共同研究・競争的資金等の研究課題

2007年 - 2008年

減数分裂の細胞周期制御

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
19791119
体系的課題番号
JP19791119
配分額
(総額)
3,780,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
480,000円
資金種別
競争的資金

減数分裂での細胞周期制御で重要な問題の一つはDNA複製と遺伝子組み換え開始がどのように制御されているかほとんど未解明なことである。申請者は減数分裂のDNA合成と二重鎖切断の両方に必要な因子をスクリーニングした結果,リボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)を同定した。しかし,RNRを阻害した状態でも,DNA複製チェックポイントタンパク質機能を失うと,二重鎖切断が起こることが明らかになった。また,この時の二重鎖切断は正常な場合と同じ位置に生じ,組み換え開始に必要な因子を必要とした。すなわち,RNRが阻害され,DNA複製が阻害されると,チェックポイント因子が活性化し,二重鎖切断の開始を抑制するという新しいチェックポイント経路が減数分裂に存在することが明らかにした。さらに,DNA複製を阻害した時に,二重鎖切断箇所においてDNA合成が局所的におきているかどうか調べるために,新たに合成されたDNAをブロモデオキシウリジンにより検出する系を減数分裂においても確立した.また,減数分裂特異的転写因子であるMei4は第一減数分裂の開始に必須であるが,この機構に関しては全く未解明であった。Mei4の変異株ではCdc2の15番目のチロシン残基がリン酸化されていることをつきとめ,この部位を強制的に脱リン酸化すると遅延なく第一減数分裂に進行する。また,野生株ではcdc25^+ mRNA及びタンパク質が第一減数分裂時に上昇するがMei4の変異株ではこの上昇は見られない。また,cdc25^+遺伝子の近傍にMei4が結合する認識配列が存在し,in vivoとin vitroでこの配列に結合する。以上のことから,Mei4はcdc25^+遺伝子を転写制御することで第一減数分裂を開始させていると結論した。

リンク情報
URL
http://kaken.nii.ac.jp/d/p/19791119.ja.html
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19791119
ID情報
  • 課題番号 : 19791119
  • 体系的課題番号 : JP19791119