2020年4月 - 2023年3月
2台の脳磁計を用いた社会的交流場面の脳内ネットワーク解析と表情解析による行動評価
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究の目的は、自閉スペクトラム症(ASD)児に特異的な対人交流特性を脳生理学的指標から捉えることである。世界唯一の、小児・成人用脳磁図(MEG)同時計測システムを用いて、親子の自然な交流場面の脳活動を測定し、非線形理論やネットワーク理論に基づく最先端の解析アルゴリズムにより2者インタラクション場面の脳内神経ネットワークの理解を目指す。非侵襲的で静音性に優れたMEGを用いた計測により、自制が長時間保てない乳幼児や感覚過敏のあるASD児でも自然な状態で検査が可能となる。予備実験のサンプルデータから実験プロトコルの実行可能性を確認し、複雑性を指標としてASD児と定型発達(TD)児の比較検討を始めている。この研究は、ASDにおける実践的な生物学的指標の確立、乳幼児期における早期診断、さらにはコミュニケーション支援システムの構築に大きく貢献すると考えられ、臨床応用の可能性も大きい。
これまでに取得したデータを用いて、ASD幼児と定型発達幼児の比較研究を行っている。ASD幼児20名と定型発達幼児25名の、親子見つめ合い場面の脳活動を比較したところ、Right fusiform gyrusとRight superior temporal sulcusの領域における視覚性のガンマ活動(61-90Hz)がASD群で有意に低下していることがわかった。本年度の成果としては、この解析結果を国際学術雑誌に投稿中し、リバイス作業を行った(現在も査読継続中)。加えて母子データの相互性を評価する解析を進めている。見つめ合い課題の母子データが揃っているデータセット(ASD群16組、定型発達群18組)を用いて、母子の脳間インタラクションを評価に取り組んでいる。本年度は、アーチファクトを除いた母子データの使用可能データの時間軸を揃え、ネットワーク解析に先立つ周波数解析を実施した。
これまでに取得したデータを用いて、ASD幼児と定型発達幼児の比較研究を行っている。ASD幼児20名と定型発達幼児25名の、親子見つめ合い場面の脳活動を比較したところ、Right fusiform gyrusとRight superior temporal sulcusの領域における視覚性のガンマ活動(61-90Hz)がASD群で有意に低下していることがわかった。本年度の成果としては、この解析結果を国際学術雑誌に投稿中し、リバイス作業を行った(現在も査読継続中)。加えて母子データの相互性を評価する解析を進めている。見つめ合い課題の母子データが揃っているデータセット(ASD群16組、定型発達群18組)を用いて、母子の脳間インタラクションを評価に取り組んでいる。本年度は、アーチファクトを除いた母子データの使用可能データの時間軸を揃え、ネットワーク解析に先立つ周波数解析を実施した。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K07719
- 体系的課題番号 : JP20K07719