそのようになっていないことが明らかとなった.ここからは,現在の1回あたりを基準に設定されている訪問介護の介護報酬は,必ずしも利用者の要介護状態に応じた評価となっていないということができる.</p>
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.24469/jssw.59.3_44
- ISSN : 0911-0232
- CiNii Articles ID : 130007630126
- CiNii Books ID : AN00314800